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2023年11月21日、日本株式市況


・島津製作所<7701>環境配慮素材に転換、分析計測機器から採用
・レゾナック<4004>先端材料開発向け半導体人材4割増、28年めど100人体制
・オムロン<6645>CT型検査装置を来年投入、パワー・先端半導体向け
・GSユアサ<6674>ホンダなどから471億円調達、EV電池に投資
・コマツ<6301>米電池企業を買収、建機・鉱山機械向け開発
・THK<6481>印スリシティ工場開所式、直動案内機器など供給拡大
・東京海上<8766>モビリティー新会社設立、移動・輸送の課題解決
・KDDI<9433>子会社ソラコム、上場手続き再開
・双日<2768>屋根置き太陽光発電新会社、インドネシア大手と共同出資
・住友商事<8053>英CCS権益取得、生産終了ガス田に貯留
・ジェイテクト<6473>「介護製品」芽吹く、要素技術をニーズに反映
・スマートドライブ<5137>海外サービス強化、東南アで充電器管理を想定
・エプソン<6724>小型6軸ロボのシェア倍増、品揃え充実・車向け開拓
・高田工業所<1966>日揮HDと、国内プラントEPCで協業
・洋エンジ<6330>インドネシアに尿素ライセンス供与
・四国電力<9507>高松市内のため池2カ所に水上太陽光2基新設、25年運転開始
・JCU<4975>次世代半導体向け表面処理薬で新ブランド
・レンゴー<3941>インドで段ボール事業、現地企業に30%出資


<1860> 戸田建 831.3 -40.7
大幅続落。前日に明らかになった変更報告書によると、英アクティビストファンドであるシルチェスターの保有比率が従来の9.03%から8.02%に低下している。シルチェスターは同社を含めて複数の建設株の大株主に名を連ねており、今年は大林組に対して特別配当の実施を株主提案している。保有比率の低下とともに、今後の株主価値向上への要求が後退するとの見方になっているようだ。

<6078> バリューHR 1483 +78
大幅続伸。大和総研との資本業務提携を発表している。同社の健康管理プラットフォーム「バリューカフェテリアシステム」と、大和総研の基幹業務システムを連動させ、健保業務のさらなる効率化につなげていくことが目的。大和総研を割当先とした70万株の増資も行う計画。一方、発行済み株式数の2.29%に当たる60万株、8億円を上限とした自社株買いの実施も同時に発表。割当増資による希薄化が抑制されることになる。

<9843> ニトリHD 16440 +825
大幅続伸。為替市場ではドル安円高が一段と進行、米政策金利がピークに達したとの見方が強まっており、前日のNY為替市場では148円10銭台にまでドル円が下落、東京市場に入って一段と円高が進み、147円70銭台にまで相場が下落している。前日から円安メリットの自動車株などに売り圧力が強まっている一方で、同社など円高メリット銘柄に資金が向かう形となっている。

<6315> TOWA 6980 +320
大幅反発。岩井コスモ証券では投資判断を新規に「A」、目標株価を7800円としている。生成AI関連向けの装置需要は24-25年にかけて本格化が見込まれるとし、生成AI時代に成長が期待できる企業と評価しているようだ。ジェフリーズ証券でも投資判断「バイ」継続で、目標株価を6200円から7700円まで引き上げている。中期的なHBM関連需要の拡大見通しなどを反映のもよう。

<7859> アルメディオ 760 -300
ストップ安。第三者割当による第9回新株予約権及び第10回新株予約権の発行を発表。割当先はマイルストーン・キャピタル。当該発行による潜在株式数は、第9回が200万株、第10回が100万株で、当初行使価額は、第9回が819円、第10回が1000円に。24年1月に事業開始予定である中国子会社の設備投資資金に主に充当。直近株価急騰の反動もあって、潜在的な株式価値希薄化をネガティブ視される形に。

<7717> Vテク 2400 +182
大幅反発。フォトマスク製造装置の受注残が、24年3月期中間決算において過去最高額を更新し、約75億円になったと前日に発表している。半導体・フォトマスク装置事業全体の受注残などは決算で明らかになっているが、成長期待分野の目先の拡大期待などがあらためて材料視される状況となっているもよう。検査時間が短縮でき、省スペースである欠陥検査装置「ディオーネ」が受注残の増加を牽引しているようだ。

