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7月13日 Unexpected Success 予期せぬ成功

#7月13日  
#Unexpected_Success
#予期せぬ成功

#予期せぬ成功を機会としてみるにはそれなりの意識を必要とする

 予期せぬことがイノベーションの源泉となるのは、それがわれわれの先入観をつき崩すからである。予期せぬ成功ほど、リスクが小さく苦労が少ないイノベーションの種はない。ところが、予期せぬ成功はほとんど無視される。困ったことには、その存在を認めることさえ拒否される。予期せぬ成功を認めるのは容易ではない。人間誰しも、長く続いてきたものこそ正常であり、永久に続くべきものと考える。
 1970年ごろ、アメリカのある大手鉄鋼メーカーが電炉の導入を嫌がった原因も同じだった。自社の高炉が陳腐化し、更新には数十億ドルを必要とした。進むべき道は電炉しかなかった。
 その鉄鋼メーカーは、たまたま電炉メーカーを手に入れていた。すぐに生産量を増やし、かなりの利益を得た。そこで若手の何人かが、資金を電炉の追加買収と増設にあてることを提案した。しかし、トップマネジメントは提案をしりぞけた。高炉中心の一貫製鉄所こそが唯一の道であって、その他のいかなるものもごまかしにすぎず、一時しのぎであり不健全であるとした。いうまでもなく、30年後の今日、アメリカの鉄鋼産業において、健全であって成長を続けているのは電炉のほうである。

(『イノベーションと起業家精神』)


ACTION POINT

#予期せぬ成功を軽視しないよう気をつけてください

#予期せぬ成功を見つけ 、学んでください。

『イノベーションと起業家精神』第3章 源泉=予期せざるもの 59〜62ページより


 予期せざる成功は、腹の立つものでさえある。長年にわたって看板製品の発展に力を入れてきたとする。ところがたまたま、昔の陳腐化した性能の劣るモデルの一部を手直ししたものを作らされる。トップ・セールスマンが強引に押し切ったからでも、大事な客が希望したからでも良い。誰もそのような代物は、売れるはずのないことを知っている。より正確にいうならば、誰もそのような代物が売れることは望んでいなかったというべきであろう。
 ところが、このいまいましい代物が勝手に売れ出してしまった。看板製品で目論んでいた売上を、この代物が達成してしまったとする。誰もが不愉快を感じ、庇を貸して母家を取られてしまったと感じるに違いない。そのような時には、誰もが、望みもせず、好きでもない家電に、愛すべきファッション製品の座を取られてしまったメイシーの会長と同じ反応を取るに違いない。

同書、63ページ

 この予期せぬ成功、という話は、某著名芸能事務所の会長の決断の話に例えればよくわかるだろう。

 将来の柱となるアイドルグループにしようと、長年グループAの育成に力を入れてきたものの、仮の企画みたいな代物グループ扱いの「S○AP」が売れ出してしまった。看板グループにするはずのグループAよりもヒットし、看板番組をもち、それが長年高視聴率を獲得しているから辞めさせるわけにもいかない。自分が情熱を傾けて仕込んだグループAはヒットせず低迷し続けたことで、この会長はS○APのマネージャーに対して長年怒りを爆発、最後は、マネージャーをクビにし、S○APを解散させ、ビジネスを全て破壊させた。
 会長のこの行動は、自社にとって何かメリットがあったのだろうか?みすみすビジネス成功の機会を失っただけではなかったのか?同社は「S○AP」解散公演や関連イベントを行わず、事務所からも排除。ただビジネス機会を潰しただけのように思える。

 予期せざる成功こそ、経営陣の判断力に対する挑戦である。前述の製鉄会社の会長は、電炉に関する提案を却下するとき、「もし電炉が機会であれば、我々経営陣が先に気づいていたはずだ」と言ったという。

同書、63ページ

 予期せざる成功こそ、最大の機会であり、これほど成功しやすいイノベーションの機会はない、これほどリスクが少なく、苦労の少なくて済むイノベーションの機会はない、と #ドラッカー  。 

米百貨店のメイシーは、家電の売上がファッションの売上よりも成長しているのを知って、「これはおかしい。なぜファッションの客が伸びないんだ?」と家電の売上をわざわざ落としたという。

 ところが、ライバルのブルーミングデール社は、家電製品の売上の伸びという現象が意味する新しい顧客層の出現に目を向けて、ファッション製品や、その他の衣料品の販売戦略も練り直し、機会を利用して、成長したという。



#365の金言  

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