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ごじうよんにちめ(まるがめせいめん)

先週から漫画家の小田原ドラゴンさんが手売りで自作の漫画を売りながら車中泊で日本一周していると知った。

先週末くらいに四国へ入っていて、香川に来てタイミング合えばこんな機会も滅多にないんで手売り漫画を買いに行こうかと思っていたが、微妙にタイミング合わずに小田原ドラゴンさんが香川滞在中に買いには行けなかった。
Twitterでその動向を見ていたのだが、香川に入って下記のようなツイートを見て「おぅ…」となってしまった。

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こういった論旨のことって意外と聞く話で、香川県外の人の総意であるとは思わないけど、けっこうこういう考えの人って多いんじゃないだろうか。
香川から近隣の県ならまだ違った印象かもしれないけど、香川から遠く離れれば離れるほどこういう意見の人って多いように思ったりする。
上記のツイートに対するリプも同意の意見が多いし、そりゃそう思った人達の主観なんだからしょうがないとは思う。

ただね、こういう論旨のロジックって非常にアンフェアだと思うし、香川県民の総意ではないにせよ「うどん」が県外に向けた観光資源で地場産業だと思っている人たちにとって、こういった論旨は大袈裟に言えば心を削るような言葉だと思うんですよ。
香川から「うどん」と言うアイデンティティーを奪ったら何が残る?って話で。

上記ツイートのように「ある香川で営業する讃岐うどんの一店舗」と「丸亀製麺」を天秤にかけてるように見えて、結論として「香川の讃岐うどん店」と「丸亀製麺」を天秤にかけて丸亀製麺に軍配をあげてると思うんですよね。
香川にあるうどん店を全て食べた上で丸亀製麺に軍配をあげるなら、その人にとって丸亀製麺が一番なんだろうし、そもそもそこまでのうどん好きが言うならまだ説得力もある。その人の口に合うのが丸亀製麺ってだけのことだけども。
じゃあ、そういう人に対して香川のうどん好きが「○○のうどんを食べてんまい。丸亀製麺よりも絶対旨いけん!」みたいなことを言うのも、それもまた違うとは思うんですよ。
気軽に近場で食べられるチェーン店で十分な人にとって香川の地場産業に魅力が無いと思われてるだけだとも言えますし。

数年前にも香川の讃岐うどんブームの火付け役である麺通団の田尾さんによって丸亀製麺論争が起こったんだけど、僕はその比重にバランスは取れてないとは思うけど丸亀製麺には功罪があると思っている。
功の部分で言えば讃岐うどんを全国に広めて、そこから「本場の讃岐うどんを食べてみたい」と香川へ行こうという人たちを香川に誘致したトリガーになっている部分は少なからずあると思う。
罪の部分で言えば「わざわざ香川に行かなくても近場に丸亀製麺があるんだし、香川に行く必要もない」と香川県外に思わせてしまったことだと考える。

丸亀製麺の功の部分で香川にうどんを食べに来た人がどれくらいいるのかはわからないけど、普通に考えて本場の味を味わうために香川に来る人達はそもそもの讃岐うどんブームがあった上で来ている部分が大きいと思うので、やはり香川にとって罪の部分の方が大きいように思える。
よく言われる「文化の盗用」とまでは言わないが、それでも全国的に讃岐うどんといえば丸亀製麺とのイメージが出来上がってしまったのは憤懣やるかたない。

自分で稼いだ金で好きなものを食う。
それは誰からも文句言われる筋合いがない当然の権利だけど、その地場産業でしか県外にアピールできるものが無い小さい県に住む県民にとって「丸亀製麺で十分じゃん」はけっこう抉られるワードなんですよねえ。

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