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Sカーブの法則 7月17日 Industry and Market Structure 産業の構造変化

 No Music No Life 音楽はみんな大好きです。もちろん私も。

 でも、日本の音楽産業は、LP、カセットテープ、CDと媒体が形を変えるたびに売上が上がってきたものの、

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ファイル:JA_music_prod_RIJ.png より

 1999年度の6000億円をピークに、2020年以降は3000億円を割り、最盛期の半減以下まで落ち込んでいます。

https://www.businessinsider.jp/post-252269 

 YouTubeなどで無料でミュージック・ビデオが見れる時代に、お金払ってまで音楽CDを買う理由がない、と判断されたり、音楽離れが起こったりしたのでしょうか。1999年をピークにとうとう2020年以降3000億円を割り、最盛期の半分以下の規模まで縮小しています。

その理由は、

「日本のレコード産業2022」より。2021年段階でも、日本の音楽売り上げの68.4%は、CDを中心とした音楽ソフトで成り立っている。

出典:一般社団法人・日本レコード協会「日本のレコード産業2022」

 日本の音楽産業は過去に比べ規模を縮小し、2013年以降は横ばいと言っていい状況だ。興味深いことに、ネット配信に音楽ソフトの市場が食われたというわけではなく、「音楽ソフトの売上減少をネット配信が補いきれてない」状況だ、ということが分かる

https://www.businessinsider.jp/post-252269  

 日本市場では、これまでのLP、CD、DVDという物理的な媒体に頼って売上を上げていたことがわかります。媒体の出荷によって売り上げを上げる、と言う形式では、米国も同じようなグラフになっています。

 米国市場を見てみましょう。

 1985年にスタートしたCDセールス(下グラフのオレンジ色)は1999年に最大だったものの、2000年から2003年まで4年間売り上げダウン。2004年からダウンロード販売が始まり、市場はダウンロード&CDのハイブリッド型で大きく伸びました。ところが、2008年をピークに物理的な媒体での売上は徐々に減っていきます。新しい販売方法、イノベーションが必要となりました。

https://www.riaa.com/u-s-sales-database/ 

 イノベーションが行われた結果、米国の音楽市場は、年々成長しています。

https://www.businessinsider.jp/post-252269 

 2014年に69億ドル(約8363億円)だったリテール市場の売上は、2021年には150億ドル(約1兆8314億円)にまで成長しているのです。もはや最盛期の1998年を凌駕しています。

日米のこの差はどこにあるのでしょうか。

 ビジネスインサイダーJPのレポートによると、それはストリーミング市場の成長が寄与しているとのことですが、全米レコード協会(RIAA)のグラフを見ると、サブスクリプションであることがわかりました。

https://www.riaa.com/u-s-sales-database/ 
https://www.riaa.com/u-s-sales-database/ 

 「サブスク」というイノベーションによって、音楽市場はレコード会社からプラットフォームを持つGAFAやSpotify などに主導権が移ることになりましたが、業界としては2015年以降V字回復。蘇りました。

 そして、日本市場もようやくサブスク/ストリーミング市場が成長しつつあるとのこと。2021年度には、全体の3割、900億円まで成長し、米国市場が辿った道を追いかけていくこととなりそうです。

https://www.businessinsider.jp/post-252269 より

今日の #ドラッカー #365の金言  では、そんな #イノベーション が起こった、産業構造の変化がテーマです。

#7月17日  
#Industry and Market Structure
#産業の構造変化

#産業と市場の構造は変化が急である
#小さな打撃で崩壊する

 産業と市場の構造は、予定されたもの、自然の法則、永遠のものと思わせるほどに堅固に見える。だからこそ、その変化はイノベーションの機会となる。そのとき、誰もが起業家精神を求められる。産業内の誰もが、われわれの事業は何かを問わなければならなくなる。それぞれの答えを出さなければならなくなる。
 長い間成功を収め、挑戦を受けたことのない生産者や供給者は傲慢になりがちである。新規参入者が現れても、取るに足らぬ素人と見る。そのくせ、その新規参入者のシェアが増大を続けても対策をとれない。
 アメリカの郵便も、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やフェデラル・エキスプレス(FEDEX)に抵抗できなかった。郵便の地位を危うくしたものは、急を要する書類や小荷物の市場の急成長だった。

(『イノベーションと起業家精神』、eラーニング教材『変化の駆動力』)

ACTION POINT

#われわれの事業は何かを問いつづけてください

今日のテキストは、『イノベーションと起業家精神』6章 源泉=産業と市場の構造変化 125~146ページ、eラーニング教材『変化の駆動力』

 音楽ストリーミングの登場で、アーティストーレコード会社ープラットフォーム、という構造が崩壊。プラットフォームがアーティストを囲い込む戦略に出るも産業は崩壊。

 かつて隆盛を誇ったレコード会社の多くはレコードやCDを製造して販売する、と言う「製造業」から、ダウンロードやサブスクの権利を管理する「著作権ビジネス」となっている。

 製造業として、大量に人を雇用して、と言うビジネスモデルから、契約書を作り使用回数に基づき請求する「知的権利ビジネス」へと変貌した事業体には、もはや雇用すら必要ない。家賃回収に勤しむ大家さんみたいなもんです。

 つまり、「権利ビジネス」化が進んでいくような気がしますね。そんなこともこちらで記しています。今日を変えていこう。愛を込めて。


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