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公務員家を買う⑦(ハウスメーカーを決める)

前回、土地の目途が立ったため、注文住宅を建てることに決めました。建築にあたって、良いなと思っているハウスメーカー2社に間取りと見積書の作成を依頼し、それぞれの説明を聞くことにしました。

1 ハウスメーカーで家づくりをする流れ

決められた土地の上に、注文住宅を建てるにあたって、着工までの大まかな流れは以下のとおりで、①~⑥までをおよそ一年で行うことになります
①ラフプランと概算見積を確認してハウスメーカーを決定する(1月下旬)
②図面と仕様書を確認して契約する(2月上旬)
③内装や外装を決めて図面を確定する(3月~4月)
④解体・造成・着工する(5月~8月)
⑤上棟(9月~1月)
⑥竣工・引き渡し(来年2月)

住宅展示場を訪れた際に、好印象を持った職人系ハウスメーカーと、新興ハウスメーカーの2社から、間取り(ラフプラン)と見積書を作成いただき、それぞれから説明を伺いました。

住宅建築のプレゼンテーションなど、滅多に聞けるものではないため、両社それぞれの説明に対して、色々な質問もしつつ、判断するための材料を集めました。

それぞれの説明を聞いた後に、以下の3つの基準から判断して、職人系のハウスメーカーと契約することを決めました。

2 判断の基準①(予算)

予算については決定的な材料とはならなかったものの、結果的には職人系のメーカーに分がありました。

両社からいただいた見積書は、そんなに大きな差はなかったものの、当時ウッドショックの不安があり、木材の新築を希望していた私たちにとって、どの程度の影響があるのかは気がかりでした。
ウッドショック国産材回帰へ 宮崎県 供給力に注目(宮崎日日新聞) - Yahoo!ニュース

職人系のハウスメーカーは、自社林を保有していたことから、木材調達については、他社に融通するほど余裕がある状態であり、金額には影響しないという説明でした。

一方、新興ハウスメーカーは、多くを輸入に頼っているものの数年分の資材調達には影響がなく、見積書にも織り込んだ上での提示とのことでした。

判断した当時は、大きな決め手にはならなかったものの、ロシアからの輸入が不透明となっている現在のことを考えると、自社林を持っているメーカーにしたことは、結果的に運がよくかったと感じています。

3 判断の基準②(間取り)

間取りについては、両社とも甲乙がつけがたい内容でした。新興ハウスメーカーは、価格も品質もあきらめないと担当の方がおっしゃる通り、家事の動線なども、しっかりと考えられた効率的・合理的な間取りでした。

従来の住宅であれば取り付けられていた壁や窓を「本当に必要なのか」と一から見直して、デザイン性を保ちつつも旧来の住宅業界の高コスト体質を見直しているという強い自負を感じられました。

一方で、職人系のハウスメーカーは打合せに設計担当者が入っていることもあり、ラフプランでありながら、非常に具体的な間取りを提案してくださいました。

具体的には、実用的なコンセントの配置や、子どもが乗り出さない柵などの設置についてもアドバイスいただき、住んだ時の生活が詳細にイメージできるような説明でした。

部屋の配置などは大きく違えど、両社の間取りとも興味深く、間取りについても決定的な判断の材料にはなりませんでした。

4 判断の基準③(会社独自の強み)

結果的には、その会社の推しが、決定打となりました。新興ハウスメーカーの強みは、高性能の全館空調や太陽光発電といった設備面でした。

全館空調は、家全体の冷暖房と換気を一つの空調システムでまとめて行う空調設備です。エアコンのように、各部屋に室内機を設置する必要はなく、家全体の温度や空気を24時間常に快適な状態に保ちます。
加湿や部屋別の室温設定も!進化した全館空調システム [木造住宅・木の家] All About

春夏秋冬、同じような気温に保つため、ヒートショックなどを防ぐとともに、暖かくなりすぎる、涼しくなりすぎるといったことがないため、省エネ効果も期待できます。

一方で、実際に全館空調を入れている居宅を見学した際にも感じたのですが、常に空気を循環させているためか、空気の乾燥が気になりました。洗濯物が部屋干しでもすぐに乾くと、前向きにとらえることもできますが、加湿器などで、湿度を適切に保つ必要が生じるなと感じました。

加えて、妻も私も「夏は暑くなり、冬は寒くなるのは仕方ない。四季が感じられる家はそれはそれでよいのではないか。」とも思っていたので、一年中、同じ気温で過ごす全館空調に、我が家はそこまで惹かれませんでした。

太陽光発電についても、メンテナンスはどうするのか、交換は必要になるのか、台風などがあった際に破損することはないのか、など、担当者から「心配ない」と説明はあったものの、そこまでのメリットを感じることができませんでした。

そのため、ほかの家庭には魅力的に映るかもしれませんが、我が家にとっては強みが強みと感じられませんでした。

他方で、職人系の強みは、自社林から伐採した木材を惜しみなく利用した木造建築でした。もともと、和室にこだわりを持っていたこともあり、茶室のある家、床の間のある和室の施工実績の豊富さは、非常に魅力的でした。

木に囲まれた空間でありながら、税制面で様々な優遇措置を受けられる長期優良住宅の認定も期待することができ、こどもみらい住宅支援事業による補助金(80万円)の取得も可能になります。
注文住宅の新築 | こどもみらい住宅支援事業【公式】 (mlit.go.jp)

こうしたことから、職人系ハウスメーカーは、強みが私たちの望みとマッチしていたため、メーカー決定をする上で、大きなアドバンテージとなりました。

5 判断の基準にならなかったこと

これは余談ですが、営業との相性は、特に重要視はしませんでした。「マイホームのパートナー」とも言われたりしますが、だれが担当になるかは、正直運ですので、決め手にはならないなと感じました。

基本的に、営業は歩合制のはずでので、成約が取れれば取れるほど、自分の給料が上がります。そのこと自体は何の問題もないのですが、営業から出る言葉は基本的に、プラスの言葉しか出ません。

そのため、話半分ではないですが、盛っているということは前提で説明を聞いていましたので、私たちにとって、営業との相性は、あまり重きを置いてこなかった事項でした。

6 ハウスメーカーの決定と着手金の支払い

妻とも話し合って、ハウスメーカーを決定し、1週間ほど置いて、再度お互いの考えをすり合わせましたが、決定に変更がなかったため、一方のハウスメーカーにお断りのメールを入れました。

選ばれなかったハウスメーカーの営業担当の方は、真摯に受け止めていただき、大変ありがたく思いました。

お願いをすることになったハウスメーカーに着手金を支払い、いよいよ家づくりが本格的にスタートすることになりました。今後の主な流れは以下のとおりですが、これと同時並行で旧家の解体作業を行うことになります。

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