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2023年中日ドラゴンズドラフト指名予想兼10月開催仮想ドラフト振り返り


 こんにちは、にわかアマチュア野球ヲタクのアオジュンと申します。いよいよ2023年のドラフト会議が明日に迫っているということで、私が贔屓にしている中日ドラゴンズのドラフト指名戦略について考察したいと思います。
 その前に9月に引き続き10月もサラリーマンスカウトさんが運営するオンラインサロンにて仮想ドラフトを開催したので、そちらから触れたいと思います。
 今回は最大勢力となる6人(自分を入れて)のドラゴンズ陣営の代表を務めさせていただいたので、今回の指名経緯や仮想ドラフトの感想などを書いていこうと思います。
 今回で3度目の仮想ドラフト参加ということで、過去3回の仮想ドラフトから今年のドラゴンズの指名戦略を考察しましたので、まだ見たことないという方は下記リンクより7月回と9月回の考察noteを見て頂けると幸いです。動画のリンクもnote内に貼ってありますので、是非ご覧ください。


1.指名戦略

 今回はドラフト会議当日から約10日前の開催ということで、自分たちの指名したい選手というより本番で実際指名が有力視される選手を中心に指名が出来たらと考えており、その中で重要となってくるのがドラフトに関する情報でした。
 ドラゴンズは昨年の立浪5人衆のようにドラフトの情報が他球団と比べて公に出がちのチームなので、ブラフも含めて良くも悪くも情報量は多いです。その中でこれは、と思う情報をピックアップして指名戦略として落とし込むという作業から始めました。

1-1 東都大学連盟 神7

 まずはここに触れるべきでしょうか。今年のドラフト市場は大学生投手、その中でも東都大学連盟に所属している投手のレベルが非常に高く、その中でも東都1部でしのぎを削っている青山学院大学の常廣羽也斗投手・下村海翔投手、中央大学の西舘勇陽投手、国学院大学の武内夏暉投手、亜細亜大学の草加勝投手、東洋大学の細野晴希投手、そこに加えて2部の専修大学の西舘昂汰投手の7投手に注目が集まっており、彼らの総称を中日本営(中日新聞社のことです)では東都神7と呼んでいる、という記事が仮想ドラフト前にリリースされ世間を賑わせました。
 まあこれに関してはそりゃそうだろ、とアマチュア野球ファンな大方思っているでしょう。特にU-18の壮行試合で出てきた大学JAPANの投手の質が高く、高校生が手も足も出なかったのを見たら余計今年は大学生の年だと思うはずです。
 その中でドラゴンズは誰を1位指名するのか、ここがとても気になるポイントでした。実は本営は最初にドラフト指名候補として名前を挙げていたのは中央大学の西舘投手でした。

 記事は2023年1月ということで新年最初のドラフト情報となります。この頃から中日スカウト陣の中では西舘投手を高く評価しており、特にスカウト陣の中でも権力があるとみられる米村明アマチュアスカウトチーフは中央大学のOBということもあり、西舘投手は最有力候補の1人でした。
 西舘投手は春季リーグ戦こそ精彩を欠いていましたが、秋季はここまで素晴らしい投球を見せておりドラフト1位と呼ぶに相応しい所まで帰ってきたという印象を受けます。よって西舘投手は1位入札の最終候補に残りました。

 次に候補として名前が挙がるようになったのは青山学院大学の常廣投手です。6月の全日本大学野球選手権決勝で明治大学を完封したことで注目度が一気に上がった常廣投手ですが、ドラゴンズもこの頃からドラフトの上位候補選手の名前を挙げる時に必ず常廣投手の名前から先に挙げていたので、ドラゴンズも春以降は常廣投手をNo.1に位置付けしていたのかと思われます。
 実際常廣投手は大学選手権以降も素晴らしい投球を続けており、ここまで大きく評価を落とすことは無く、トップランナーとしてここまで走り抜けている印象があります。しかし、仮想ドラフト4日前に広島東洋カープが常廣投手を1位指名公言したことにより、ドラフト戦略の見直しを迫られました。
 過去2回の仮想ドラフトで口酸っぱく一貫して言ってることは、1位指名の戦略でいかに抽選のリスクを軽減出来るかでした。ここは今回もブレすにやっていけたらと考えていたので、既に公言されてしまった常廣投手への入札は可能性として低くなりました。また青山学院大学の下村投手、亜細亜大学の草加投手、専修大学の西舘投手も評価は高くされていたもののこの時点で1位入札に関する決定的な報道は見られなかったため、上記の3投手に関しては外れ1位の指名候補としてリストアップしました。
 右腕なら中央大学の西舘投手がこの段階で優先順位の1位となりました。

