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2024年4月11日、日本株式市況



24/04/11 10:30 中国 消費者物価指数 (前年比) 3月 ★★★
+0.4 % +0.1 % +0.7 %
24/04/11 10:30 中国 生産者物価指数 (前年比) 3月 ★★★
-2.8 % -2.8 % -2.7 %


11日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、終値は前日比139円18銭(0.35%)安の3万9442円63銭だった。インフレ継続を受けた早期の米利下げ観測の後退を背景に、前日の米株式市場で主要3指数がそろって下落し、東京市場でも売りが優勢だった。朝方は下げ幅が500円を超える場面もあったが、下値では押し目買いが入った。外国為替市場で円安・ドル高が進み、輸出関連株の一角が買われた。

10日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期が従来見込まれていた6月から7月か9月にずれ込むとの見方が広がった。米金利の高止まりが続くとの受け止めから、グロース(成長)株を中心に相対的な割高感を意識した売りが出やすかった。

もっとも売り一巡後は下げ幅を縮小した。3月の米CPIの結果を受けて米長期金利が上昇するのに伴い、外国為替市場では日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが加速。円相場は34年ぶりに1ドル=153円台を付ける場面があった。トヨタやデンソーなど輸出関連株の一角には採算改善を期待した買いが入り、日経平均を下支えした。

東証プライムの売買代金は概算で4兆1293億円、売買高は16億735万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は893。値上がりは697、横ばいは62だった。


<3382> 7&iHD 2042 -103
大幅続落。前日に24年2月期決算を発表、営業益は5342億円で前期比5.5%増となり、5250億円の従来計画を上振れ。一方。25年2月期は5450億円で同2.0%増を見込み、市場予想と同水準になったが、足元の苦戦を映して上期は減益計画となっている。また、イトーヨーカ堂などスーパー事業の株式についてIPOの検討に入ると発表。ただタイミングは現中計以降とみられ、早期の事業売却期待などは後退へ。

<8267> イオン 3348 -137
伸び悩んで続落。前日に24年2月期の決算を発表している。営業利益は2508億円で前期比19.6%増となり、1月の修正計画である2400億円を上回った。一方、25年2月期は2700億円で同7.6%増の見通し。市場コンセンサスは2650億円程度であったとみられる。プラス材料視する動きが先行したものの、増益の大半は子会社群の増益効果で織り込み済みでもあるため、買い一巡後は出尽くし感も優勢に。


<2999> ホームポジション 412 +80
ストップ高比例配分。前日に上半期決算を発表、営業損益は5.3億円の赤字となり、前年同期比では7.4億円の損益悪化。12-2月期も営業赤字が継続する。一方、株主優待制度の実施を発表、ポジティブインパクトにつながった。8月末現在の1000株以上の株主に対して、クオカード20000円分を贈呈する。前日終値ベースで1000株保有者の優待利回りは6.0%、配当・優待利回りは9.0%の水準となる。

<7581> サイゼリヤ 5570 -540
大幅反落。前日に上半期の決算を発表、海外事業の収益改善によって、営業利益は59.3億円で前年同期比6.6倍と大幅増益になっているが、従来計画の61億円はやや下振れる着地に。通期予想の131億円、前期比81.4%増は据え置いている。数値的なサプライズは限定的とみられるが、今月に入って株価は大きく上昇と期待感が高まっていたとみられ、想定下振れ着地の決算をネガティブに捉える動きが優勢。

<9861> 吉野家HD 2882 -333
急落。前日に24年2月期の決算を発表、営業利益は79.7億円で前期比2.3倍となり、2月29日に上方修正した水準の74億円を上回る着地に。ただ、25年2月期は70億円で同12.2%減の見通しとしており、想定外の2ケタ減益計画がネガティブ視される状況となっているようだ。原材料価格や人件費などのコスト上昇の影響が続くとみているもよう。

<2670> ABCマート 3008 +123
大幅反発。前日に24年2月期の決算を発表している。営業利益は557億円で前期比31.6%増となり、従来予想の507億円を大きく上回る着地になっている。市場予想も20億円程度上振れ。一方、25年2月期は587億円で同5.4%増の見通し。コンセンサスを10億円程度上回る水準に。人件費上昇などを見込んでいるもようだが、3月の好スタートなどから既存店の前提などは保守的ともみられているようだ。

<3064> MRO 2008 +207
急伸。前日に3月の月次動向を発表している。売上高は前年同月比6.6%増となり、2月の同14.6%増からは鈍化しているものの、営業日数調整後では同17.2%増と高い伸びになっている。2月の営業日数は前年と同じであった。会社計画も上回る伸びとなっているもようだ。また、新規顧客獲得数も9万2900人となり、前年同月では減少も前月の8万3000人からは増加、底打ち感が強まる状況にもなっているようだ。

<2157> コシダカHD 998 +59
大幅続伸。前日に上半期決算を発表、営業益は48.3億円で前年同期比37.1%増となり、従来予想の45.6億円を上回った。つれて、通期予想は従来の90億円から92.8億円に上方修正した。国内において、期初想定比で単価面が下回る一方、客数については想定を上回る水準に。第1四半期は5.7億円で前年同期比7.3%増にとどまっていたため、上方修正がストレートに評価される形に。

<3093> トレファク 1601 +174
急伸。前日に24年2月期決算を発表、営業益は33.5億円で前期比30.6%増となり、2月14日に発表した上方修正値の32.6億円を上回った。また、25年2月期は37.1億円、前期比10.8%増と連続2ケタ増益を見込む。年間配当金も28円から32円に引き上げ計画。中期計画目標値も上方修正、26年2月期経常利益は40.2億円から41.9億円に引き上げ、新たに27年2月期は46.7億円目標とした。

<5208> 有沢製 1445 +300
ストップ高比例配分。前日に株主還元方針の変更を発表している。これまでは総還元性向80%以上とすることを基本方針としていたが、今後配当金はDOE6%または総還元性向80%以上のいずれか大きい金額とするとしている。適用時期となる25年3月期からの配当水準の切り上がりが想定される展開に。また、24年3月期配当金も従来計画の45円から60円に引き上げ、前期比では30円の減配となる。


【要人発言】

・鈴木財務相
「為替相場は市場を通じてファンダメンタルズを反映して決められる」
「行き過ぎた動きに対してはあらゆるオプションを排除せず対応」

・林官房長官
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず適切に対応」


為替が1ドル153円台に入ったことで、政府・日銀による円買い介入への警戒が高まっていることから、株式市場は円安進行を素直に好材料視できない状況と言えよう。今のところ、政府関係者による口先介入に留まっており、為替市場は様子見といったところだが、時間外の米10年債利回りが4.5%台を維持していることから、日米金利差拡大の思惑から円安ドル高がまだ進む可能性はあろう。後場も為替を横目に見た神経質な展開となり、日経平均が切り返すのは難しいと考える。



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