テレワーク(在宅ワーク)45日間の記<約200人規模の3DCG会社の場合>

中国のとある3DCG会社で、2月初旬から3月中旬まで自宅で仕事をしました(お察しください)。これから需要があるだろうと思って、その経験を簡単に(メモ程度)書いてみます。

これからリテレワーク(在宅ワーク)を考えている方に少しでも参考になればと思います。共有・コメント・改善提案大歓迎です。

簡単に自己紹介
・CG制作進行4年目でラインP、デスク、制作やってます。
・ネットワークの基礎知識(本当に基礎…)。ストレージ大好き!
・プログラミング言語はPHP、Javascript、Python、DBはMySQLをちょっとだけ。
・普段仕事用のソフト3ds Max、Blender、AEをちょっとだけ使えます(シーンデータを確認する程度)。

会社概要
・従業員数約200人(中国ではそこそこ大きいかな?)。
・主な業務はゲームと映像向けの3DCGのモデリング、モーション、レンダリングとコンポジットの請負加工。(2D部隊もちょっとだけあります)
・日本案件の比率がけっこう高い(というか依存…)。

テレワーク決断までの流れ
・1月下旬に入り新型コロナウイルス(COVID-19)の情勢がますますやばくなってきて、当局の協力な政策もあり、何回も営業再開の延期を繰り返した後、状況が一向に収束の気配を見せずついに会社での作業再開を断念。
・すでに進行中の案件もあり、顧客スケジュールも厳しくなってきたので、とにかく一刻も早く作業を再開しなければ厳しい状態に。(会社として収入を完全に失う事態を回避するため)
・必要な対策を取り、クライアント了承の上、スタッフの自宅での作業再開を決断。

大まかな考え方
・事務系スタッフ:自宅からVPN経由で会社のPCにWindows純正のリモートデスクトップサービスに接続して作業をします。
 →自宅にPCがないスタッフは、会社のPCを貸し出して、VPNで会社のネットワークに接続。
・クリエーター:自宅のPCで作業環境を整えるより、会社のPCを貸し出して(もちろん安全面の考慮もあり)。作業したデータをFTPで会社のサーバーにUP。リーダー(ディレクター)が会社のFTPからダウンロードしてチェックを行う。
 →システム的に基本全員個人事業主(個人外注)扱い。

安全面の対策
・データをUSBドライブ経由で漏れるのを防ぐため、USB Mass Storage Deviceの無効化。
・ウイルス対策ソフトのインストール。
・PCケースに封印シールを貼り付け。
・会社ネットワークへのアクセスはVPN経由。

テレワーク時の勤怠管理
・基本的に出勤と退勤時間は自主申告。
・クリエーターは完了工数も加味(極端に効率が悪いと給与の減額と人事評価の引き下げに)。
・在宅作業に対応できないスタッフは基本給のみ支払い(当局の特別措置法で解雇が一時禁止になり、基本給の支払いが義務付けられる)。
・自宅作業によって発生する諸経費(光熱費、場所代等)の会社負担や手当は特になし(中国の電気代やすいし、大変な時期だからとスタッフの理解もあったと思います)。

その他細かいところ
・200人が一斉に会社のVPNに接続すると、いくら帯域があっても足りないので、事務系スタッフとクリエーターの作業のしかたを分けた。
・VPNによるリモート接続の際に、安全性の高いL2TPよりPPTPのほうがレイテンシーが低かった。
・お高いTeamViewerよりWindows純正RDPが十分すぎる働きを見せてくれた。
・コミュニケーションが取りづらく、効率がわるかった。1日の大半がいろんなリモート打ち合わせに埋められた。
・画面共有しながら打ち合わせできるツールが活躍(テンセントミーティング、Zoomなど)。
・広い作業机と大画面モニター×2あるとモチベーション上がります。

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