 次に左腕に関してですが、ここは非常に悩みました。東洋大学の細野投手と国学院大学の武内投手の2投手ですが、7月の仮想ドラフトでは細野投手を1位入札で指名し見事に単独指名に成功。9月の仮想ドラフトでは単独指名読みで武内投手に入札するもソフトバンクと被り、抽選の結果外してしまいました。その後外れ1位で細野投手を取れたのはある意味想定外の誤算でしたが、ドラゴンズは2投手を過去にも大きく評価しており、どちらも魅力的で甲乙は付け難い評価でした。
 この度侍ジャパントップチームの監督に就任された井端弘和氏が東海地方のメディアに出演された際に、井端氏が青山学院大学の常廣投手と国学院大学の武内投手を高く評価していたというニュースを拝見したということもあり、若干ではありますが陣営内でも武内投手で行こうという動きがあったので、左腕であれば武内投手寄りになりました。

 最終的に左腕なら武内投手にしようと一本化したのですが、特に決め手となったのは秋季リーグ戦で東洋大学と国学院大学が対戦した試合を見ての判断でした。大事な一戦は細野投手と武内投手の激しい投手戦が繰り広げられ、最後は国学院大学がスクイズで虎の子の1点を守り抜き武内投手の完封で細野投手に投げ勝ったという試合でした。
 直接対決での対戦もそうですが、やはり武内投手の能力である抜群の制球力と切れ味ある変化球でしっかりゲームメイク出来る非常に能力の高い投球を見せたことが決め手でした。
 最終的には中央大学の西舘投手との比較になりましたが、ドラゴンズの右腕事情は梅津晃大投手、仲地礼亜投手、そして根尾昂投手のシーズン終盤の活躍があったことも起因しており、プロスペクトの彼らとタイプが被らないように指名するのであれば小笠原慎之介投手以降の先発左腕に不安を抱えているチーム事情を鑑みて武内投手が1位に適任だろうという結論に至り、最終的には満場一致で武内投手に決めました。
 常廣投手は公言があったので少なくとも指名被せに行けば競合は確定となります。武内投手も指名が集中し競合の可能性が大いにある中ではありましたが、公言自体は0ということもあり勝負をするのであれば武内投手がいいという意見でまとまりました。

1-2 内野手

 仮想ドラフト2日前、東海地方で放送されているドラゴンズ応援番組「サンデードラゴンズ」のOAがあり、そこでは音重鎮チーフスカウトが今年のドラフト展望を語っているシーンがありました。東都の投手の評価は勿論1位指名の戦略や指名の全体間について話をしている時にふと気になったフレーズがありました。
 それは“二遊間をあと1枚獲得”でした。昨年村松開人選手、田中幹也選手、濱将之介選手、福永裕基選手、育成で樋口正修選手の4選手を獲得してまた二遊間??と思う人も居たかもしれません。しかし堂上直倫選手、福田永将選手の引退に加えて先日濱選手の外野コンバートも発表されたため、現在のドラゴンズの所有選手は以下のようになっています。

