Spotifyプレミアムを(自己満で)解約した話
※コロナウイルスに関する話題が含まれますが、本記事はその正確性などについては議論しません。ウイルスやワクチンに関する情報は公的機関のHPなどの情報源をご確認ください。
音楽サブスクの中でも人気の高いSpotifyですが、最近何やら不穏な状況が続いています。
ひとつは昨年末にニュースになったCEOの軍事企業への投資の件。
最近では専属契約している有名ポッドキャストによる反ワクチン情報の流布と、それに反発したニール・ヤング、ジョニ・ミッチェルといった大御所のカタログ引き上げ。
そして、かねてより議論の的になっているアーティストへの還元率の低さ。
こういった状況から、TwitterなどSNS上ではSpotifyを使い続けるか否か、という話題もあったりします。
解約する際に考えたこと
私もSpotifyは愛用していたのですが、元々還元率の低さが気になっていたこともあり、はじめに挙げた軍事投資の話が明らかになってからプレミアムを解約しました(なので、反ワクチン云々は厳密には私の解約理由には含まれません)。
これを以てみんなもSpotify解約すべき、とか言うつもりは全くありませんし、自己満足であることをあらかじめ表明しておきます。
CEOへの軍事企業への投資について
旅行で乗る飛行機はボーイングかエアバス製だとか、そもそもインターネットは軍事技術だとかの屁理屈をこねなくとも、「(大手企業名)+軍事」などと検索すれば、いくらでも身の回りにそういった企業を見つけることができます。世の中で完全に潔癖でいることはほぼ不可能と言っていいでしょう(例えばこちらなど)し、仮に可能だとしても、そこまで追求する根性は私にはありません。
ただ、やっぱりSpotifyは音楽扱っててそれは成立しないんじゃないの、という引っかかりはあり、例えばジョンレノンのイマジンで稼いだ金で軍事投資はナシだな、と自分の中で納得しました。
反ワクチンの情報流布について
ニール・ヤングのカタログ引き上げについては、そもそも私の解約後の騒動ですが、きっかけとなったジョー・ローガンの番組についてはその影響力の大きさに加え、Spotifyとは100億円ともいわれる契約があったことからも、まぁ何らかの対応は欲しいよねと思います。今回も発端は医療従事者からの抗議のオープンレターだったと聞きます。
しかしながら、こういった問題への対応は、今現在もYoutubeや他のSNSなどが苦慮しているところではありますし、Spotifyが今回槍玉に上がったのも、過去これらのサービスが辿った道なのかな、とも思います。
(実を言えば、私自身はジョーの番組を一時期よく聞いていました。過去形なのは、昨年半ばから、コロナ関係の発言でもう合わないな~、と感じたところが大きかったのですが、当時はこんな議論にまでなるとは考えもしていませんでした)
アーティストへの還元について
サブスクの還元率の低さを考えるときによくある誤解が、そもそも1再生当たりの単価が設定されていて、それがとてつもなく廉価である、というものです。実際にはSpotifyやAppleなど主要サブスクのビジネスモデルは、簡単に言えば、全ユーザーから集めたお金からプラットフォーム側の利益を引き、これを全再生回数で割って1曲ごとの再生回数に応じて分配するので単価は一律ではありません。原理的には、ユーザーが音楽を聴けば聴くほど単価が下がってしまいます。まぁ一人のユーザーが与える影響なんて大したことないですが、それでも熱心な音楽リスナーほど単価低減に寄与してしまう、というのはなかなか考えさせられます。
もちろん、現実的にSpotifyの単価は低いようなので、別のところに乗り換えます、というのもありですし、実際後述するようにそうしたのですが、Spotifyも7割をロイヤリティに充てているらしいですし、Apple Musicにしても1円/再生もいかないわけで、根本的にはビジネスモデルの問題というか、1000円で聴き放題ってやっぱりものすごい価格破壊なんだと改めて思います。
結局今はどうしているか
とりあえず暫定的にApple Musicに戻りました。理由は3か月無料だったのと、過去使用していたので勝手がわかっている、というところです。
一応きっかけであったCEOの投資云々、という当初の建前はこれで達成できるのかな、という感じですが、2点目の誤情報の流布、といった点に関してはそもそもどこにいても逃れられないのかな、と思っています。
還元率に関しては、SpotifyよりAppleの方が良いとされていますが、そもそも還元率どうのこうの言う割に金使わんかった自分がダサすぎるので、とりあえず昨年のお気に入りは一通りBandcampまたはCDで買いました。併せて別の配信サービスとしてDeezerも試しています。こちらはSpotifyやAppleとビジネスモデルが少し異なり、自分の払った月額分は自分の聴いたアーティストのみに分配されるということで、ライブラリ次第では乗り換えようと討中です(ちょっと触った感じ邦楽がやはり弱めな気がします)。
と、つらつらと書いてきたのですが、やはり気になるのはユーザー間でちょっとした分断が見られることです。私は上記の通り、自分の中での折り合いのつくところとして一旦Appleに戻る、という選択をしましたが、Appleが正義、とは思ってないですし、他の選択肢についても然りです。外からは解約した/しない、といった1/0に見えても、多くは妥協を重ねた痛みの上にあるはずだと思います。
全ての問題が一度に解決、というのは難しいでしょうが、業界全体でよい方向に向かっていくことをいち音楽リスナーとしては願っています。
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