放射線利用の未来を考える(1)

初めに

放射線。
この言葉を聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?
怖い、不安、医療、原子力発電、…
色々思い浮かべると思いますが、負のイメージを抱く方が多いのではないでしょうか。
日本原子力文化財団が行った2018年度 原子力に関する世論調査によると、肯定的なイメージよりも否定的なイメージの反応が圧倒的に高く、「危険」、「不安」という回答が突出していたそうです。(この世論調査では「放射線」という言葉のイメージを、決められた選択肢の中から選ぶ質問でした(複数回答可)。)
しかし、私たちは放射線を日常的に浴びていますし、また、医療で用いたり、発電に用いたりと、人為的にも利用しています。不安を感じても放射線とは一生縁が切れることはありません。
そこで放射線について改めて考えたいと思い、記事を書くことにしました。記事は複数回に分けて書く予定です。
目標は「放射線の未来について考えること」。
放射線は10年後、100年後の未来でも人為的に利用されているでしょう。そこで未来でどのような使い方がされているのでしょうか。また、そのような使い方がされるために、今の私たちはどのような行動をするべきなのでしょうか。
放射線について基本的な内容を確認しつつ、上記のことを考えていきたいと思います。(まだ自分でも考えがまとまっていないので、上手くいくかはわかりませんが…)

放射線を感じてみよう!

そもそも、放射線ってなんでしょうか。
放射線について書いていくと、長く、そして難しくなってしまうので、まずは放射線を感じてみるところからはじめましょう。

手のひらを空に向けてかざしてみてください。
大体1秒間に1個程度、宇宙からやってきた放射線が降り注いできています。でも、痛くもなんともないですよね。私たちは放射線を見ることができないし、感じることもできません。それじゃあ、どうやって感じるの?

画像1

(日本科学未来館にて撮影)
皆さんは科学館などで、上の写真のような装置を見たことがありませんか?これは霧箱(Cloud Chamber)と呼ばれる装置で、なんと放射線を目で見ることが出来るのです!
画像をじっくり見ると、装置の中央辺りに白い飛行機雲のようなものが見えます。実はこれが放射線の通った跡なんです。科学館などで実際に霧箱を見てみると、放射線の通った跡が出来たり、消えたり…。なんとも不思議で、ずっと見ていられます。Youtubeで検索すると動画も見れるので、よかったら検索してみてくださいね(霧箱の検索結果)。
この装置、今からおよそ100年前に開発されました。当時は最先端の技術で、霧箱を開発したウィルソンはノーベル賞を受賞しています。また霧箱を用いた研究成果でノーベル賞を受賞している人もいます。
霧箱って実は凄い装置だったんですね。
しかし、その後は電気信号として放射線を見る技術が発展したため、現在の実験では用いられていません。現在はどんな装置が使われているのか、後々紹介していく予定です。

ところで、こう見ると私たちって意外と放射線を浴びてるんですね。では実際どのくらい浴びているのでしょうか?
次回は具体的な数値に迫っていきたいと思います!


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