表1 中日ドラゴンズ 保有選手一覧

 これを見るに内野手は不足気味な感じはします。二遊間選手をあと1枚というのも頷けるアンバランスな編成となっており、二遊間選手の候補を選定しました。
 サンデードラゴンズ内で紹介のあったのは上田西高校の横山聖哉選手でした。音チーフのインタビューだったこともあったので、音チーフの担当エリアでもある北信越の横山選手を紹介するのは当然かもしれませんが、実際の補強ポイントや中長期的ビジョンでドラゴンズを見た時に横山選手はドラゴンズにフィットする選手のような感じはありました。
 現在のドラゴンズ野手事情はプロスペクトの石川昂弥選手や現役ドラフトで移籍してきた細川成也選手、近年ドラフト上位のリソースを使って獲得してきたブライト健太選手や鵜飼航丞選手など右打者に好打者が多く居る中で、左打者でそういった選手は皆無なため今年の補強ポイントの1つとして挙げられてました。
 そして二遊間選手を1枚という発言と現在のドラゴンズに居る選手よりも何かに長けている選手という音チーフの発言もあり、今のドラゴンズには居ないスケールの大きい大型遊撃手の横山選手はこれらの発言に合った選手ではないかと思いました。
 横山選手の魅力は何といっても肩の強さであり、仮にショートでレギュラーを確保出来なくても、そのスケール感に打撃が加わればサードだって外野だって横山選手ならそつなくこなすビジョンが浮かびます。
 市場の評価的にも13番目の指名権を保有しているドラゴンズであれば横山選手を2位で確保出来る可能性が高いということで、武内投手を1位指名の選手としたときに横山選手を2位で確保しようという意見でまとまりました。

1-3 捕手・その他

 その他の補強ポイントに関しては優先度は低くなるものの、欲しい所で言うとリリーフ出来る即戦力投手、将来性ある高校生投手、枚数的に1人は欲しい捕手・・・色々とありますが全部をドラフトでリカバーするのは不可能ですので、ドラフトで補強出来る部分とニーズにあった選手が一致すれば積極的に獲得をしたいと思いました。ここでは候補選手を何名かピックアップして選定作業を終えました。

2.指名結果

表2 10月度仮想ドラフト 中日指名一覧
表3 12球団仮想ドラフト 指名一覧

 7月回は東洋大学の細野投手を一本釣り、9月回は国学院大学の武内投手を2球団競合で外して3回目の今回、横浜DeNAとの2球団競合の末見事ドラゴンズが武内投手を引き当てました。正直めちゃくちゃ嬉しくて本番でも武内投手が競合してもドラゴンズなら引けるんじゃないかと思うくらいうれしかったです。これにより4パターンの指名シミュレーションを想定していましたが、武内投手獲得成功となったのでプランAで進行する予定でした。

表4 指名シミュレーション

 1位を希望の選手で獲得に成功したので次は2位指名になりますが、正直ここまで1位指名が大学生投手に集中しすぎるとは思わなかったので、2位を最初から上田西の横山選手で一本化していたものの、広陵の真鍋慧選手が2位で残っていたら真鍋選手がいいのでは?という意見が多く出たので、この時中日陣営は横山選手派と真鍋選手派の2つに分かれました。 
 意見が纏まらないまま2位指名の順番が来てしまったので、代表としてはどちらかを決めなければいけない決断を迫られていました。優秀なリーダーは決断力に優れているということもあり、ここはビシッと決めないとと思い私の最後の1票で広陵の真鍋選手を2位指名とさせていただきました。 
 今までの仮想ドラフトでは1位2位共にプロスペクトとなる投手を獲得してきましたが、やはり強打の野手も欲しいというところもあり中位で強打者を指名していたものの、コアとなる野手を確保するには上位のリソースを割く必要があり、今回は2位の枠をそれで行こうという話の中でショートの横山選手が適任と考えていましたが、流石に1位クラスの真鍋選手が2位にスリップしてくるとは思わずいい意味で困惑してました。
 実際ファーム事情を見てみると一三塁のホットコーナーを守る若手選手が枯渇しており、今季は引退した堂上直倫選手や福田永将選手が出場していた背景もあり、今高校生を獲得すればしっかりと打席数を与えられる環境ではあるので、強打者としてまだまだ天井の高い真鍋選手を今回は2位で指名させていただきました。
 3位の部分では1位を武内投手で獲得し2位を野手でという方針があったのでこの部分では即戦力の右投手を指名しようと考えていました。特に理想としていたのが名城大学の松本凌人投手でしたが、9月回では直前に指名されてしまったこともあり今回は名城の松本投手は残らないと想定して進めることにしました。
 そこで候補に挙がったのがトヨタ自動車の松本健吾投手でした。松本投手は昨年の日本選手権でパナソニックを1安打完封に抑えて23年ドラフト戦線に名を挙げてきた投手でしたが、今シーズンは全体的に不調が長引き評価を落としていました。しかし都市対抗野球ではリリーフという新たな境地を切り開き、トヨタ自動車の優勝に貢献したことで評価が再燃し秋には復調の兆しを見せていることもあって評価している声も多く挙がりました。先発・リリーフの適正と昨年見せてくれたポテンシャルの高さを信じて3位指名は松本投手を指名させていただきました。
 4位では高校生投手を1人指名しようと事前に考えており、候補として東海大菅生の日當直喜投手と神村学園の黒木陽琉投手をリストアップしていました。しかし2投手とも直前に指名されてしまったので他の高校生投手を検討しましたが、4位では少し高掴みではと思ったこともあり名前の挙がった投手は5位で指名しようという話で進めて4位は別の選手を指名することにしました。
 2位の部分で横山選手ではなく真鍋選手を指名したことで二遊間選手を獲得していなかったので、スケール感ある大型の遊撃手として三菱重工Eastの津田啓史選手をこの順位で指名することになりました。

