僕たちはあの日家族になった 4
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○○:ただいま〜
ダッダッダッダッ
壮大な足音と共に玄関に誰かが走ってくる
蓮加:……なんで入れんの!
○○:ただいま!
蓮加:だからなんで入れんの!
○○:ただいま!
蓮加:だから……おかえり///
根負けする蓮加
○○:蓮加の可愛いおかえりも聞けたし。
疑問に手っ取り早くお答えしよう!
○○は右手にある鍵を蓮加に見せた
蓮加:あ……忘れてた…
自分が仕掛けたイタズラが空振りして落胆の表情をしてる蓮加をよそに興味は既に玄関にまで漂ってきた香りに移っていた
○○:この香り…カレー?
蓮加:うん…カレーとハンバーグ!
○○:豪華だな!
今日なんかの記念日だっけ?
蓮加:理由はリビング行けば分かるよ〜
○○は蓮加に手を引かれながらリビングに行くと
さく:お兄ちゃんおかえり!
○○:ただいま〜!
??:お邪魔してます!
○○:………誰?
??:え……
蓮加:親友!
○○:あー。
どおりで見たことある。
遥香:賀喜遥香です!
柚菜:柴田柚菜です///
○○:俺は…
遥香柚菜:もちろん知ってます///
○○:そっか…よろしくね〜!笑
遥香柚菜:はい!!
○母: ○○〜!
帰ってきて早々悪いけど 運ぶの手伝って〜
○○:分かりました。
さく:じゃあ私も…
○○:いいよ。笑
友達の相手してて。
さく:うん。
遥香:お兄さんって、ママに敬語なんだね。
蓮加:前にも話したけどウチって再婚だから。
柚菜:でももうすぐ1年ぐらい経つでしょ?
さく:そうなんだよね…
蓮加:ママは気にしてないらしいけど。
○○はテーブルの上にカレーとハンバーグの盛られた皿を次々と置いていく
○○:なんの話ししてたの?
蓮加:今日さくらが告白されたって話し。笑
さく:コラッ そんな話ししてなかったでしょ!
柚菜:でも先輩が帰ってくるまでは話してたよね。
遥香:相手は2年にしてバスケ部のエース。
さく:///
○○:ふーん…
さく:……ちゃんと断ったから///
○○:そうなんだ。
さく:お兄ちゃん反応薄い!
○○:相手がどんな人かは知らなかったけど告白されたってのは蓮加から聞いてたから驚きはしないかな。
さく:…蓮加!
蓮加:ごめんごめん 笑
柚菜:実は断るの勿体ない気もするよね…
遥香:彼って良物件な気もするし。
さく:そりゃそうだよ…
(好きな人いるもん…///)
遥香:先輩は美月先輩とデートだったんですよね?
○○:うん。プラネタリウム行ってきた。
遥香:バスで行けるとこですか?
○○:そうそう。行ったことある?
遥香:ありますよ。小学生の時ですけど…
○○:同じだ。
やっぱり近場の学校の子はあそこ一回は行くんだな。
遥香:ママに聞いたんですけどあのプラネタリウム閉館しちゃうって本当ですか?
○○:張り紙あったし本当だよ。
遥香ちゃんも閉館前に行ってみれば?
遥香:はい!行ってみます!
そんな会話をしている○○をさく蓮加柚菜の3人は無言で睨んでいた
○○:どうした?腹減ったのか?
さく蓮加柚菜:ちがーう!
○母:嫉妬よね。笑
母さんがサラダを持ってテーブルの中心に置く
さく:ママ…///
その後テーブルに揃った料理を美味しく食べて皆ゴロゴロしだす
○母:遥香ちゃんと柚菜ちゃんは泊まってく?
遥香:良いんですか!?
○母:ウチはもちろん良いわよ。
柚菜:やった〜!
○母:でもちゃんとご両親の許可を取ってね。
遥香柚菜:はい!
○母:私は部屋にいるから後の事お願いね。
蓮加:うん。
泊まる2人は一度リビングから出て家に電話をかけにいく
○○:俺も明日試合だから早めに部屋行くね。
蓮加:試合出るの?
○○:たぶん。
さく:見に行ってもいい?
○○:いいけど、さっきの子達も来るの?
さく:かっきーも柚菜も明日は予定あるって言ってたから観に行けないと思うよ。
○○:そっか…それなら良かった。
明日の試合つまらないだろうからね。
さく:確かにルール知らないけど…
○○:そういう事じゃないよ 笑
さく:??
