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1月26日 社会生態学の視点

#ドラッカー365の金言 #1月26日 #社会生態学の視点 #継続と変革の両立こそ文明にかかわる中核の問題である #あなたやあなたの組織は変化の担い手になっていますか #変革を行いかつその変革を安定と両立させるためには何をしなければならないでしょうか

自分は社会生態学者である。社会生態学とは、人間が人工的に作った社会・環境を研究する学問。主に、組織社会の中核にある経営層(マネジメント層)が知識を経営資源の中心として捉え、社会の継続と変革をどう進めるかを観察してきたとドラッカー博士。

経営者→経営に助言し介入する外部コンサルタント→さらにコンサルタントの外側から経営全体を観察するドラッカー博士、という位置付けだろう。

今回の米大統領選では、それまでトランプ氏を応援していたように見えた評論家などが開票作業の直後、一斉に手のひら返しをした有様を目にすることができた。これまで「既存のメディアを信じるな。彼らが報道しない大切な真実を自分たちが伝える」と宣言し、既存メディアのアンチテーゼとして、多くの支持者を集めてきたのだが、SNSの縛りや圧力があったのか、突如の主張変更に、SNS上で混乱が起こった。

これは選挙戦で、一方にあまりに肩入れすぎたために起った悲劇でもある。

既存メディアや体制は信じるな、俺たちを信じろ、と発言してきた側が、突然、前言撤回し、「既存メディアも最近は正しいこと言ってますよ」と言えば、支持者たちは誰でも怒って登録解除するのは当然だ。

こういう自らの仮説が外れた時ほど、戦略の変更が必要だ。

例えば、「我々は敗れた。見立てを外した。だが、ここから立て直すにはどうすればいいか、敵のやり方はどうだったのか、そこを一緒に検証していこうじゃないか」と言うなどすることで、自分も支持者側にいる、味方である、ただ、過ちをおかしてしまった、といえばよかったのだ。

自らの立場を守ろうと、手のひら返しし、さらに、上から目線で、「おまえらいつまでそっち側信じてるんだ?よく考えろ」という立場をとったため、支持者の多くを失う羽目になった。

まさに「社会生態学者たる存在」が新興SNSメディア側の彼らには必要だったんだろうと思う。

経営層にコンサルし、経営に直接介入するコンサルタントよりも、さらに、その外側から、博士が経営層の仕草や本質を俯瞰して見守る。より客観視された視点だ。より全体的、統合的に物事をみて「何が起こっているのか」「これから何が始まろうとしているのか」を思索する。これからの「ステークホルダー経営」の時代は、そういう見守る外部からの視点が、どの企業にも、決断する政治家にも、必要だろう。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」(山本五十六)

やっている姿を感謝で見守る存在が孤独な経営者や政治家にも必要だろう。

ドラッカー博士のように、経営の外側から、暖かく見守り、信頼する存在であるよう、今日もやってまいりたいと思う。

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