 この記事は仮想ドラフト終了後にスポナビさんからリリースされたものであり、この記事を参考に津田選手を指名したわけではないですが、私個人は津田選手は今いるドラゴンズの二遊間選手と比べて一線を引けるタイプの違う選手だと思っており、今年の二遊間選手の中で指名がありそうであると予想してドラゴンズ陣営内のメンバーに津田選手をプレゼンしたところ好印象だったので、思い切ってこの順位で指名させていただきました。
 そして22人指名された後の5位ですが、先程スルーして5位を考えていたのが聖カタリナの河内康介投手と幕張総合の早坂響投手でしたが、先に指名されてしまったので5位ということでドラゴンズの5位といえば大島洋平選手を始め祖父江大輔投手や藤嶋健人投手、最近だと岡林勇希選手も5位で獲得している所謂地元枠ということもあるので愛産大工業の天野京介投手を指名することにしました。
 そして6位ではやはり捕手を1枚確保したいと思って西濃運輸の城野達哉選手を指名しました。今年捕手を指名すると3年連続の捕手指名にはなりますが、そもそも捕手の数が足りていない事情と過去2年は高校生捕手を獲得したということで高校生捕手では無くその上のジャンルで捕手を獲得したいと考えていました。
 正捕手の木下拓哉選手は不動のレギュラーではありますが、24年オフに国内FA権取得の背景があるので次世代の捕手育成を検討する必要があります。トレードで獲得した宇佐見真吾選手は打撃面でアピールをしたものの、守備面の課題が露呈したこともあり来シーズンは一塁手との併用が予想されます。

 そこでポスト木下として最有力とされるのがプロ5年目の石橋康太選手です。今年はプロ初ホームランを記録するなど6月から1軍に帯同し、次世代の正捕手としてプロの階段をしっかりと登れたシーズンだったと思います。今年のように仮に木下選手が離脱した際には石橋選手が多くの出場機会を獲得すると思いますし、将来は彼がチームを引っ張って行ってほしいという期待もあります。
 そしてビッグニュースとして11月に開催されるアジアプロ野球チャンピオンシップの侍ジャパンに石橋選手が選出されることが決まりました。代表監督を務める井端弘和氏は中日ドラゴンズOBということもありドラゴンズのゲームを多く見ている方だけに、井端氏から評価を受けた石橋選手は球団内外でとても期待されているのかなと思いました。
 そんなプロスペクト捕手が今後の成長をしていくためにも同世代のライバルが必要だと思い、2000年生まれの石橋選手にとって1999年生まれの城野選手は同世代のライバルとして相応しいと思います。打撃寄りの石橋選手、守備寄りの城野選手として今年セ・リーグ優勝した阪神タイガースの梅野隆太郎選手・坂本誠志郎選手のような関係性となってくれたらと思っています。

