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ベンチプレスのMAX更新!ネガティブトレーニングを使ってみませんか?

こんにちは。Dice Trainingです。
岩手県でトレーニング指導を生業にしてます。
アメリカ留学中にNSCA CSCSを取得。
留学中のインターンシップも含めると、
トレーニング指導に携わって20年以上になります。

今日はベンチプレスのお話
一定の重量を持ち上げることを
目標にしている方、多いです。
自分の筋力を見るのに、
一番、シンプルわかりやすい。
そして、重いものを持ってると、
周囲の見る目がちょっとかわりますからね。(笑)
以前に、僕個人の記録がのびた経験談で、
このような記事を書いています。↓

今回の内容は、
●MAXが停滞してしまったトレーニング中級者以上の方
に是非、読んで欲しい内容になっています。

ベンチプレスのネガティブトレーニングとは?(動作分類)

ウェイトトレーニングの動作には、
・ポジティブ動作
・ネガティブ動作

の2つの動作があります。

<ポジティブ動作>
・ウェイトを上げるとき
筋肉が縮みながら力を発揮するとき
(=短縮性筋活動をしているとき)

<ネガティブ動作>
・ウェイトを下すとき
筋肉が伸びながら力を発揮するとき
(=伸張性筋活動をしているとき)

これを繰り返し、ウェイトトレーニングの動作を行っています。

ベンチプレスの動作で言えば、

●ラックからバーベルを外し胸まで下げる
⇨ネガティブ動作
●胸に触れたバーベルを押し上がるとき。
⇨ポジティブ動作

となります。
従って、”胸までバーベルを下す動作”
=伸張性筋活動を活用するのが、
ネガティブトレーニングです。

なぜ、ネガティブトレーニングがMAX更新に効果的なのか。

伸張性筋活動の特徴として、
・より大きな筋力発揮が可能
・「サイズの原理」に反して、速筋から優先的に動員 
・筋肥大の効果期待

が挙げられます。
※力発揮と動作の速度を図にしてみました。(下図参照。) 
伸張性筋活動は、動作の方向が違うので、
動作速度がマイナスと表記されます。

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より高重量が扱える
”伸張性筋活動の特性”は、
MAXを更新するための
・高強度トレーニング
・速筋の動員数増

にピッタリです。

「サイズの原理」から、
より大きな負荷がかかった場合、
より多くの運動単位の動員が必要
になります。
今まで使ったことがない神経系への刺激になりえます。

・停滞した筋肉に新たな刺激を入れる。
・高重量の扱い方に慣れる。

といった効果も期待できるのではないでしょうか。
(速筋群がメインで刺激されるので、
 筋肥大にも効果が期待でいます。)

デメリットは、伸張性筋活動の方が、
微細な筋繊維の損傷を引き起こすため、
・遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)の原因となる
・傷害発生(主に肉離れ)のリスクが高くなる
という点になります。
なので、ネガティブトレーニングは、
頻繁に行うものではありません。

具体的なベンチプレス・ネガティブトレーニングの設定

では実際に、ネガティブトレーニングの設定をご紹介します。
僕が留学中に学んだこと、体験したことをもとに
僕自身が実施している方法です。

●実施のタイミング
ネガティブトレーニングは、
すごく高負荷なトレーニングです。
なので、限られた時期にしか実施しません。
僕の場合は、
・ベンチプレスMAX測定予定日の1ヶ月くらい前
・頻度は週に1回
・MAX測定予定日の直前(〜3日前まで)はやらない

という設定にしてます。
ちなみに自分のMAXを測定するのは、
年にせいぜい2回程度です。

●ベンチプレス・ネガティブトレーニングのセット数、回数、使用重量等

以下は、僕が行う場合の
ネガティブトレーニングの設定です。

セット数;2セット
下す回数:2回
使用重量:110〜120%1RM

通常のベンチプレスのセットを終えた後に、
上記のようなネガティブトレーニングのセットを組み込みます。
セット数や、実施回数は、
よくある設定だと思います。
一般的に使用重量は、
”120〜130%1RM”
と言われたりもするんですが、
僕の場合は、
”胸まで下ろす時間を10秒間”
と決めているので、
少し軽めの設定にしてます。
(一般的には、5〜6秒程度)
10秒と決めているのは、
しっかりと、運動単位(神経と筋繊維のセット)に
刺激を入れるという思惑です。
実際、10秒も耐えられないですが。。。

実際に、やってみるとこんな感じです。↓

この日は、
●ベンチプレス
1セット目⇨45kg×8回
2セット目⇨65kg×6回
3セット目⇨80kg×6回
4セット目⇨85kg×6回
5セット目⇨90kg×6回(4回目で潰れる。。。)
の後に、110kjgでネガティブに挑戦してます。

バーを下ろす時間、ちょっと早いですね。。。
10秒も耐えれてないです。。。(汗)

ネガティブトレーニングの注意点

ここからは実施に関しての注意事項です。

●実施するのは中級者以上
ネガティブトレーニングは、
自身が持ち上げるMAX重量よりも重い重量に挑戦します。
高重量の扱いにまだ慣れていない初心者は、
動作・バランスを崩してしまう恐れ
があります。
従って、ある程度、高重量の扱いに慣れている
中級者以上の方が、ネガティブトレーニングを実施する対象になります。
ざっくりとした基準は、
ベンチプレスのMAXが、
最低でも自分の体重以上の人じゃないと、
僕はネガティブトレーニングは入れません。

●”安全”の確保
ネガティブトレーニングの使用重量は、
自分で持ち上げることができない重量設定です。
なので、安全面の確保は絶対。
補助者についてもらい、
バーが胸についた瞬間に、
すぐに引き上げてもらう
のがベストです。
そうすれば、すぐに2回目にもつながるし。

補助者がいない場合は、
セーフティーバーを必ずセット
します。
潰れた時に助けてくれる人がいないですからね。
セーフティバー無しでのトレーニングは絶対にNGです。
(高さの調整が微妙な奴もありますけどね。。。。)

ネガティブ実施の場合は、
とにかく安全面への考慮。
これを優先して設定していきます。

まとめ

筋力アップには、高強度なトレーニングは必須。
・85%1RM以上の重量設定。
・挙上回数は6回以下。
・複数セットの実施。
この辺が基本になります。

大きな負荷をかけることで、
・動員される運動単位(神経と筋繊維のセット)に刺激を入れる。
・「サイズの原理」からより多くの速筋群が活用される。

力発揮ができる状況を作っていきます。

さらに普段、持ち上げない重量に挑戦する。
伸張性筋活動の特性を利用した、
ネガティブトレーニングを組み込み、
・停滞した筋肉に新たな刺激を入れる。
・高重量の扱い方に慣れる。

を実現し、実際のMAX測定で記録の更新を目指します。

繰り返しますが、強度の強いエクササイズだからこそ、
実施者はレベルの一定上じゃないと実施はNG。
また、中級者以上でも、安全面はきちんと確保。
・補助者のサポート。
・セーフティーバーの活用。
最悪の事故が起きないようにします。

個人的には好きなトレーニング方法です。
筋力アップを目的にしている時期で、
ちょっとパフォーマンスが停滞してるなというなら、
ぜひ、試してみてください。

よろしければ、サポートをお願いします。情報発信するためのトレーニングセミナー開催費用や、ジュニア世代へのコオーディネーショントレーニング指導などの活動費として活用させていただきます。