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Limit Breakがステーキングを活用した新しいコントラクトを発表

本日DigiDaigakuで有名なLimit Breakがかねてから仄めかしていた新しいERC-721で利用可能なコントラクトの詳細を発表しました。

早速、約2時間のスペースを聞いてMediumも読んだので、紹介していこうと思います。

ステーキングが前提

まずこれは、今後のゲームを主眼にしつつもpfpプロジェクトや1 of 1アーティストも考慮したダイナミックなソリューションで、オプトインによるステーキングを前提としています。

またこの仕組みはこれから新しくミントされるNFTプロジェクトだけでなく、既に発行されているプロジェクトにも利用可能です。その場合はホルダーの任意によるステーキングによって、新しく機能が追加されたWrapped NFTを発行することになります。WrapされたNFTは永久にアップグレードされたままとする事も出来れば、アンステーキングによって元のNFTにダウングレードさせるという選択肢も設定できます。その際は必要に応じて、時間の制約を加えたり、ダウングレードに費用を課したりする事も可能のようです。

さて、では順番に主な機能をみていきましょう。

柔軟な価格設定

クリエイターはコレクション内のNFTの売却価格を個々のNFTレベルまたはコレクション全体のいずれかで設定することができます。基本的には最低価格の設定に主眼が置かれていますが、最高価格も設定できれば、一定時間が経つにつれx%価格が最低が上がったり、最高価格が減ったり自由にプログラム可能のようです。もちろん、最低価格を0にして現状のように使うことももちろん可能です。

これを導入した背景にはいくつか理由があります。1つ目はやはりゲームです。例えば特にレアな武器に10ETHの固定価格を指定することができるようになります。これにより、このようなレア武器は簡単に取引されないため、ゲーム内で価格と希少性が保たれるようになる訳です。ETH価格などや投機売りの影響を受けないように価格を安定させる事でゲームデベロッパーにとって使いやすくさせる狙いです。

2つ目の理由に1 of 1のアーティストの存在があります。CEOのGabeがLAの著名なアーティストに会った際に、NFTの場合価格のクラッシュによる本人のレピュテーションリスクがあるためNFTを発行したがらないアーティストが多いという話を聞いたそうです。そこでオンチェーン・ロイヤリティを契約レベルで強制できるようにすることで、この問題を解決できると考えたようです。

ロイヤリティ配分

今までのクリエイターによって初期設定されたロイヤリティ配分とは違い、クリエイター、アフィリエイター、コレクターに支払われるロイヤリティの割合を自由に割り当てることができるようになるようです。

ここでNFT業界では新しく、一方でWeb2業界ではよくあるアフィリエイターという存在が入ってきたのでそこから説明します。

筆者はすぐに1 of 1のアーティストが頭に思い浮かんだので、アーティストを例に取ります。アーティストが新しく1 of 1を発売するとします。その際に今までのホルダーやインフルエンサーなどを巻き込んでプロモートする場合、彼らのアドレスをコントラクトに登録することで、将来にわたってクリエイターのロイヤリティを彼らに分配することが出来ます。これは個人レベルで活動しているアーティストさんなんかには良い話ではないでしょうか。但しERC-721を前提としているので、ERC-1155を使って同じ作品を100個販売するような場合には残念ながら使えないですね。

次にコレクター内でのロイヤリティ配分に触れたいと思います。大きく2つあるようです。

①過去ホルダー間での分配:例えば常に直近10人のホルダーでロイヤリティを配分するなど自由に設定可能になるようです。
②保有期間に応じた分配:長期保有者(例えば1年以上トークンを保有した者)は、保有していたNFTの将来のロイヤリティを保有期間に応じて受け取るというのも可能になります。

こういったインセンティブ付与により、ホルダーをプロモーションにアクティブに巻き込むことで戦略的に二次流通を回転させて売上を上げていく事も可能になるという発想ですね。

尚、ロイヤリティ配分も価格設定同様にコレクションまたは個々のNFTレベルで設定可能です。Generativeの場合、例えばクラスやDNA毎にロイヤリティの%を変えたり、特定のレアTrait持ちだけロイヤリティを高くしたりという設定が可能になります。

このように最低価格設定とこのロイヤリティ配分の組み合わせがあれば、高額NFTも意図的に誕生させられそうですね。

一方でこれだけ細かくロイヤリティ配分をクリエイター、アフィリエイター、コレクター間で設定できるという事は、分配しまくった結果、売上が上がらなければクリエイターの収入減に直結します。しっかり個々で作戦を練る必要があるし、徐々に成功事例も出てナレッジが共有されていくんだろうと思います。

レンタル機能

レンタル機能自体は新しい発想ではありません。しかしゲームを考えた時に必須の機能でしょう。例えば、5ETHのレア武器が欲しいけれども現実的には手が届かないとします。その際にホルダーはレア武器を貸し出すことも出来るし、その際の期間やレンタルフィーも自由に設定できるようです。こちらも組み込まれるべくして組み込まれた機能と言えるでしょう。

ロイヤリティ保護

最後にロイヤリティ保護です。これは昨年からNFT業界の大きなトピックの1つですが、DigiDaigakuもBlurで取引されまくっているのでもちろんここにもしっかり含まれています。

OSのようにLimit Breakが制御するWhite List制になっており、以下のリンクから確認ができます。しっかりBlurは対象外とされてますねw

因みに余談ですが、ロイヤリティではないけれどもマーケットプレイスのフィーも設定できるようになっているとGabeが言ってました。

以上、上記の4点が主な機能だと筆者は理解しました。

既に数多くのヒアリングを経て、多くのゲームデベロッパーが賛同、抵抗を示しているマーケットプレイスも特になしとのことです。しかし一方で、pfpプロジェクトはステーキングによるインセンティブ付与に対してナーバスなところがいくつもあるような感じで語っていました。

今後の実際の導入ですが、まだ未定と語っていながらもDigiDaigakuで最初に導入されていくのはほぼ確実でしょう。即ち、既に出ているGenesisやHeroはホルダー任意のステーキングでWrapped NFTを使って今後ゲームや他のイベントに参入出来る形になるかと予想しています。

また、本日2023年1月11日に発表されたバージョン1では、"stake to opt-in "と "transfer whitelist "モデルが導入されており、来月2月にはバージョン1.1としてプログラム可能なロイヤリティと価格設定が完全に実装されるようです。

よって、他のプロジェクトで採用され始めていくのもこの辺りからではないかと推測されます。

最後に

今回の内容に関する提案やご意見は、blockchain@limitbreak.com まで~とあったので、採用に興味があるプロジェクトの方はコンタクトを取ってみるとよいかと思います。

あと、もし理解が間違っている箇所があれば、是非、ご指摘頂けると幸いです。必要に応じて都度修正したいと思います。




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