見出し画像

【動画教材の学び方】学術研究から学ぶ 覚えたことを忘れないようにする方法

こんにちは デジタルハリウッド動画教材開発の中の人です。
先日私のメールに noteから2周年おめでとう メッセージが届きました。
「おかしいな…このnoteは今年始めたので2年も経ってないのに…」
とよくよく思い出したら、以前動画の学び方を研究するnoteを始め、1つnoteのネタ書いただけですっかり放置されていたことを思い出しました💦

1つしか記事書いてなくてめちゃ恥ずかしい💦

同一人物の開発に関するnoteが2つあるのもややこしいので、昔の方はクローズしました(スキしてくださった皆さんごめんなさい)。ただこの2年で唯一書いたnoteがなかなか良かったので、今回は皆さんにシェアできればと思います。(2年で私は毎週更新できるくらい成長しました💪)

「人は忘れる生き物 どう学習すべきか」

動画学習する方からよく来る相談として
「動画を学習したときは覚えているけど、その後覚えたことを忘れてしまう。復習しなければと思うが、どうすればよいか?」というのがあります。

そんな時は率直に こうお伝えします。
「覚えたことは忘れます。まずは気にせず全部の動画を受講してください」
「できれば2周・3周と繰り返してください」
「その中で何を理解し、何がまだ理解があやふやか?だけは毎回記録していってください」
学習したことを長く記憶にとどめるためにはどうすればよいか?を今回は考えたいと思います。

① 人は忘れる生き物~エビングハウスの忘却曲線~


人は記憶したことを忘れていく ということをわかりやすく提唱したのが
ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスの忘却曲線です。

覚えた瞬間から忘れていく

詳しくは参考記事を見ていただくとわかりますが、要するに、人は覚えた瞬間から忘れていきます。
記憶直後 :節約率100%
20分後  :節約率58%。
1時間後   :節約率44%。
1日後    :節約率26%。
1週間後   :節約率23%
1ヶ月後   :節約率21%。

20分後には100%から58%になってます!
節約率というのは、一度記憶した内容を、また完全に記憶し直すのに必要な時間。これ、同じような記事がいろいろあり、その中には解釈が間違っているものをよく見かけるのですが、20分後に覚えたことの42%を忘れてしまうのではなく、その時期から覚えた直後の記憶に戻すには最初にかけた時間の42%をかけて覚え直さないといけない というのが正解みたいです。

つまり、最初に100分かけて覚えたなら、20分後には42分、1か月後には79分かけて復習しないと、直後の記憶に戻らないという感じですかね。
なので、覚えた直後から、なるべく早く、繰り返し復習することが長期的な記憶への移行に有利ということです。人間は忘れるようにできている。だから“忘れること”はどんな人間でも当たり前!それより復習が大事ですね。

② 1か月以内に17分の復習で記憶がキープできる?

エビングハウスの提唱した忘却曲線に対して、画期的な研究成果を発表したのがカナダのウォータールー大学です。
https://uwaterloo.ca/campus-wellness/curve-forgetting
 この研究では、学習したことを長期的に記憶するための“最適な復習のタイミング”を提唱していて、
・24時間以内に10分
・1週間以内に5分
・1か月以内に2~4分、
適切なタイミングで合計17分~19分復習すれば、記憶したこと長く覚えていられるようになるということです。

エビングハウスの研究では、相互に関連のない無意味な音節を記憶して、忘却の節約率を計測したため、体系的な学問の場合はもう少し記憶の定着は良いと思われ、それがつまりウォータールー大学の結果なのかなと考えました。

こんな短い学習で効果が!?

正直、1か月わずか19分だけの復習で大丈夫なの?と思いますが、繰り返しの復習が記憶の定着に重要であることはこれで分かりますよね。
そうした意味では、動画を繰り返し学習するのはとても重要であると考えます。

③ 効率的に復習するための自前のチェックシートを作ろう


効率的に復習するにはどのようにしたらよいでしょうか?
ここで私が 宅地建物取引主任者(宅建士)の国家資格を3カ月の学習で取得した時の方法をお話しします。
宅地建物取引主任者(宅建士)は、建物や土地の取引をする際に必要な資格で、毎年平均で7割以上の点数を取れれば合格できますが、民法・宅建業法など広範囲で正しく法律などを理解していないと間違えやすいひっかけ問題も多く、合格率は10%程度と、なかなかの狭き門です。

私のとった学習方法は、
A. 1つの参考書を読み通す&繰り返し読む
B. 過去問集をとにかく繰り返す
C. 過去問で”間違ったもの”をチェックして復習
     <参考書と合わせて理解することを心がける>

全体的には、まず“やり通す” これが重要です。やり通すと、全体の概要がぼんやりと見えてきます。1つ1つを完璧に覚えようとしても無駄です。忘れますからw

そして、Cがとても重要で、まだ理解してないところを可視化し、復習しやすくするために、過去問の復習チェックシートを作りました。
私は3回過去問で正解したら、それは覚えたということで学習から外していくルールでチェックシートを更新するようにし、全部で8ターン過去問をやりました。

エクセルでも紙でも何でもいいです

こうすると、何が理解できていないのか?が明らかになります。 すでに理解したという認定を出せる基準に達したら、学習から外します。 (-が終了フラグ) 少しでも×がつけば、完全に覚えていないということで、そこから三回 理解するまで繰り返します。 このチェックシート活用法で、過去問を繰り返したところ、3カ月後には宅建の試験を 50点満点中41点(7割ボーダーより10%高い80%以上の正解)で合格しました。 (法律に詳しい・法学部卒 不動産業界出身などではありません…念のため) この復習チェックシート、動画の学習にも応用できるかもしれませんね。 例えば、こんな感じ

例えば動画ごとの理解度を確認するチェックシート

理解したかは、2回でも、3回でも、5回でも、自分で納得のいく合格基準回数を決めればよいと思います。
このシートを使うことで、
・Step01の09と10は、最初こそできたけどその後理解できてない。
・Step02の05の動画学習は出来たり出来なかったりが激しく、
 理解ができていないな…

と、宅建のチェックシート同様、動画学習における自分の理解状況を可視化できますね。だんだんと理解できていない部分が絞り込まれていくので、効率的な学習には不可欠だと考えます。
本当は、私も自分が開発を手掛けている動画教材に合わせてそれぞれの科目のチェックシートを作ればよいのですが、学習スタイルや学習以外の時間の確保などが人それぞれバラバラなため、「自分に最適なチェックシートを作ってみては?」とアドバイスをするだけなのが正直なところです。

④まとめ


ということで、今回のおさらいです。

①覚えたことを忘れるのは誰でも当たり前
②だからこそ復習
③ 効率的に復習するためにできない部分を可視化するチェックシートを!

参考になればうれしいです
それでは今日はここまでです~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?