好きを形にして人に届ける｜天野ハナ(「失敗作ミュージアム」インタビュー)

デジタルハリウッド大学×面白法人カヤックpresents「失敗作ミュージアム」との連動企画！DHU公式noteでは、ミュージアムに展示された「失敗作」にまつわる在学生・卒業生のインタビューを連載でお届けします。

失敗作ミュージアムについてはこちら↓

第6弾は、デジタルハリウッド大学4年生の天野ハナさんです。

1999年、千葉県生まれ。デジタルハリウッド大学4年。「私の好きと感動」を最大限表現するために、卒業制作でメイドカフェの世界観と楽しみ方を伝える絵本とグッズを制作。2021年度デジタルハリウッド大学卒業制作展で、アートディレクションゼミ最優秀賞を受賞。現在は、制作会社でのインターンと並行しながら、フリーでキャラクターデザインや漫画、グラフィックデザインの制作を手掛ける。公式Webサイトはこちら。

ーー失敗作の「楕円犬」に対して、当時はどう評価していましたか？

「ダメダメだ！」って思っていました（笑）。AdobeのIllustratorの操作に全然慣れなくて、円形を描くことができる「楕円形ツール」だけ使って頑張って描きました。家で飼っているミニチュアダックスフンドがモデルになっているんですが、全然似てないですね。

１年次に受けていた「基礎ツール演習」の課題として制作した作品で、私が描いた犬に先生はどう評価したら良いか困惑している様子でした。「犬かな？可愛いですね。」くらいのコメントだったことを覚えています。

ーー失敗作と現在作ともにイラスト作品ですが、大学入学当初からイラストレーターを目指していたのですか？

そうですね。高校1年のときから描いていて、それまでは等身イラストも描いていたのですが、高校3年くらいからデフォルメの絵が中心になっていきました。

▲高校時代に描いた等身イラスト

ーーなぜ等身からデフォルメに切り替えたんですか？

人物のイラストを描くと、目を大きく描いてしまう傾向があったんです。描きやすさを追求した結果、デフォルメに落ち着きました。

大学に入学してからもずっとデフォルメのイラストを描いていて、頭身のバランスが完全に定まったのは大学3年のときでした。

▲大学3年のときに描いた作品「kuma」

ーー現在作ではメイドカフェがモチーフになっていますが、メイドがお好きなんですか？

▲現在作「ただいま！わたしの帰る場所」（2021年度卒業制作展より）

大好きですね！メイド文化に初めて出会ったのは中学2年で、「あっとほぉーむカフェ」というメイドカフェに、コロナ渦になる前は週2、3回通っていました。

たまたま秋葉原であっとほぉーむカフェを見かけて、店の可愛い外観に見惚れてしまって。店内からメイドさんが出てきて「良かったらどうですか？」と声を掛けられたんですが、恥ずかしくてその場から逃げてしまいました（笑）。

初めての入店したのは、高校3年の5月にカフェの常連さんに連れていってもらったときでした。メイドさんはお客と敬語で話すイメージだったんですけど、仲の良い常連とはため口でフレンドリーに会話してて、とても印象に残っています。

ーーそんなメイドカフェの魅力をもっと多くの人に知ってもらうためにグッズや絵本を制作されたんですね。

はい。メイドカフェって「オタクが行く場所」みたいな偏見がありますよね。高校生のときに母親にメイドになりたいと言ったんですけど、そういった偏見から大反対されて。

そういう偏見を払拭したい、メイドカフェの魅力を伝えたいという思いから、卒業制作として制作したのが「ただいま！わたしの帰る場所」です。

▲「ただいま！わたしの帰る場所」。卒業制作展では絵本やバッグなどのグッズが展示された。

メイドカフェの楽しみ方をまとめた絵本を母に読んでもらったら、「今度行ってみようかしら」と言ってくれてました。最初は偏見を持たれていた母にも魅力が伝わったことがとても嬉しかったです。

ーー自身の好きを形にした作品で、人の気持ちを変えた素敵なエピソードですね。最後に、当ミュージアムをご覧いただいた高校生・受験生のみなさんにメッセージをお願いします！

知らない世界に踏み込むことって怖いけど、勇気を出したその先には良い意味で自分を変えるチャンスがあります。やりたいことは迷わず手を出して、たくさんチャレンジしてください！

ーー天野ハナさん、ありがとうございました！

デジタルハリウッド大学では、グラフィックデザインやイラストレーターなど、デジタル分野の専門スキルを幅広く学ぶことができます。詳しく知りたい！という方は公式Webサイトをぜひご覧ください。

▼デジタルハリウッド大学
https://www.dhw.ac.jp/feature/lecture

▼デジタルハリウッド校友会（卒業生インタビュー）
https://dhaa.jp/interview

▼失敗作ミュージアム
https://www.dhw.ac.jp/p/shippai