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世界最大のVRマーケット「バーチャルマーケット(Vket)」に出展したDHU生の新たなチャレンジ。

高校生のときに眺めていたバーチャルマーケットの法人エリア。自分もいつかここに出展したいけど、心の中で無理だろうなって思っていました。大学に入学をして、「もしかして大学だったらできるのかな」「言うだけならタダだし」と思って、4月に先生に相談してみたんです。(Saiさん)

2021年8月14日〜8月28日に開催した世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット6(Vket6)」に、デジタルハリウッド大学(以下:DHU)が初出展しました。発起人として企画・運営を担当したのは1年生のSaiさん。会期中は、たくさんの方がブースに来場しました。

今回のnoteでは、Vket6出演を果たしたDHU1年のSaiさんとやはぎさん、そして2名のサポートを担当いただいた茂出木謙太郎准教授へインタビューを行いました。イベント当日に至るまでの経緯や、3名のVRに対する想いなどを聞いています。

バーチャルマーケット(Vket)とは?

バーチャルマーケット(Virtual Market)、通称Vket。3Dアバターや3Dモデルなどを自由に試着、鑑賞、購入できる、VR空間最大のマーケットフェスティバルです。デジタルの商品だけでなく、バーチャル空間でウィンドウショッピングをし、現実世界の商品を購入することもできます。コミックマーケット(コミケ)のネット版、と書くとわかりやすいかもしれません。

Vketは、「バーチャル空間を発展させ、豊かにする」ことを目指しています。バーチャル空間において現実空間に比する経済圏を作ることによって、人々の生きる選択肢を増やそう、というのです。

OculusなどのVRヘッドマウントディスプレイはもちろん、PCやスマートフォンから気軽に参加できるVket。2020年12月開催のVket5にはのべ100万人以上が「来場」しました。一般サークルのブースと企業ブースがあり、特に盛り上がるのが企業ブース。大手の通信事業者やゲーム・アニメなどのコンテンツメーカーをはじめ、名だたる企業が出展しています。

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有名企業がひしめくVket6の企業ブースで、DHUは体験授業や学生の作品展示などを行いました。

「やばい、企画書なんて書いたことない」

感染症対策のために、1年生のSaiさんとやはぎさんは、入学して約半年が経過した現在も、片手で数えるほどしかキャンパスに登校したことがありません。Vket6の出展準備も、すべてオンラインでやりとりを行ったといいます。

——Saiさんとやはぎさんは、今回のVket6への出展はどのような経緯で参加することになったのですか。

やはぎ:もともとVRChat(Vketも開催されるVR上のプラットフォーム)はそれなりにプレイしていて、以前のVketにも来場者として参加し、いろいろなブースを見ていました。今回はSaiくんから「大学に入ったし何かやりたいよね」と誘われて出展することになりました。

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▲やはぎさん(学部1年)。ブースのバックエンドを担当。

Sai:僕もVketには2年くらい前から参加していて、中でも目を引く法人エリアは憧れでした。高校生のときに眺めていたバーチャルマーケットの法人エリア。自分もいつかここに出展したいけど、心の中では「無理だろうな」って思ってました。でも大学に入学をして、もしかして大学だったらできるのかな、言うだけならタダだし、と思って4月に茂出木先生に相談してみたのが、出展のきっかけでした。

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▲Saiさん(学部1年)。企画・広報・デザイン担当。

茂出木先生:在学生用のslack(学内SNS)で、「大学としてVketに出展したいんですけど相談してもいいですか」とシンプルなメッセージが届いたことを覚えています。ただ、一般ブースで出展するには数千円の参加費がかかる程度なんですが、企業ブースに出すとなると桁が3つくらい変わってくるんですよね。

大学に出資してもらうためには大人を説得する必要があります。まずは、彼らに企画書の作成を提案してみました。Saiくんは企画書を作るのが初めてだったんだよね?

