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ユニクロ、アパレル業界世界一のワケ


だそうです。すごいですね。

柳井会長はドラッカーのファンだから、きっとこれらの記事を読んでおられて、「非顧客」というコンセプトをご存知だったんでしょう。

(引用)

アメリカの百貨店を見てみよう。顧客について、これらの店舗は誰よりもよく知っていた。1980年代に至るまで百貨店は顧客をしっかり捕まえていた。しかし、非顧客について彼らは何も知らなかった。小売市場の28%を制して、シェアは最大であった。しかし、この数字の意味するところは、残りの72%は百貨店で買い物をしないということである。これらの人々についてはなんの情報も持っていなかった。しかも、それを全然気にしていなかった。こうして、彼らは新しい客、特に富裕な層が百貨店では買わないことに気がつかなかった。その理由は誰も分かっていない。事実そうだったというだけである。ところが80年代の末には、顧客でない人たちが、圧倒的な影響力を持つグループになっていた。この人たちによってショッピングの趨勢が決められた。しかし、百貨店に人たちは、自分の顧客だけを見ていたから、このことを知らなかった。知ることそのことは増えても、その対象の方がどんどん減っていっていった。(「インフォリテラシー」ドラッカー・マガジン95年春号より)


米国市場で20%のシェアを持つオフィス家具最大手のメーカーは、これまでオフィス家具市場を熟知していると自負していた。だが、90年度後半になると米国内の雇用形態が変化してSOHOが増加し4000万人に達した。こうした環境変化によって、オフィス家具市場で成長性の高いSOHO向けマーケットの販路は従来のオフィス家具店から家庭用家具店へと以降していた。問題はある時期まで、オフィス家具メーカーは、こうした市場の変化を見逃していた点にある。ドラッカーはこの滑落の原因は、このメーカーが「顧客至上主義」に拘ったからだと指摘している。つまり、オフィス家具の顧客はもはや全市場の20%に過ぎなくなっているにもかかわらず、盲目的に「顧客の声に耳を傾けよ」といって、既存の顧客に迎合し過ぎたため、それ以外の80%の潜在顧客の声が届かないのである。(「ドラッカーと論語」安冨歩 より)


松下電器は、まだテレビが高価だった時代、東芝や日立はテレビを購入するのは大都市で生活する人々の中で比較的裕福な人々だというのが現実だ、と認識し、テレビを百貨店で販売していた。しかし、それは誤りだった。実際は、日本の多くの農家はそれほど自分たちのことを貧しいとは思わなかった。むしろ、農家の人々にとって、テレビは外の世界と接触させてくれる不可欠のものだったのである。この事実を、素直に認めたのが松下電器。彼らは、全国の農家にテレビを供給するという「目標」を持って、イノベーションを成功させた。(「ドラッカーと論語」安冨歩 より)

「非顧客」に着目する、という一見無謀にも思える戦略。

「服にこだわりがある」という「今すぐ購入する客に対象を絞り込む、ダイレクト・レスポンス・マーケティングをライバル他社が取った戦略とは真逆の、

「服にこだわりのない大衆」が買うにはどんな服にするんだ?と知恵を絞って、市場を取った戦略が実ったのだ。

そうか、そうなんだ。


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