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公務員家を買う⑮(地縄張りと地鎮祭)

設計図書も固まって、いよいよ着工です。さあ、まずは基礎工事だと行きたいところだったのですが、またも足止めとなってしました。

1 工事の前の地味な問題

解体も造成も終わったのですが、家を建てるには、その土地がまっさらな更地でないといけません。ちょうど夏の盛りで、栄養も与えていないのに、太陽がさんさんと差していたためか、雑草が青々と茂っていました。

多少の草ならば問題ないそうなのですが、草原のようになってしまっていると、この後に行う地縄張りの縄が見えず、工事に支障が出てしまうため、雑草をきれいに刈る必要があります。

ハウスメーカーが機械で一気にやってしまうこともできるそうなのですが、もちろん費用が掛かるため、節約できるところは自分たちで行おうと、早朝5時より、一家総出で草刈りを行いました。

真夏の暑い日差しの中で、草むしりを行うのは、自殺行為であるため、まだ日が高くないうちに、一気に進めようと、2時間ほど皆で集中して草を刈っりました。

作業の成果を写真に撮り、ハウスメーカーに報告したところ、今度は、庭にある細い木が地縄に引っかかるかもしれないと指摘がありました。図面上では収まっていたのですが、夏の間に成長して、葉が生い茂り、背の低い枝が垂れ下がって工事に影響が出るというものです。

仕方がないので、家族には休んでてもらい、近くのホームセンターに行って、小さなのこぎりを購入して倒木作業に入ります。倒木と言っても太さは500ミリペットボトルほどしかなかったため、1時間足らずで、2本の木を倒すことができました。

根っこは残っていても問題ないということだったので、これで正真正銘、更地の完成です。

2 工事監督者への挨拶と地縄張り

更地にしたことを連絡して、いよいよ工事着工です。ハウスメーカー内で、設計から工事監督者へと引継ぎを済ませていただき、監督者から8月下旬から着工するので、地縄張りの立ち合いをお願いしたいと電話がありました。

地縄張りは工事着手前に、工事監督者とともに、敷地内に縄を張って建物の位置を確認することです。日程調整を行って、当日現場に伺うと、すでに更地となっていた我が家(予定)の土地の四方に打ち込まれていました。

地縄を張る際は、図面に記載されている隣地や道路の間隔に沿って、敷地の境界線を確認します。しっかりと計測を行うため、すでに水準器等を使用して、監督者が杭を打っていただいたようなので、私たちが行うのは、杭の位置の確認と縄の取り付けです。陣取りゲームのように家が建つ場所に縄を張っていきます。

張った縄は、図面上の壁の中心線になります。建物と隣地との間隔や敷地との間隔、そして、建物の縦横の長さが図面通りとなっているか、実際に測りながら確認していきます。工事監督者も用意してくれていましたが、持ってきたメジャーや一つ一つの長さをチェックしました。

建築職の同僚からも言われましたが、建築主はできるだけ現場に行って、工事をチェックすることが重要だそうです。チェックによって、後々起きるかもしれなかったトラブルを未然に防ぐこともできますし、何よりも、自分の家になるのですから、主体的にかかわるようにしていかなければなりません。

具体的には、地縄張り、上棟式、中間内覧、建具の取り付け、竣工検査の際は、可能な限り、現場に行って確認作業を行うことを勧められました。

もちろん天候や材料の入手状況によって、工程に変更が出たり、仕事の都合などでどうしても現場にいけない場合もあるのですが、建築施工主として、今後も可能な限り、見学に行きたいと思っています。

3 地鎮祭(?)の実施

親しい友人に、一戸建てを建築することを話すと、地鎮祭は行うのかをよく聞かれます。

地鎮祭は、神を鎮めてこれから行う工事の安全を祈願するものです。地鎮祭を神式で行う場合、地域の神主を招いて、工事関係者や建築主の家族等を集めて儀式を行います。

神主へのお礼や供物等を準備するため、費用もそれなり(5万円前後と聞きました)にかかり、大勢の人を招くことになるため日程調整等もなかなか大変です。

地鎮祭を行うかどうかは、周りに聞いたところ半々ぐらいのように思いました。「親も呼んでせっかくの機会だから」という人もいて、どうしようかと思ったのですが、自分も妻の双方の両親ともに家を建てたときは地鎮祭を行わなかったこと、工事の着工まで時間がなかったこともあって、地鎮祭は行わないことに決めました。

代わりにと言っていいのかは分かりませんが、地元の酒屋で日本酒を買って、地縄と敷地の四隅に、お清めとしてお酒をまくことにしました。家族四人でそれぞれ、お祈りをし、これから半年にわたって行われる工事の安全を祈願しました。

これで本当に工事前の準備は完了です。無事に着工することができて本当によかったと思います。

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