Chrider's Porter
続いて新商品のご紹介。
Name : Charider's Porter
Style : Porter
IBU : 20
ABV : 5%
Porterは運び屋を意味しています。
その昔、自転車に乗った運び屋はこのポーターで仕事の合間に喉の渇きを潤したと言います。ボディやコクは充分。なのに飲みやすい。
ロースト感が心地よい仕上がりになりました。
かつ、自分にはいわゆる「黒ビール」に対して並々ならぬ思い入れがあります。少しだけこのストーリーにお付き合いいただけますと幸いです…
ちょっと長いです。
私がこの業界に入る前は、酒屋でクラフトビールを購入し、休日にたくさんの種類を飲んで楽しむ。という日常を送っていました。
アメリカンペールエール、IPA、IIPA、スタウト、ベルジャンホワイト
アンバーエール、バーレーワイン…
勉強の為、と称して相当な量を飲んでいたと思います。
後にも先にもこんなにたくさんの種類を、かつ、量を飲んでいたのは
この時期がMAXです。
少し話は逸れましたが…できればこの美味しさや感動を、周囲と分かち合いたかったのですが、これがなかなか理解されない。
IPAは苦すぎる。
スタウトは色からしてダメ。
ベルジャンホワイトは飲みやすいけど、クセが強すぎるかな。等々…
こんなにも理解されないものなのだな。と、勝手に落胆したものです。
そしてクラフトビール業界に入ってからも、この苦悩は続きました。
クラフトビアラバーは放っておいてもゴキブリホイホイのように吸い寄せられる(失敬)のですが、まだクラフトビールを飲んだことのない方は中々取り込めずにいました。
この頃には少しビールに対する知識も身に付けていたので、フードペアリング等も提案したりしていました。でもなかなか好きになってくれない。
この窮地を打開してくれたのがポーター。黒ビールでした。
ポーターはスタウトに比べると焙煎香、苦みが穏やか。
優しい味わいで、甘味さえ感じるものもあります。
また、スタウトはスモーキーと表現されることもありますが、
ポーターはコーヒーのようなフレーバーと表現されることが多いです。
そこで、コーヒーが飲めるお客様にはポーターを勧めるようにしてみたのです。
「黒なのに飲みやすい」
一度クラフトビールに対する苦手意識が取れると面白いもので、その後はペールエールやIPA、バーレーワインも飲めるようになってしまう。
ということが多々ありました。
そこから「クラフトビールが苦手な方の期待をいい意味で裏切りたい」と考えるようになり、飲みやすく、愛されるポーターを作れるようになりたいと思うようになりました。
思えば静岡で働いていた時。自分のデビュー作はこれと全く同じ名前をしたポーターでした。
滋賀に転職してから、初めてレシピ改変を全面的に行っても良いといわれたのもスタウトでした。
フードロスについて考え、提案し、商品化した最初のスタイルもポーター。
自分の人生において、黒はとても縁のあるスタイルで、醸造所を立ち上げた際には絶対に仕込もうと思っていたスタイルでもあります。
想い出のポーター。ご賞味いただけますと幸いです。
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