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物理と心理

 新型コロナウイルスが起こした現象とは、新型コロナウイルスがもつ新規の立体構造 (原子の配置) がもたらす新規の化学反応性が、人間に致死的な病をもたらし、人類がさまざまな新規の心理的反応を示したということです。ヒトは多種多様な化学反応によって動いています。化学反応とは物質同士の結合と解離を通じて、反応前とは異なる性質の物質が生じる物理現象です。注目したいのは、化学反応は、ナノメートル (10 億分の 1 メートル) という微小スケールの原子配置の違いで、速度や方向に変化が生じるということです。新型コロナウイルスは、このナノメートル・レベルの変化で、人類にキロメートル・レベルの行動を起こしたのです (1 兆倍!)。
 人間の行動原理は心理現象として扱われます。物理も心理も同じ化学反応の帰結なのですが、物理現象と心理現象ではそのスケールは 1 兆倍にもなるのです。私が昨年出版した「苦痛による人類進化論」は、私が人生の中で感じ・考えてきたことを、新型コロナウイルスのパンデミックとなった 3 年間で練り上げたものです。新型コロナウイルスの出現がなければ、この出版はなかったでしょう。それにしても、物理と心理の相関について科学的に理解できるのは、いつになるのでしょうか。

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