○○は立ち上がり部屋に戻ろうとすると電話が終わった遥香と柚菜が戻ってくる
柚菜:もう行っちゃうんですか…
○○:ごめんね。
明日試合だから早めに寝たいんだ。
遥香:残念ですけどそれなら仕方ないですね。
○○:ありがとう、みんな女子会楽しんで。
○○はお風呂へ
女子会軍団はお菓子と飲み物を持ってリビングからさくらの部屋に移動した
柚菜:それにしてもお兄さんカッコよかった〜
さく:そう?
柚菜:そうでしょ!!
イケメンでスポーツは万能を超えて天才!
勉強は……
蓮加:バカだよ?
柚菜:……だけど!
○○先輩は家でもカッコよかった!!
さく:柚菜は好きを越えて信者だね 苦笑
ガチャ
隣の部屋の扉が閉まる音が聞こえた
遥香:隣の部屋ってお兄さんの部屋?
蓮加:そうだよ。
柚菜:隣の部屋にお兄さんが……ボソ
蓮加:入っちゃダメだよ?
柚菜:は…入るわけないでしょ!
(入りたいけど…///)
さく:お兄ちゃんが部屋にいるって事はお風呂空いてると思うから入りにいく?
蓮加:流石に4人同時では入れないし私と柚菜で先に入ってくるよ。
さく:そうだね。
柚菜:お兄さんの次の湯船…///
遥香:柚菜が暴走してる 笑
お風呂に蓮加と柚菜が行き
部屋ではさくらと遥香が残った
遥香:お兄さんってなんで美月先輩と付き合わないのかな? お似合いだと思うんだけど…
さく:サッカーで既に海外のチームからオファーもらってるのが理由なんじゃないのかなって。
遥香:もし理由が本当にそれなら…
美月先輩もさくちゃんも蓮ちゃんも柚菜も…なんか可哀想…
さく:…………
遥香:未来なんて誰にも分からない。
だから今を大事にしなきゃいけない。
なのにお兄さんは未来の事ばかりで今を考えてない!
さく:か…かっきー?
遥香:ごめん…大きな声出しすぎた…
さく:ううん…さっきのは私の考えであってお兄ちゃんから直接聞いた訳じゃないからさ…
でも、怒ってくれてありがとう。
ダッダッダッ
ガチャ
蓮加:コイツどうにかして!
その叫びと共に部屋に戻ってきた蓮加は手にはパジャマを持ち下着のみの姿で戻ってくる
遥香:どうしたのその格好?
すると音もせず背後から現れた手が胸を揉みしだいていく
モミモミ
柚菜:制服の上からでも分かってたこのボリュームヤバい!
蓮加:…ウゥ///…だから!
柚菜:この胸欲しい〜!!
さく:柚菜……分かるよその気持ち!
蓮加:さくら!?
さく:蓮加みたいな巨乳には分かりませんでしょうね?
揉みしだく乳もない…貧乳の気持ちなんて!
蓮加:私さくらに貧乳なんて言った事なくない?
さく:嘘つき…この前3人で寝た時、胸でマウント取ったくせに!!
蓮加:それは…
柚菜:…待って…3人で寝たって何?
蓮加:え?
さく:///
柚菜:3人目誰だ〜!!
ギャー
蓮加:さくら自分で蒔いた種なんだからこの信者に説明して!
さく:無理無理!
遥香:なんで私まで襲われんの!
ギャー
そんな騒ぎが夜中まで行われ
最終的にはごろ寝で所々で寝ていた
そんな夜更けに1人の人物が○○の部屋に近づく
ガチャ
寝ている○○にその人物は近づき耳元で
??:先輩…あなたはやっぱり変わってなかった…だから…先輩の大事なモノを奪います
そう言って朝日と言っていい太陽を浴びたその人物はさくらの部屋に戻って行った
さく:…ウゥ…どこ行ってたの?