 最後の7位指名の部分ですが、元々は支配下6人指名という情報をキャッチしていたのでこの7位の部分は育成1位的な意味合いで指名をしようと考えていました。
 そこで候補としていた選手が弘前工業の成田晴風投手でした。成田投手は今夏名前を聞くようになった投手であり、来年には150を超える球を投げるのではという潜在能力を秘めていると評価をする有識者が多かったのもあり、密かに注目をしていました。
 特に去年の育成1位で獲得した松山晋也投手は支配下登録されシンデレラストーリーを描く大活躍をしており、松山を獲得した北海道・東北地区担当スカウトの八木智哉氏の推薦で成田投手があるのではないか、という考えもあったので成田投手を指名しようとしていました。 
 しかし残念ながら先に阪神に成田投手を指名されてしまい、次に考えていた東北福祉大学の後藤凌寿投手や中京学院大学の赤塚健利投手も直前で指名されてしまったのでもう選択終了にしようとしていました。
 しかしここまで投手3人野手3人ということでバランスドラフトとなっており、今年のドラフトのコンセプトはあくまで投手ドラフトという姿勢を崩したくなかったので、最後1人投手を指名しようと思いました。

 今回指名させていただいたのが三重県・高田高校の中山勝暁投手です。中高一貫の進学校に通う中山投手は成績も大変優秀で医学部の進学を視野に入れている秀才投手ですが、プロ入りの気持ちが相当高く今回支配下指名での希望を持ってプロ志望届を提出しました。支配下指名が無ければ医学部への進学という過去にも前例のない決断をした中山投手ですが、実際今夏は初戦で強豪の三重高校と当たってしまい初戦敗退となってしまったのであまり日の目を浴びることなく高校野球を終えました。
   しかしこの試合では12球団のスカウトがネット裏に集結するなどドラフト戦線では非常に注目を浴びていた投手だったので、私はとても気になっていました。
 特にフォームの美しさと下半身のどっしり感からスケールを感じており、下位で指名してじっくりファームで育成出来たら、モノになった時とてつもない高さの天井を兼ね備えた投手になり得るのではないか、そういうロマンが彼には詰まっていると思い、今回の仮想で指名させていただきました。

3.おまけ

 10月の仮想ドラフトでは9月回で出演されたスポーツライターの西尾典文氏が出演されませんでしたが、サラリーマンスカウトさんのYoutubeでは西尾さんが10月回の仮想ドラフトを総評している動画がアップロードされていますので、是非ご覧ください。
 ネタバレにはなりますが、何と今回西尾さんが最も評価した指名球団を中日ドラゴンズと言ってくれました。これは快挙です、あの西尾さんに我々の指名が評価されたことは我々は自信を持っていいと思っています。めちゃくちゃ嬉しくてこの日のために仮想ドラフトに時間を掛けて戦略を練っていたのかと思うと目には涙が・・・本当に嬉しかったです、西尾典文さん本当にありがとうございました。

表5 仮想ドラフト 指名一覧

 また過去3回の仮想ドラフトをやってみて、今年のドラゴンズのドラフトはこうなるのかな、という方向性は示せたと思います。
 3回とも1位では大学生左腕投手のトップ評価である細野投手と武内投手を指名させていただきましたが、2位以下は1度も被りがない選手を指名させていただきました。しっかりと補強ポイントや中長期的なビジョン形成を考慮しての指名選手となっていますので、ドラフト前の参考に是非していただきたいと思っています。仮想ドラフト楽しかったです。

4.2023年中日ドラゴンズ指名予想

 長々と仮想ドラフトの感想を語ってしまって本題を忘れそうになりましたが、ちゃんと今年の予想もしっかりとしたいと思います。
 立浪監督からドラフト前日に1位指名の公言があると想定されますので、今回はドラフト前日(編集次第では当日も)に公開をしようというスケジュール感で動いています。
 そして25日夕方、報道陣の前に現れた立浪監督は1位指名について言及をしました。

 なんとENEOSの度会隆輝選手を1位指名で行くと公言しました。
これは本当に驚きました。事前の情報では東都の大学生投手という報道から始まり最終的に国学院大学の武内投手、青山学院大学の常廣投手、中央大学の西舘投手の3人の誰かという所まで報道がされていた中で度会選手に行くことになるとは思いませんでした。
 度会選手の1位指名公言を考慮して今年の指名予想はこの選手達にしました。

表6 中日ドラゴンズ 指名予想一覧

 度会選手は公言による効果を発揮して単独指名が出来ると予想しますが、ここを外すと大学生投手に行くと思われるので、その後の指名プランが変わってくると思います。ただ私は単独指名で行けるという謎の自信を信用したいと思います。
 2位の部分ですが、本来であれば大学生投手に行くのがセオリーだと思いますが敢えてのというか2位の13番目で残ってそうな大学生投手より高校生に行くのではないかと考えました。そこで名前が挙がってくるのが霞ケ浦高校の木村優人投手です。何故木村投手なのか、それもこの記事を見て考え方が変わったいう感じです。