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▲茂出木准教授。VRコミュニケーションの研究者。

Sai:最初は「やばい、企画書なんて書いたことない」と焦りました。そこで、DHUの全学生が集まるSlackのグループで、手伝ってくれる人がいないか募集してみたんです。企画が得意な学生が手を挙げてくれて、見ず知らずの僕たちのために力を貸してくれました。

どんなイベントがあるのか、自分たちは何をやりたいのか、そのためにいくらかかるのか、参加すると大学にとってどんな効果があるのか。そうして筋道を考えていって、企画書を提出することができました。

やはぎ:茂出木先生が大学と僕らをつないでいただき、企画も通していただいたおかげで、基本的に何をやっても自由だったんです。最低限ロゴはこれを使ってねとお願いがあった程度で、大学側からこれをやりなさいということは一切ありませんでした。

来場者のことだけを考えて制作に臨めたのは、出展側として楽しむことができた大きなポイントだと思っています。

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▲github(タスク管理ツール)を活用し、やるべきことを細分化して取り組んだ。

体験講義は満員御礼。Vketで感じたVRの可能性

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——Vket6では学生の作品展示や、体験授業などを実施したと聞いています。イベントの様子も教えてください。

やはぎ:基本的に24時間ブースは開放しているのですが、体験授業は期間中に2回行いました。両方とも満員御礼で、アバターの動作が重たくなることもあったんです。

Sai:ただ、そういったことも想定して、複雑なアバターの表示を簡略化するように設定していたので、大きな問題は起きませんでした。

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茂出木先生:普段のオープンキャンパスに訪れるのは、すでにDHUを知っている高校生がほとんど。今回、DHUのことをまだ知らない人も多いコミュニティへリーチできたのは素晴らしいことだと思います。

単純にVRという空間が居心地がいい人、自分が望んだ姿でいたい人など、アバターの奥にはいろんな人がいます。Vketのような経済圏があることに救われている人は大勢いるだろうし、DHUとしても率先してVRなどのツールやアバターの活用を進めていくべきだと感じました。

——VR空間が、ひとつの居場所として確立している方が多くいらっしゃるんですね。

Sai:Vketに参加したらわかるのですが、VR空間でそれぞれが企業のカラーや個人の世界を好きなように表現している。VRヘッドマウントディスプレイをつけてワールドを歩いてみると、想像以上に「そこに人がいる」「目の前に建物がある」ことを実感できるんです。

やはぎ:外出しづらいご時世なので、試したことがない人はぜひ体感してほしいです。僕自身、VRChatはまだ500時間くらいしかプレイしてないのですが、中には10,000時間を超える猛者もいるし、そこで出会ってリアルで結婚するという人もいます。今後、SlackやZoomに並ぶ、オンラインでのコミュニケーション手段のひとつになるはずです。

DHUなら、やりたいことがある人も、そうでない人も

——皆さんにとってDHUとはどのような学校ですか?

やはぎ:自分はこれがやりたいと考えている人には合っている大学だと思います。やりたいことがあるけれど実現できる環境にない場合は、DHUに来てみてください。きっと一緒にプロダクト制作をする人が見つかるはずです。

Sai:やりたいことがある人はもちろん、特にやりたいことがない人でも大丈夫だと思います。僕自身VRは大好きだけど、これが「やりたいこと」なのか、仕事にしていくかはまだ決めきれていないんです。

DHUに入った理由も、ひとつの学部に決め切るのではなく、3DCGやプログラミング、経済や法律など、バラエティ豊かな授業を履修できるからでした。

茂出木先生:ふたりは趣味がVRで高校生のころから自主制作を行なっているそうですが、安心していいのは、入学者の約半数はスマホは持っているけどPCを触ったことがない人たちだということ。それでもみんな助け合いながら卒業して就職していくから大丈夫です。

勉強が苦手な学生も、制作の過程で必要になってくると、目的が明確だから学ぶことに抵抗がなくなるようです。腕を上げていくには場数を踏むことが大切ですから、在学中の彼らがのびのびと創作活動ができるようにサポートしていくつもりです。

——ありがとうございました!

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DHUでは実際の授業が体験できるオープンキャンパスをオンライン/オフラインで定期的に行なっています。イベント情報は「OPEN CAMPUS GUIDE 2021」をチェック!


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