Ⅲ.近平新時代中国特色社会主義思想・学生読本・初中 p.1 【1-1】

第1讲 中华民族伟大复兴的中国梦

第1講 「中華民族の偉大なる復興」という「チャイナ・ドリーム」 

注釈:
中华民族伟大复兴(中華民族偉大復興):「中華民族の偉大なる復興」。19世紀半ばまでは、中国は世界に冠たる先進国だった。しかしアヘン戦争(1839年9月4日–1842年8月29日)の敗北をきっかけに世界トップクラスから脱落してしまった。かつて君臨した場所へ返り咲くこと、これが「中華民族の復興」である。これをわざわざ「偉大」と称するのは、アヘン戦争(1939年)から中華人民共和国建国(1949年)に及ぶ100年間の遅れを取り戻すことは、並々ならぬ大事業だと考えているからである。
中国梦(中国夢):「チャイナ・ドリーム」。「アメリカン・ドリーム」を意識した標語であり、英文法に準ずれば「チャイニーズ・ドリーム」と訳すべきだが、本稿では「異質さ」を醸し出すために敢えてこう訳している。(「チャイナ・リスク」という和製英語との対照を意識している。)
 中国では「アメリカン・ドリーム」が一個人の成功を指すのに対して、「チャイナ・ドリーム」は社会全体の成功を指しており、より高尚な価値概念だとされている。私見を述べれば、「アメリカン・ドリーム」は「どこの国のいかなる階層の出身者であれ、アメリカに行きさえすれば成功のチャンスを掴める。等しくスタートラインに立たせてもらえる」という意味であり、中国人を含めた世界中の人々でシェア可能な価値概念だが、「チャイナ・ドリーム」は結局のところ中国人にしかシェアできないところに問題がある。


原文01:梦想是美好的,蕴含着对未来的希冀。近年来,奥运梦、飞天梦、航母梦都一一实现,凝聚着国家、民族、个人梦想的中国梦正成为全体中华儿女共同的奋斗目标和美好期待。伟大梦想不想不可能一蹴而就,实现中国梦是一场接力跑。什么是中国梦?实现这一梦想,中国又怎样的战略安排?阅读本讲内容,让我们来共同寻找答案。

意訳01:夢は美しく、将来に対する希望を含んでいます。 近年来、オリンピックという〔国際的に重要なイベントを開催して成功させるという〕夢、「飛天号」という〔自力で宇宙開発を進めるという〕夢、空母という〔経済のみならず軍事的にも強い国になるという〕夢はすべて一つずつ実現していき、国家・民族・個人の夢を結集(凝聚)したチャイナ・ドリーム(中国夢)は、まさに中国全土の少年少女たちが共有する"全力で取り組むべき目標”(奮闘目標)と素晴らしい期待(美好期待)になりました。 偉大な夢は一朝一夕に実現することは不可能であり、チャイナ・ドリーム(中国夢)の実現とはリレー競技のようなものです。 チャイナ・ドリーム(中国夢)とは何でしょうか? この夢を実現するために、中国にはどのような戦略的な手筈があるのでしょうか? この単元の内容を読んで、一緒に答えを探しましょう。

注釈
奥运(奥運):オリンピック。ここでは2008年北京夏季五輪を指す。日本にとっての東京五輪、韓国にとってのソウル五輪がそうであったように、中国にとっても五輪という世界的イベントを開催できたことは、国際社会における自国の地位向上と信頼獲得の証しと位置づけられている。
飞天(飛天):「飞天号航天服」の略。(※「宇宙飛行」か?)中国が初の有人宇宙飛行計画「神州七号」のために開発した宇宙服で、宇宙飛行士の翟志剛が着用して宇宙遊泳を行った。「飞天梦」(飛天夢)で、広く宇宙開発を指す。
航母:空母。「航空母艦」の略。中国はウクライナから「改装して海上カジノにする」という名目で購入したロシア製空母を改装して「遼寧」として就航させ、それをコピーして「山東」を就航、さらにそれを発展させた「福建」を進水させた。「航母梦」(航母夢)で広く軍事大国化を指す。
 大陸国家の中国が海軍力にこだわるのは、超大国米国を追いかけるという意味もあるし、台湾問題を視野に入れてのことだが、どうも19世紀末に清艦隊が黄海沖海戦で日本艦隊にボコられたことがトラウマになっているようにも見受けられる。
凝聚:凝集・凝固・凝結。バラバラだったものが集まって固く結びつくこと。
奋斗目标(奮闘目標):全力で取り組むべき目標。粉骨砕身して達成すべき目標。日本語の「努力目標」に類するが、達成のためにかける熱意や義務感・使命感ははるかに大きい。
美好:(抽象的事物が)美しい、麗しい、素晴らしい、輝かしい。
期待:名詞用法。当事、当込、期待、楽しみ。実現を待ち望んでいる事
一蹴而就:「一朝一夕で成し遂げる」「いっぺんで成功する」「やすやすと成功する」。否定文に用いることが多い.
接力跑:リレー

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