 米村チーフスカウトのコメントが大絶賛ということもありますし、外れ1位には残ってないと言い切ってる所がとても気になりました。米村チーフ以外にもスカウト内でかなり評価を高くしている可能性があり、13番目の指名権とはいえ木村投手が残っていたらドラゴンズは指名に踏み切る可能性は高いかもしれません。
 勿論大学生投手で1位からスリップしてくる素晴らしい投手が必ずいると思っており、特に名城大学の岩井俊介投手と桐蔭横浜大学の古謝樹投手は残ってたら個人的には絶対指名して欲しい投手です。

 3位までに残っている可能性はあまり高く無さそうですが、個人的にも応援している名城大学の松本凌人投手をこの順位で獲得出来たら最高だと思います。ドラゴンズのリリーフ陣にはサイドハンドの投手が居ないこともあって松本投手は1軍のリリーフ陣に入っても住み分けが出来る投手であり、独特のフォームから投げ込む威力ある速球は是非プロの打者相手に投げて欲しい球でもあるので、松本投手を願掛けの意味合いも込めてこの順位に予想します。
 仮に松本投手が指名されてしまった場合は仮想ドラフトでも指名したトヨタ自動車の方の松本投手の指名を進言したいと思います。上位の枠でリリーフ適正もある即戦力投手が獲得出来たら最高です。
 4位は仮想ドラフトでも指名した三菱重工Eastの津田選手とさせていただきました。もうなんか津田選手に愛着が沸いてるくらい津田選手に来て欲しいと思っています。特に1位で度会選手を獲得出来たら2020年横浜高校の二遊間が揃うので、02年生まれ最高の投手髙橋宏斗投手が投げて度会選手が打ち津田選手が守るみたいな夢のような布陣を形成したいので、この順位で津田選手を獲得して欲しいと思っています。
 5位では仮想ドラフトで指名出来なかったものの、今年はチームの不祥事もあってアピールが少なかった聖カタリナの河内投手をこの順位で指名出来ると予想します。河内投手も上記の記事で米村チーフが高く評価しているので、この順位で残っていたら指名して欲しいと思います。
 6位はホンダ鈴鹿の森田駿哉投手を予想します。正直大卒社会人解禁から3年が経過し、来年は28歳となる世代の森田投手をここで指名?と普通はなると思いますが、ドラゴンズ応援番組のサンデードラゴンズにてMCの若狭敬一アナから名前が挙がったり、パネラー出演していた侍ジャパン投手コーチの吉見一起氏も絶賛している様子から、ドラゴンズと縁があるのではないかと予想しました。

