見出し画像

クラフトビールと副原料について

こんばんは

最近「〇〇でビールって作れるんですか?」と、大喜利の如くお題を頂戴する機会がとても増えてきまして、自分の思考整理と軽い営業を兼ねて文章にまとめてみようと思います。

それではいってみましょう。

1.副原料として何を使えるの?

結論から言いますと、アルコールが含まれていなければ大体のものは使用できます。
今まで当醸造所に依頼が来たもので言えばこんな感じです。

  • 野菜(さつまいも、ねぎ、ニンジン、ケール)

  • 果物(やまもも、イチゴ、梨、ブドウ、マンゴー、桃、かぼす)

  • 茶、コーヒー

  • 穀物(古代米、酒米、小麦、玄米)

  • その他(豚まん、蜂蜜、あずきの煮汁、ホエー)

おおよそ予想のできるものから「え?こんなものまで?」といったものもあるかと思います。それなりに知識やノウハウは必要となってきますが、ほとんどの場合はどんなものでも副原料として使用可能ですし、ビールの原材料になり得ます。

2.美味しいの?

ものによります笑
特に果物に関しては皆さんが思っている感じの通りのテイストや香りにならないことが多いです。
柑橘系に関しては主に皮に香気成分が含まれていて、顔を近づけずとも香りが強烈で香ってきますよね。こういった果物の香りはビールに溶け込みやすいです。
ですが、イチゴやリンゴ等、口に含んだ時に香りを感じるものや、触感が風味に影響するような果実については、なかなかその香りを液体に落とし込むことは難しかったりします。
※シードルがリンゴの香りがあまりしないような、そんなニュアンスです。

また、イモやカボチャ等のでんぷん質の野菜や穀物についても同様です。これらに含まれているでんぷんも分解され、甘みはなくなり、キレイにアルコールに変換されます。

使用量を調整することでドライですっきりとした仕上がりにできたりするので、あえて使用している醸造所もありますね。
個人的には米を使用するといい感じに軽いボディになり、ホップの香りのノリも良くなる気がするので好きですね。

また、太古には鶏肉を使用したエールも文献には残っており、とても人気だったとか。なので「こんなのをビールに使うなんて非常識だ!」みたいなことは実はなくて、今も世界では美味しいビールを作るために「これ使ったらおもろいんちゃう?」みたいな取組みがたくさんされていますね。

※先日飲んだマシュマロを使用したペイストリースタウトはとても口当たりがまろやかで、こんなにおいしくできるもんなんだなと勉強になりました。

3.なんで依頼を受けて副原料を使ったビールを作っているの?

単純に面白そうだからだ、というのもあるのですが、大体の方は困ってウチの門を叩いて下さっています。

「この食材はほとんどが廃棄になってしまう。何とかならないか?」
「製造工程でこれが大量に廃棄されているが、栄養満点でもったいない気がしている。」

このように、とても悩まれ、苦心されている中、当醸造所についての噂を耳にし、依頼して下さっている方がほとんどです。

となると、こちらとしても無下に扱うわけにはいかず、というか助けたい。
「美味しいかどうかは別にして、やってみますね笑」
といって、持ち込まれた原材料の特性を調べ、加工方法を調査し、実行に移しています。

そのおかげで今まで思いつかなかったような製造方法がひらめいたこともありましたし、思いのほか美味しく仕上がってお客様に喜んでいただいたこともありました。

中には「こんなのビールにできるわけないやろー!!」みたいなものもありますが、いったん持ち帰り、調べ、試しに作ってみるようにしています。


ゆくゆくはこういった取り組みの内容についても分にしたためて紹介し、オンラインで販売できれば面白いかもしれませんね。

5月は色々とイベントに呼ばれております!
そのため作っては詰め、作っては詰めの毎日でございます。

いつかどこかのイベントでお会いしましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?