遥香:トイレだよ。
さく:…そっか ……スゥ……スゥ……
遥香:ごめんね…ボソ
次の日
3冠のうちの1つ
1シーズンかけて優勝者を決めるリーグ戦のホーム試合が行われていた
さく:これって…
前半40分でスコアは0-0
フォーメーションは4-2-3-1のミラーゲーム
なのに対戦相手の選手達はベタ引き
こうなったのには去年9-0というスコアで大勝した事が関係していた
そして
去年の試合で3ゴール2アシストと大活躍だった○○には
蓮加:お兄ちゃん…ずっとあの人にマークされ続けてる。
ボールを持てば2人が付き
ボールを持たなくてもマンマーク
○○の前日言っていたつまらないとはこの事だった
ピッピッピー
控え室ではまだ引き分けなのにも、関わらず下を向く人が続出
颯斗:ハァ…ハァ……マジ去年やり過ぎたな…
○○:お疲れですね〜 笑
颯斗:ハァ…アイツらあんなサッカーして楽しいのかね…
○○:まぁ縦ポンサッカーも一理ある戦術だからいいんじゃない。
現に颯斗イライラしてるし作戦成功でしょ。笑
颯斗:こっちとらカウンターの度に走らされんだから仕方ないだろ!
○○:みんなボールの失い方には気をつけろ〜
そうしないと後ろから刺されるぞ。笑
颯斗:ハァ…どうします監督?
監督の中で答えは出ていた
監督:うーん……○○を変えて…
○○:却下!
監督:そんな事言ってもな…これじゃ10対10で試合してるのと変わらないぞ?
○○:だとしても却下っす!
颯斗:理由は?
○○:妹達が見に来てるんで俺が活躍しないと!笑
ゴンッ
○○:痛いよ颯斗〜
颯斗:こっちはイライラしてんだ…
○○:じゃあ…そんなみんなと監督に秘技を教えよう!
ピーー
後半が始まると対戦相手
そして観客がザワザワし始めた…それもそのはず
○○と颯斗のポジションが入れ替わり
○○がCBをしている
さく:お兄ちゃんさっきと違うとこいるよ?
蓮加:今後ろの人が話したけどセンター…バックとか言う所らしい。
さく:いつも颯斗さんがいる所だよね?
相手はそれでも警戒を解かずに
CBになった○○にマンマークしていた
○○:こんな所までご苦労だね。
相手:チッ
○○:その舌打ち監督にしなよ〜
技術の差もあり攻め続ける○○サイド
それでも決めきれない展開が続く
そして前半と同じく相手のカウンターを受けるが
察知能力を備えた○○はカウンターを未然に防ぎボールを回収し
○○:パス選択遅いぞ〜
お前にはミドルもあるだろ〜
味方にボールと共にヤジを送る
颯斗:うるせえ〜!
○○:だってさ…味方にも怒られちゃった 笑
相手:…………
○○:うーん…日本の未来についてでも語る?
相手:…バカか!
○○:怖い!味方も敵も怖い…苦笑
そんなこんなで後半も25分が過ぎる…
すると1つの変化に○○は気づく
颯斗:ハァ…くそ…
○○:本職じゃない割に頑張ってると思うぞ。
颯斗:…………
○○:次は無視!?
さっきと変わらない会話に周りは何も気にしない
だが○○は密かに颯斗に耳打ちをしていた
○○:(次ボールが颯斗に入ったら俺にパスして)
颯斗:!?
○○は気づいていた…自分のマークマンが頻繁に監督の方をキョロキョロ見ている事に
この役目が嫌なんだと
○○:それで後20分どうする?
相手:………
○○:日本の未来が不満なら…世界の未来について語ろうか?
相手:…だから……へッ?
颯斗:○○!
一瞬の隙に○○はマークを外してハーフラインでボールを貰うとドリブルを開始した
相手:!!
この行動にマークマンだけでなくそこにいた対戦相手全員の動きが一瞬止まった
ピッピッピー
4-0
カウンターで1点と考えていた対戦校にとって先制されたのは大きく、牙城はその後簡単に崩れた。
さく:お兄ちゃんカッコよかった///
○○:だろ〜笑
蓮加:相手の顔見た?
あんな卑怯な事しといて愚痴愚痴言ってるのカッコ悪過ぎる!
○○:そんな事言わないの…
勝つ為に相手の嫌な事をするってのは悪い事じゃないんだから。
蓮加:だとしても…
○○:文句言っていいのはプレーしてたヤツだけ。分かった?
蓮加:…うん……でもあっちでプレーしてた人
文句言ってるよ?
颯斗:あの戦い方クソなんだよ!
絶対大会で当たりたくないわ!
○○:ハハッ 颯斗は無視無視!笑
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