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年金基金が支配的な株主になっている事実を知っていますか?  6月18日 The Business Audit 事業監査の必要

本日のテキストは、1991年刊の『未来企業』31章 会社の統治 303〜304ページより。元々は、ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された論文 “Reckoning with the Pension Fund Revolution”(年金基金革命を考察する)ではないかと思われます。


#6月18日  火曜日。
今日の #ドラッカー365の金言
テーマは
#The_Business_Audit (事業監査)
#事業監査の必要

今日の金言:
#年金基金が支配的な株主になったことは経済史上最大級の転換を意味する

今日のACTION POINT:
#あなたの会社の株主になっている年金基金を知っていますか
#それらの年金基金はあなたの会社についての情報をどのようにして手に入れているかを調べてください

本論文で、ドラッカーは、アメリカ企業の最大の所有者は年金基金であるが、年金基金は、これまで企業のマネジメントに対して積極的な関わりや影響力の行使をしようとはしてこなかったが、これからは「もっと配当を」とか「もっと株価を上げるよう経営しろ」と要求し始めるだろう、と指摘しています。

我々が毎月支払っている社保料。
巨額です。それが年金基金、GPIFに集まっていることを先日のNOTEでお伝えしました。

 これまでは、株価の上下に対して、GPIFは投資先の企業経営者へ意見を言いませんでしたが、勤労者=国民の資金を徴収して投入している以上、その説明責任が求められることとなる。だから、企業経営者に対して、「もっと価値創造しろ=株価を上げる経営をしろ」と要求する、と予言したドラッカー。

高い確率で、これは起こるだろうし、すでにGPIFは東証一部上場企業へ55兆8258億円もの資金を投資していますから、「もっと株価上昇する経営をしろ」「価値を上げろ!上げなきゃクビだ!」とプレッシャーをかけるだろう、ということです。

これまで資本家と対立してきた弱者=労働者、という理屈が、いつの間にか、年金基金=勤労者の資金、つまり、弱者だと思われていた労働者が年金基金を通じて株主、すなわち、資本家になっていた、というこのラビエンス(迷宮)。

勤労者が弱者、というこれまでの理屈が通用しなくなる皮肉。労働運動も困っちゃってるから、組合組織率も退潮なのかも?、知らんけど。

年金基金が、これまでの「物言わぬ株主」から「物言う株主」に変わる時。それは、勤労者が勝利したことになるのだろうか??


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