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155日目(寝かすという概念)

本日はお給料日だったので、近隣の狩場で寝かしておいたものを回収に行きました。
「寝かす」という概念はブッコフやハードフやリサイクルショップを狩場とする僕のような安物ディガーが用いるものです。その筋で周知の事実のように語っている「寝かす」という概念ですが、たぶん僕くらいしか使っていない概念です。
要は「買おうと思えば買えるけど、今これを買ったら次の給料日までキツイかも…」とか「これは果たして本当に欲しいものなのか?これを買うことで残りの生活大丈夫か?」と、低所得ディガーが抱える切実な問題に対して「次の給料日、若しくは残りの生活でこれを買えるだけの余裕が見えた時まで監視対象としよう」というものであり「もし、その時までに無くなっていたら縁が無かったと思って諦めよう」という概念である。

若い頃は後先考えず、今欲しいものは今すぐに買うをモットーに金がなければすぐにカードは切るし、何ならキャッシングにまで手を出す生活を過ごし、それで手に入れた様々なコレクションがあっという間に無くなった時に今の考えに至った。歳を経るにつれて収入も順調に上がっていく人生だったならば、また違った考えになっていたかもしれないが、今の収入を考えれば安物ディガーの寝かす概念が一番しっくりくるのだ。

と言うわけで、まずは数日前に不二書店で見つけて、PayPay払いにしようか月末まで寝かそうかと悩んだ挙句「寝かす」ことにした本を回収に。

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月末近くに見つけたものとはいえ、一冊千円の本を2冊買うのに躊躇うなんて20代の頃の自分に想像できただろうか。その想像ができなかったために後々痛い目に会うことになることまで想像できなかったから、やはり若い頃の自分の想像力は無かったのだと思う。
このスクリーン別冊のホラー特集号は好きな人が見れば一千円なら即買いだろうだろうから、数日の寝かしでも入店して本を確認するまでのスリル感はあるのだ。田舎だから好事家の競争率が低いとも言えるけど、それでも寝かし行為はリスクを伴う。

そして次はこの一ヶ月寝かしておいて数日単位で監視に行っていたお宝買取団でのこれ。

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これを見かけた時は思春期の思い出がフラッシュバックし、三千円という安物ディガーの予算範疇を超えるものであっても即買いしそうになった。だが結局は寝かしたのだ。このバインダー入りの背表紙だけ見れば好事家でも見逃すような図鑑感となり、ぱっと見で見逃す人が多いであろうと踏んだのだ。これが無くなってたら「縁が無かった」と思えないほど悔しがってただろうが無事に思春期の思い出を買い戻す。

あとはちょこちょこ不二書店や買取団やブッコフで買ったのだけど、それらも一応寝かしておいたものではあるが、やはり上記のものよりは「無かったら無かったでいいか」みたいなスタンスだった。

今は新しい服や靴や本やフィギュアが欲しいみたいな欲求は無くて(たまに欲しい新品はあるけど「寝かす」と言うより「逃がす」)、昔買ったものが安く買えるなら欲しいなと言う感じです。

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