<6753> シャープ 1127.5 +98
大幅続伸。親会社である鴻海グループとの関係強化を含めた中期経営計画を来年発表すると呉社長が従業員向けメッセージで明らかにしたと前日の引け間際に伝わっている。直後に株価が上昇していたが、本日も期待感が継続する展開となっているようだ。新産業への参入戦略や構造改革などについて議論を重ねているもようであり、大型パネルの生産子会社「堺ディスプレイプロダクト」などの改革期待に関心が向かっているようだ。

<6644> 大崎電 684 +63
急伸。いちよし証券ではレーティングを「B」から「A」に、フェアバリューも700円から800円に引き上げた。国内スマートメーターが好調で会社側が通期予想を上方修正しているが、さらなる上振れ余地があるとみている。24年3月期営業利益は会社計画43億円に対して50億円、前期比2.2倍を予想。国内ソリューション事業や海外での上位系システムとのセット販売増加など、今後の成長期待も高いとみている。

<9090> AZ丸和HD 1723 -217
急落。755万株の公募増資、900万株の売出、最大245万株のオーバーアロットメントによる売出を行うと発表。発行価格・売出価格は11月29日から12月4日までの間に決定。売出人は複数の既存株主となっている。調達資金は物流センターの建設資金などに充当。株式売出の目的は流通株式比率のプライム市場上場維持基準充足を図るためとしている。7.8%の株式価値希薄化、並びに当面の需給悪化を警戒する動きに。

<6674> GSユアサ 2220.5 -269.5
急落。1521万9400株の公募増資、228万2900株を上限とするオーバーアロットメントによる売出、並びに、ホンダを割当先とする249万7700株の第三者割当増資を行うと発表。発行価格・割当価格は今後、決定する。BEV用リチウムイオン電池向け新工場の設備投資など、今後の成長資金に振り向けられる。新株発行は最大で現在の発行済み株式数の24.8%となり、株式価値希薄化をマイナス視。


21日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比33円89銭(0.10%)安の3万3354円14銭で終えた。高値警戒感から利益確定売りが優勢だった。下げ幅は100円を超える場面があったが、前日の米株式相場の上昇は投資家心理の支えで、半導体関連銘柄などへの買いで上昇する場面もあった。

11月に入って日経平均は2500円ほど上昇。前日の日経平均は年初来高値(3万3753円)を一時上回った後に下げに転じており、きょうも利益確定売りが次第に優勢となった。21日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=147円台前半と約2カ月ぶりの高値をつけ、輸出採算が悪化するとの見方も自動車など輸出関連銘柄の重荷になった。

ただ下値は限られ、日経平均は上昇する場面も多かった。20日の米株式市場で主要3指数が上昇。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も上昇しており、東京市場ではアドテストや東エレクなど値がさの半導体関連銘柄への買いが目立った。21日に米エヌビディアの2023年8~10月期決算の発表を控え、好決算を見越して国内の半導体関連銘柄にも連想で先回りした買いが入っているとの見方もあった。

東証プライムの売買代金は概算で3兆5707億円。売買高は13億8933万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は622だった。値上がりは987銘柄、横ばいは50銘柄だった。


21日午後の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが前日を0.045%下回る0.695%に低下(価格は上昇)した。一時は0.690%と9月11日以来およそ2カ月ぶりの水準に低下した。財務省による21日の20年物国債入札の結果が堅調で、午後になって幅広い年限の国債が一段と買われた。

20年債入札(186回リオープン、表面利率1.500%)の最低落札価格は101円05銭と市場予想の範囲の上限だった。応札額を落札額で割った応札倍率は前月入札から上昇し、平均と最低の落札価格の差(テール)も縮小した。

これまでの金利低下で需要が集まりにくいとの見方もあったが、結果は堅調で安心感が広がった。新発20年物国債の利回りは午後の流通市場で前日比0.070%低い1.395%と9月上旬以来の低水準を付けた。

日本時間21日午後の取引で米長期金利が低下したのも、国内債相場を支えた。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ終結観測の強まりで、「国内外の債券利回りの先高観が後退している」(債券ストラテジスト)という。

30年債は15時過ぎに0.075%低い1.590%と8月中旬以来の低水準を付けた。5年債は一時0.035%低い0.270%まで低下し、9月中旬以来の低さとなった。先物中心限月である12月物の終値は前日比47銭高の146円30銭と6日続伸した。一時は146円39銭と中心限月として9月上旬以来の高値をつけた。





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