PENTAX *istDと*istDS
ペンタックス初の市販一眼レフ、*istD。
2003年9月に発売された、APSフォーマットのカメラです。
翌2004年11月に発売された、*istDS
*istDのマイナーチャンジモデル。
一般的にはそう思われがちですが、それは半分アタリで半分ハズレです。
自分も昔はそう思ってました。
でも2台を手元に置くようになって、この考えは変わりました。
よくよく2台を見てみると、結構違う点があるんですよ。
参考までに主な同じ点と違う点を書き出してみると、
主な同じ点
・有効画素610万画素のソニー製CCD
・ISO200~3200までの撮像感度
・視野率95パーセント、倍率0.95倍のペンタプリズムファインダー
・TTL開放16分割測光、スポット測光、中央重点測光、
測光範囲EV1~21.5の露出計
・オート:1/4000秒~30秒、マニュアル:1/4000秒~30秒のシャッター
主な違う点
・記録画像サイズは基本的に同じながら、
RAW撮影(3008×2008 ピクセル)を追加
・1.8型11.8万画素から*istDSでは2.0型約21万画素に拡大された、撮影モニタ
・記録媒体をコンパクトフラッシュまたはマイクロドライブから、
SDカードに変更
・プログム、シャッター優先、絞り優先、ハイパーマニュアル、
バルブの露出制御にピクチャーモードなどを追加
・内臓ストロボの同調速度を1/150秒から1/180秒に変更
・幅を4ミリ、高さを2ミリと小型化した半面、厚さは6ミリ増加
・重さは45グラム軽量化
・右軍艦部の表裏に2つあったジョグダイヤルを、後ろ1つに簡素化。
・ブラックのみだった外装にシルバーを追加。
確かに細かい点なんだけれど、
「痒い所に手が届く」ような細かい改良の積み重ねです。
また、軍艦部のシャッター回りなども違います。
先ずは*istDの右軍艦部。
こちらが*istDSの右軍艦部。
*istDSでは液晶モニターが拡大されてますね。
それに伴い、表示がシンプルになってます。
実際使うと、かなり見やすくなってます。
そして*istDの左軍艦部。
同じく*istDSの左軍艦部。
軍艦部左側も、シンプルになってます。
使いにくかった測光範囲の設定ダイヤルは消え、
代わりにピクチャーモードが追加されてます。
ただ省スペースになった為ダイヤルが傾き、
半分埋まった形になってるので操作性は少し落ちます。
で、こちらが*istDの背面。
こちらが同じく*istDSの背面になります。
押しにくかった背面モニター左のボタン群が、
形状が変更されて押しやすくなってます。
また背面モニター右の十字ボタンの位置が変更されてます。
右手親指で操作しやすくなってますね。
とまぁこれまで2機種の違いを見てきましたが、
よくぞ1年と少しでここまで改良したなぁと思います。
非常に真面目な姿勢で改良されてるなぁ、とも感じます。
企業のモノづくりに対する姿勢でしょうねぇ。
それゆえ残念に思うのです。
短期間でここまでブラッシュアップ出来るのなら、
発売を延期し*istDを熟成した方が良かったのでは?
だってかなり手が入ってるとはいえ、
*istDSが発売されたのは*istD発売の1年2か月後。
その1年2か月の間に待ちわびていたペンタックスの愛好家たちは、
*istDを購入していたからです。
確かに
「1日でも早くペンタックスのデジタル一眼レフが欲しい」
愛好家の人たちはそう思っていたでしょう。
*istDが長年待ちわびた恋人のような存在だったと思います。
昔、ペンタックスはKシリーズの発売翌年、
Mシリーズを発売して商業的成功を収めました。
その間隔も今回と同じ1年2か月です。
しかしKシリーズとMシリーズはコンセプトからして違うカメラ。
KマウントのフィルムMF一眼レフ
それぐらいしか共通点がないほど大きく違います。
しかし*istDと*istDSの場合、そこまで大きな違いがありません。
そんな矢継ぎ早に出されても、売れるわけはないのです。
これはペンタックスという、モノづくりに真面目なメーカーゆえの失敗。
マーケティングに長けた某メーカーなら、絶対やらない失敗です。
でも最初の一歩がこれではねぇ。
正直かなり痛かったと思います。
個人的にはそんな真面目なペンタックスが、好きなんですけどね。
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