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4月14日 日曜日 米GM社スローン氏の経営 Alfred Sloan’s Management Style マネジメント・スタイル

本日の #ドラッカー #365の金言  テキストは、『状況への挑戦』(1978年発刊)第5部 経営管理者>ケース1 アルフレッド・スローンの経営スタイル(151〜154ページ)、その改訂版である『決断の条件』(日本版2013年)では、第6部 マネジメントの仕事>ケース29 名経営者アルフレッド・スローンの経営スタイル〜孤高たるべきもの(134〜136ページ)からの引用です。
現在、手に入りやすいのは『決断の条件』の方です。

さて、本日 #4月14日  日曜日のランチタイムは、
#Alfred_Sloans_Management_Style (アルフレッド・スローンの経営スタイル)#マネジメント・スタイル
そして、本日の金言は
#社内に友人がいたのでは公正たりえない
ACTION POINT: #
部下については好き嫌いではなく成果と人物を気にしてください 。

GMの伝説的な経営者として知られるアルフレッド・スローン氏。同社は、残念ながらリーマンショックの際、時代の流れに対応できずに経営破綻 2009年(平成21)年5月31日、GM(ゼネラルモーターズ)が米連邦破産法(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻、国有化によって救済されました。

その後、2013年12月9日にアメリカ合衆国財務省が保有するGMの株式全ての売却が完了し、国有化が解消され、新生GMとして経営再開されています。とはいえ、その後も2014年にリコール問題が発生などから数年は苦戦続きでしたが、2022年以降ようやく回復の兆しが見えてきたところです。

https://finance.yahoo.co.jp/quote/GM/performance を元に作成

 戦時中の1944年ごろ、ドラッカーは、GM幹部から依頼され、およそ1年半かけて同社の経営を内部から調べ、企業経営成功の秘密を調査しました。
 その分析をもとに、企業とは何か、組織とはどうあるべきか、という根源的な問題に焦点を当てた一冊を書き上げました。その内容が1946年に第3作目の著作として発刊されたのが『Concept of the Corporation(当初「会社という概念」で日本語訳、のちに「企業とは何か」で新訳発刊された)』。

 本書は、当のGM関係者、特にスローン氏からは「禁書」扱いとなったものの、戦後間もないタイミングで企業経営について記された研究書が少なかったこともあり、ベストセラーになり、ドラッカーに多くの企業からコンサル要請が絶えなかったという。

ドラッカーは、スローン氏から好まざる人物として遠ざけられる一方、

(スローン氏は)唯一の規律は成果と人物である。交友とは両立しない。社内に友人をもち、仕事以外の話をするのでは公正たりえない。(と語った)

 スローンは、1963年に『GM とともに』を著し、以降同社経営のバイブルとして事業部への「分権化」と、本社による一体的コントロールのための「集権化」 という、よく知られた事業部制の二つの大原則を明らかにし、その実践こそがGMが永続発展する道であると信じるなか1966年没しました。

スローン氏が『GM とともに』を発表したおよそ30年後の1994年に、ドラッカーは、「企業永続の理論」という論文を発表しました。

この論文では、

これまで成功を収めてきた企業や組織が急に勢いを失い、困難に直面する事態を、私たちは度々目にしてきている。これは多くの場合、その企業や組織がそれまで前提としてきた「事業の定義」が環境の変化、新しい事態にそぐわなくなってきているからである。この困難を克服するのに求められるのは、これまでの事業の定義を見直し、「事業の再定義」に挑戦することである。

『ハーバード・ビジネス・レヴュー』1994 年 9・10 月号掲載 P.F.ドラッカー「企業永続の理論」

と記され、環境の変化に伴い、どの企業もこれまでの事業の定義を見直し、再定義に挑戦することを訴えた名論文です。

 GM社は、スローン氏の経営の根本である、事業部への「分権化」と、本社による一体的コントロールのための「集権化」 という、よく知られた事業部制の2つの大原則を普遍のものとしたが故か、環境の変化に対応することができず、2009年リーマンショックの荒波で一時は国有化と苦戦。
 2012年には300億ドルの赤字と低迷するも、新生GMとしての改革が進んだのか、11年後の2023年には、およそ93億ドルの営業利益まで伸ばしています。

この点、経営の神様と言われた松下幸之助の教えを金科玉条の如く信仰して経営してきた多くの企業が環境の変化に応じた変化ができず、衰退した例に似ていると感じた次第です。

いくら名経営者といえども、時代の変化を無視していては永続性を失うという教訓です。良い週末となりますように。そして、来週もよろしくです。

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