 ちなみに森田投手は富山商業時代から有名な投手だったこともあり、ドラゴンズもずっと注目をしている投手でした。今年はホンダ鈴鹿では都市対抗に行けなかったものの、優勝したトヨタ自動車の補強選手として2試合に登板しチームを勝利に導く好投を魅せていました。特に対ENEOS戦では注目の度会選手を完璧に抑える投球を見せていたのが好評価に繋がったのでしょうか。
 秋の日本選手権予選でもホンダ鈴鹿は破れて本戦出場は叶いませんでしたが、森田投手を東海地区担当の清水スカウトからコメントが出ていたのもあるので、個人的にはご縁がありそうな投手として森田投手を予想します。
 正直育成指名までは分かるわけがないのですが、仮想ドラフトの時にも触れた八木スカウト担当枠として弘前工業の成田投手が育成まで残っていたら是非指名して欲しいと思います。
 ファームでショートを守っていた選手の1人の濱選手が外野にコンバートされたこともあり、育成で1人ショートを確保したいと思って高校生のショートを探していましたが、仙台育英の山田修也選手、八戸学院光星の中澤恒貴選手、鹿屋中央の村山源選手は支配下で指名されそうだなと考え、独立リーグからショート候補を探した時に2人の選手をリストアップしました。新潟アルビレックスの伊藤瑠偉選手と埼玉武蔵ヒートベアーズの金子功児選手です。
 伊藤選手は昨年まで東京農業大学にいたものの中退し独立リーグに加入した異色の経歴の選手で、守備に関しては新潟の橋上秀樹監督から太鼓判を押されている選手です。独立リーガーなのでそれなりの試合をこなす体力はあると思いますので、プロで打撃が向上すれば支配下も夢ではない選手だと思います。
 金子選手は高卒2年目の若きショートストップであり、昨年0HRだったのが今年は4本打っており日本ハムとの試合でもHRを放つなど打撃が向上している注目の選手です。20歳と若いのも魅力の1つで非常に面白い選手だと思います。
 2人とも魅力的な選手ですが、右打ちの伊藤選手のがドラゴンズの二遊間選手との住み分けが出来そうなので、伊藤選手を予想します。
 最後にどこかで捕手を指名しようと考えていたのですが、支配下の枠で捕手を取るには指名のタイミングが難しいと思い、断念しました。特に大学生捕手は近年指名が極端に少ないのもプロ側の需要がそこまで無く低くなっている点や名門の社会人に内定が決まっており順位の制約(順位縛り)がある選手がいることが要因に挙げられます。今年も流通経済大学の萩原義輝選手や関西大学の有馬諒選手や日本大学の友田佑卓選手などが候補に挙げられますが、指名縛りがあったら指名しにくいという背景もあるので支配下での捕手指名を断念。
 育成で捕手を獲得しようと検討した際に、今年の高校生のプロ志望届提出者で育成まで残ってそうな選手は恐らく居ないと想定されるので、育成では社会人選手の指名は出来ないため残りは独立リーグからのピックアップとなります。そこで私が注目したのが埼玉武蔵ヒートベアーズの町田隼乙選手です。
 この選手は上記の金子選手同様高卒即独立に入団した20歳の若い選手であり185センチのガッチリした捕手らしい捕手です。特に魅力は強打であり、当たった時に飛距離にはとても定評のある選手です。埼玉武蔵は昨年も育成3位で樋口選手を獲得している縁もあるので、今年は町田選手にご縁を感じているのは私だけではないと思います。楽しみです。

 以上で2023年のドラゴンズ指名予想を終了します。

5.指名されて欲しい選手

 ドラゴンズ視点でここまで展開してきましたが、ドラゴンズじゃなくてもNPBのどこかに指名されてプロの門を開いて欲しい選手を数選手紹介して終わりにしたいと思います。

5-1 東松快征(享栄)

享栄高校 東松快征投手

 ドラゴンズとの縁はあまり感じなかったものの享栄の東松快征投手は愛知No.1投手であり、絶対指名されて欲しい投手です。
 下級生時代から名前が知られている投手であり、彼の代で享栄高校が21世紀初の甲子園へ行くのではないかと期待されてる逸材でした。最後の夏は故障等もあり不本意に終わりましたが、プロでは絶対大輪の花を咲かせてくれると思います。
 個人的にはジャイアンツが2位くらいで指名してくるのかなと思っています。

5-2 石黒佑弥(JR西日本)

JR西日本 石黒佑弥投手

 石黒佑弥投手は4年前の星城高校時代にセンバツ優勝の東邦高校を破り、一躍有名になりました。当時の東邦は現ドラゴンズの石川昂弥選や早稲田大学の熊田任洋選手が在籍しており、彼らの夏を終わらせたエースとして注目されました。
 その後JR西日本に入社後も頭角を現し、昨年から解禁年の投手でしたが昨年は残念ながら指名漏れ。今年はJR西日本が都市対抗に出場した際に初戦の先発を任され、パナソニック相手に好投を見せました。
 私はその試合をネット裏から観戦しており、浮き上がる速球にとても魅力を感じました。年齢的にも今年の大学生と同じなので石黒投手今年こそ指名されて欲しいと願っています。

5-3 熊田任洋(早稲田大学)

早稲田大学 熊田任洋選手(画像は昨年のもの)

 石黒投手の所で名前の挙がった熊田任洋選手。高校時代は石川昂弥選手と共に平成最後のセンバツで優勝。早稲田大学では1年春から不動のレギュラーとして全試合に出場している六大学が誇る鉄人です。上背が無いなどの懸念材料はありますが、高校・大学とJAPANメンバーに選出されるなどその高い守備力はプロ側も絶対評価していると思うので、熊田選手もプロ入りをして欲しいと願う選手です。

