#21 両手仲介に見る今後の展望
専ら、闇金ウシジマくんに再度はまっています。
お金が絡んだ人間の様子をかなりリアルに書いており、時折ウシジマが見せる深い人生観にがっちり心をつかまれています。
ちなみに新卒で入社した1年目の時、同姓同名の人が僕の名前をかたって、闇金からお金を借りていたらしく、会社に取り立ての電話がきたことがありました。(会社HPのスタッフ紹介にフルネームが出ていました)
さて、ウシジマくんとは特に関係ありませんが、不動産売買の両手仲介について。
不動産売買の際、仲介会社に依頼をし契約が成立した場合、売主・買主は【仲介手数料】を支払います。手数料は、売買契約金額の3%+6万円(税別)を上限としています。
例えば、家の売却の契約を結んだ場合、売主が仲介会社に支払う手数料は96万円(税別)です。
では、仲介会社の観点。
例えば、敏腕かつカリスマ性のあるウシジマ社長が代表を務めるウシジマ不動産が売主を担当し、SUUMOやathomeに広告を出し、その広告を見た買主となるお客さんがついた場合、ウシジマ不動産は売主・買主それぞれから手数料をもらうことができます。
イラスト参照:https://www.insupekaitori.com/bible/kaitori/2494/
売買契約金額が3,000万円だった場合、売主から96万円、買主から96万円で合計192万円(税別)がウシジマ不動産の収益です。
ウシジマ不動産のような仲介会社は、売主だけ、買主だけの契約を担当するより、両方の担当をした方が手数料が2倍になるので一石二鳥なわけです。
この両手仲介が引き起こすものが【囲い込み】と呼ばれるものです。
自社で売却不動産を預かり、宅建業法上REINSというポータルサイトに登録をしなければいけない場合があります。掲載をすると、ウシジマ不動産のような仲介会社含め不動産会社向けにその売却不動産の情報が公開されます。
その物件情報を見た、例えばスノボ不動産が、ウシジマ不動産に連絡をします。
スノボ不動産「〇〇マンション、お客様に紹介可能ですか?」
ウシジマ不動産「すみません、先約ありのため紹介不可です。」
売主側のウシジマ不動産が紹介できないというので、もちろんスノボ不動産はお客さんに紹介を〇〇マンションの紹介をすることができません。
ですが、ウシジマ不動産の「先約ありのため紹介不可です。」これが本当かどうかはわかりません。REINSには掲載してますが、自社で買主を見つけて手数料を買主からももらいたいから、他の不動産会社へは紹介不可と言っている。これが業界では【囲い込み】と呼ばれています。
ちなみにその囲い込みが行われている状況について、ウシジマ不動産に〇〇マンションの売却を依頼している売主は知りません。売主のところへは、ウシジマ不動産から定期的に報告がきます。(宅建業法で定められているため、報告をしなければなりません)
『売却活動を”幅広く”行っておりますが、中々買い手がつかない状況です』などなど。
不動産業界においては、個人(売主・買主)と不動産会社に間に情報の非対称性が存在します。いわゆるグレーゾーンが多く存在しています。上記の囲い込みについても、宅建業法においてはやっちゃダメだよ、と定められているわけではありません。
多重構造になっている不動産業界を透明化することができれば、中古不動産の流通スピードは格段に上がると思っています。
どちらも大事、という言葉はあまり好きではありませんが、自社の利益とお客様の要望に応えること、このバランスをとることが難しい部分だと思います。
早い話、仲介手数料の3%+6万円という上限をなくしてしまえばいいとも思っています。それが生むものは業者間の価格競争であり、3%以上の手数料を支払って優秀な担当に任せることができる、などが表面化すると、業界は正常な方向に向くのではないでしょうか。
もし、GAFAのような企業が不動産業界に進出をしてきたら、軒並み浸食されるようなおそれもありますし。
多重構造の業界を透明化する足掛かりを常日頃見つけ歩く日々です。
ちなみにドラマは、闇金ウシジマくんよりも池袋ウェストゲートパークが大好きです。
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