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今日の気分はこの曲

Vol.4「たどりついたらいつも雨降り」

モップス

1972年7月5日に発売された、モップスの12枚目のシングル。

モップスは1967年11月にデビューした、GSバンド。

GSといっても他のバンドにように制服はなくてメンバーの衣装はバラバラ、

サイケデリック路線のバンドでした。

Vol.1のデビュー当時のピンク・フロイドのような感じですね。

サイケデリックのブームが落ち着いてからは、

月光仮面の歌とブルースを融合させた「月光仮面」、

この曲はパッと聞いただけではコミックソングのように聞こえますが、

「月光仮面」の原作者の川内康範は正式に曲に許可を出してます。

さらに阿波踊りのリズムを取り入れた「御意見無用」、

日本のロックシーンでは常に異色の存在でした。

「日本のロック」を、彼らなりに模索していたのかもしれません。

この曲はそんな彼らがフォークの吉田拓郎に提供して貰った、意欲作です。

メンバーの鈴木ヒロミツからいきなり電話で依頼を受けた吉田拓郎は、

アマチュア時代に所属してたGSバンドの為に作った曲を提供します。

「好きになったよ女の娘」という曲でした。

そのままでは彼らのイメージに合わないと判断し、

詞とタイトルを書き直したのでした。

この判断は大成功。

オリコンのシングルチャートでは最高位26位でしたが、

約14万枚を売り上げて彼らの代表作となりました。

しかし時代は歌謡曲の全盛期。

次第に活動に行き詰まり、1974年5月に解散します。

解散後メンバーの鈴木ヒロミツは、役者に転向。

「夜明けの刑事」などに出演してお父さん役として親しまれましたが、

2007年3月14日、肝細胞がんのため亡くなりました。

ギターの星勝は、プロデューサー兼アレンジャーとなりました。

代表作は井上陽水の「氷の世界」、上田正樹の「悲しい色やね」など多数。

話を曲に戻しますが、この曲のキモは星勝のギターですね。

イントロからロックな音を出してます。

そして鈴木ヒロミツの泥臭くて温かみのあるボーカル。

こりゃ売れる訳ですね。


カバーですが、まずは曲を作った吉田拓郎のカバー。

ゆったりとしたテンポで歌い上げてます。

細かい歌いまわしには、吉田拓郎らしさが出てますね。


タレントとして有名な、うじきつよしの子供ばんどのカバー。

原曲よりハードになってますね。

でも原曲のギターの方が上だと思います。


最後は日本を代表するボーカリスト、氷室京介のカバー。

原曲より上手いしカッコ良いんですが、何かが違う。

洗練されてて泥臭さが無いんですよね。

やはり泥臭い鈴木ヒロミツのボーカルの方が、

この曲には似合ってると思います。


という訳でモップスの名曲、

「たどりついたらいつも雨降り」についてでした。

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