「人間原理」とカント『純粋理性批判』 ――超越論的構成の物理数学的意味
「現にある宇宙の構造の根拠」を「現にこのような人間が存在しているということ」に求める――「宇宙が現にこのようにあるのは、もし宇宙が別様にあったとすれば、私たち/人間が存在して宇宙を観測することはできないためである」という論理としての――「人間原理」は、以上の意味における思考/観測という行為を<超越論的自由>として要請する理性の超越論的理念である。つまり「人間原理」とは、形而上学段階に至った最先端現代物理学がようやくカント『純粋理性批判』の超越論的構成パラダイムに(完全ではない