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サブスクは便利だけど、やっぱり

改めて自己紹介の代わりに、レコメンドを書く動機を少しまとめておこうと思う。

サブスクは最初は好きな曲がちゃんとカタログに入っているか不安だったが、今や自分の好きなインディーロックもほぼカバーされている印象だ。理想的には聴きたければ好きなだけ聴ける、とても恵まれている。

毎週新曲が届けられ、お気に入りが並んだリストをなんとなく流す。気に入らなかったらすぐにスキップする。アーティスト側にしても、流通を握っていた小売を介さなくても良いし、SNSをはじめ、低コストで多様なアピール手段もある。なんとも便利な時代になった。

かつてはCDも年間100枚程度は買っていたが、今ではめったに買わなくなった。かと言ってAIが選んだミックスに並ぶ曲リストではなんだかなぁ、と思ったりもする。

新しいアーティストを聴くにはきっかけが必要

サブスクのミックスはある程度好みを当てているし、不満がある、という人はあまりいないが、実は新しい音楽を聴くとなると、いわゆるプレイリストに表示される曲名とアーティスト名の羅列ではなかなか興味を惹かれないのも事実だ。

そこで最近友人にどうやって新しい音楽に出会っているのか、と尋ねてみたりしているが、改めてわかったのは自分から興味を持って聴くとすれば、それはテレビだったり、タイアップだったり、はたまた家族や友人知人からのレコメンドだったり、なんらかのきっかけが必要だということだった。

自分はどうだったのかと振り返ると、昔はCDショップに行ったら、手書きのポップを読んで、試聴のボタンを押しつつジャケットを手に取り、帯のちょっと大げさなコメントを見る。ついでに隣に並んだCDに目が行って、という具合に確かに聴くだけでなく、きっかけがあったように思う。

つい最近は、友人におすすめされて聴いてみたら、実は以前サブスクのプレイリストに突っ込まれてたものだったということがあった。名前をうっすらと覚えてたくらいだったが、ちゃんと聴けば結構いいじゃん、と。

アルゴリズムではコンテクストが不十分

もしあなたがSpotifyやApple Musicのようなサブスクを使っているなら、自分の好きなアーティストを検索して、その「ファンの間で人気」とか、「同じタイプのアーティスト」の欄を見てみてほしい。

例えばスピッツをSpotifyで調べてみると、私の場合は槇原敬之、レミオロメン、平井堅、ナオト・インティライミ、と並んでいる。
星野源だとどうだろうか。「ファンの間で人気」なのは嵐、サカナクション、UNISON SQUARE GARDEN、JUJUらしい。マジか。

統計的にはしょうがないと思いつつ、アルゴリズム上は有名アーティストからは同じくらいの有名アーティストがレコメンドされ、リスナー数に差があったりすると、なかなか実際につながりのあるアーティストにたどり着くのは難しい。

だから、有名アーティストを入口にして、より新しいアーティストを深堀るような聴き方、例えばスピッツから彼らが新木場サンセットなどでフックアップした若手にたどり着いたり、星野源にとってのSAKEROCKだったり、というのを意味を持っておすすめできるとしたら、それは人力でやるしかないのではないだろうか。

自分の好きのためにレコメンドをしよう

とまあ、ここまで書いておいて何が言いたいかというと、単純にサブスクに身を任せてると、これから好きになるかもしれない音楽も普通にスルーするし、単純に知名度(というかリスナー数)で全部決まってしまう、ということである。

幸いなことに私たちにはSNSがあって、意思表示の手段がある。アイドルの布教ではないけれど、自分の好きなものをなんらかの手段で表現していかないと、簡単に数字の海に沈んでいってしまう。

CDの積み増しやYoutubeの再生回数競争みたいな過激派のようなランキングのハックはまぁやりすぎと思いつつ、好きならば好きだと言おう、と歌ったのはAKBだったか、とにかく今はまさにそういう時代になった。

レコメンドを書いて、(もちろん一人の力ではどうにもならないが)できれば色んなアーティストに売れてほしいし、もし他の人にきっかけを与えられたら嬉しい。アルゴリズムに分析されて、「ほれ、これ好みだろ?」と言わんばかりにプレイリストを差し出されるのも正直気に食わない。

元来面倒くさがりなのでいつまで続くかはわからないけど・・・

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