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今日の気分はこの曲


Vol.24「ブルドッグ」フォーリーブス

1977年6月21日に発表された、フォーリーブス35枚目のシングル。

作詞は伊藤アキラ、作曲は都倉俊一のコンビ。


フォーリーブスは1967年4月1日に結成されました。

メンバーは元祖天才子役の江木俊夫、ジャニーズの付き人だった北公次、

ファッションモデルのおりも政夫、劇団若草出身の永田英二の4人でした。

グループ名はなく、「ジャニーズJr.」を名乗ってました。

8月、第33回日劇ウエスタンカーニバルに出演。

グループ名も「フォーリーブス」に決まりました。

10月、永田英二に代わって青山孝史(当時は青山孝)が参加。

日本テレビ「プラチナゴールデンショー」にレギュラー出演しました。

1968年9月5日、シングル「オリビアの調べ」でデビュー。

1970年代前半は、彼らの時代でした。

ブロマイドの売り上げは1970年に1位となり、

紅白歌合戦には1970年から7年連続で出場。

舞台でのミュージカルにも挑戦しました。

歌番組だけでなく、バラエティーにも出演。

ジャニーズ事務所のアイドルがバラエティーに強いのも、

彼らが道を切り開いたおかげなのです。

変わったところでは、教育番組「カリキュラマシ-ン」のレギュラーも。

しかし70年代中盤から状況が変わります。

新御三家の台頭や、ニューミュージックのブームにより、

レコードの売り上げは徐々に減少。

1976年6月に発表したシングル「踊り子」は、

日本歌謡大賞特別賞などを受賞しました。

しかしオリコン最高位は41位でした。

そこで起死回生の為、リリースされたのがこの「ブルドッグ」なのです。

この曲といえば、ゴムベルトによる独特のパフォーマンス。

当時かなり話題になりました。

後に光GENJIが行った、ローラースケートのパフォーマンスのルーツです。

パンツのゴムひもを使って真似した人も、多かったなぁ。

あとやっぱり歌詞の凄さ。

「黙れ 五月蠅いぞ お前ら」で始まる、男っぽくて格好いいフレーズ、

それの連続で盛り上げ、「夜更けの嵐が 心を刺す」の後が、


「にっちもさっちも どうにも ブルドッグ」

ですから。


せっかく今まで恰好良かったのにねぇ。

作詞の伊藤アキラは秋元康に「筋金入りの作詞家」と言わせる人物。

歌謡曲、アニソン、CMソングと有名な曲は多く、

日本作詞界の隠れたレジェンドです。

例えば第20回レコード大賞最優秀新人賞の「カモメが翔んだ日」、

人気番組だからってディレクターが出した「ひょうきんパラダイス」、

「ひらけ!ポンキッキ」では「はたらくくるま」シリーズ、

「みんなのうた」では「南の島のハメハメハ大王」

アニメではロボットアニメ版水戸黄門の「最強ロボ ダイオージャ」、

CMではヒデ勇樹の隠れた代表曲「日立の樹」、

作曲の小林亜星本人が出演していた「ぱっと!さいでりあ」

サビならソラで歌える曲ばかり。

詞も曲のシチューエーションに合わせ、変幻自在です。

それだけに「にっちもさっちも どうにも ブルドッグ」が謎です。

結局、話題にはなったもののオリコン最高位は40位どまりで、

それまで続いていた紅白歌合戦出場も逃します。

更にメンバーが20代後半になり、アイドルとしては難しくなってきました。

今でこそ30歳台、40歳台のアイドルがジャニーズ事務所には沢山いますが、

当時は皆無。

結局、1978年7月21日にラストシングルの、

「THE END-思いがけず出会ったら-」を発表。

8月31日、東京厚生年金会館でのコンサートを最後に解散しました。

解散後はジャニーズ事務所の後輩の少年隊が彼らの曲を歌い、

ジャニーズソングの定番となるものの、めぼしい活躍はありませんでした。

しかし2001年1月、

Yahoo!での「再結成してほしいグループ」のアンケートで1位を獲得。

これをきっかけに2002年1月29日、再結成してコンサートを行いました。

テレビ出演は少なかったものの、コンサート活動は続いてました。

が、2009年1月28日、青山孝史が肝臓がんで亡くなり、

3月29日のコンサートを最後に活動休止しました。

また2012年2月22日には、北公次も肝臓がんで亡くなってます。

2014年から江木俊夫とおりも政男が、

フォーリーブス名義でコンサートをやってます。

もう2人になってしまったけど、彼らにはまだまだ頑張って欲しいなぁ。


カバーですが、まずは近田春夫&ハルオフォンによるカバー。

オリジナルに忠実だけど、ギターソロなどロック色も強めてます。

なかなかいい感じですね。

おりも政夫はこの曲を聴いて、頭を抱えたそうですが。

次はスーパー銭湯のアイドル、純烈によるカバー。

テンポが遅めのせいか、ちょっと大人しいような。

ゴムベルトに挑戦してくれたのは、ポイント高いですね。

最後はベテラン声優の横山智佐によるカバー。

「檄!帝国華撃団」などのヒット曲を持つ彼女ですが、

この曲とは相性が良くないように思います。

やはり女性ボーカルには合わない曲なんでしょうね。


という訳でフォーリーブスの名曲、「ブルドック」についてでした。




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