5-4 上田希由翔(明治大学)

明治大学 上田希由翔選手(画像は昨年のもの)

 こちらは指名は確実視されていますが、個人的には1位で指名されて欲しい明治大学の上田希由翔選手です。コロナ禍で例年より試合数が少ない中で六大学野球歴代4位の打点数を挙げる六大学が誇るクラッチヒッターであり、愛知では愛産大三河高校時代から超が付くほど有名でした。
 特に東愛知大会で放った岡崎球場(現岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)のセンターバックスクリーンに飛び込むHRの放物線は一生忘れません。しかも当時2年生の打球というのも驚きでした。右の石川昂弥・左の上田希由翔として愛知では切磋琢磨してきた2人ですが、再びプロの舞台で切磋琢磨するシーンが見たいです。

5-5 髙島泰都(王子)

 ここからは画像が無いのは申し訳ないです。今年は縁があって都市対抗野球東海2次予選に足繁く通っていたこともあり、東海地区の社会人選手には1人でも多くの選手にプロに行ってほしいと思っており、その代表格が髙島泰都投手です。
 髙島投手は王子のエースとして予選で獅子奮迅の活躍もあり5年ぶりの都市対抗出場の立役者でした。都市対抗でも王子はベスト4に進出するなど大活躍でしたが、私が見ていて震えた髙島投手の投球は第4代表決定戦延長タイブレークでした。
 相手は東海地区屈指の打撃を誇る西濃運輸が相手でしたが、この日の髙島投手のリリーフはあまりにも圧巻で、タイブレークでランナーを背負ってるという感じが全くしないレベルの投球で西濃打線を制圧していました。
 あの髙島投手ならプロでも絶対活躍します、指名されて欲しいです。

5-6 吉川大翔(日本製鐵東海REX)

 吉川大翔投手ですが、あまりドラフト候補として名前を挙げる有識者・媒体は少ないかもしれません。しかし私はREXの東海2次予選初戦、対三菱自動車岡崎戦の吉川投手を見てその投球に魅了されました。強力打線の三菱自動車岡崎相手に9回被安打4の完封勝利、ストレートがバチバチに走っておりまともに捉えられた投球はほぼ無かったです。
 しかしこの試合以降の吉川投手は精彩を欠き、尽く大事な試合を吉川投手で落としてしまった東海REXは都市対抗には出られませんでした。あの岡崎戦の投球がもう1度見られたらREXは・・と思ってしまうくらいあの試合の吉川投手が忘れられません。プロ入りは厳しいかもですが、凄い投手なのでここで紹介させていただきました。

5-7 嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)

 この選手で最後になります。嘉陽宗一郎投手は既にプロ入りについて言及しており、プロに行く可能性はほぼ0です。

 この記事はスポーツライターの菊地高弘さんが執筆しており、菊地さんは嘉陽投手のプロ入りに期待を抱きつつも彼の決断を尊重するという記事となっております。個人的にはトヨタ自動車に入社して今年が1番凄かったんじゃないかと思う今年の嘉陽投手の活躍でした。
 それを最初に感じたのは東海2次予選の対東邦ガス戦です。2次予選初戦で強豪のトヨタ自動車とはいえ各選手動きがとても硬く、やはり緊張しているのかと思っていたら緊張を微塵も感じさせないくらいズバズバと切れ味あるボールを投げ込み嘉陽投手を見て、これが嘉陽宗一郎のボールか・・・と惚れ惚れしました。この試合は強豪の東邦ガスをシャットアウトする快投でトヨタ自動車に勢いを与えました。
 初戦をものにしたトヨタ自動車はそのままストレートに勝ち上がり都市対抗東海第1代表を勝ち取ると、本戦でも初戦の先発は嘉陽投手でした。初戦の対Honda戦でも嘉陽投手はキレキレの投球でHonda相手に9回1失点の完投勝利。準々決勝の日本通運戦、決勝のヤマハ戦でも快投を見せ見事トヨタ自動車を優勝に導きました。勿論橋戸賞は嘉陽投手でした。
 今年の嘉陽投手は東都の四天王よりも凄い球を投げていたと言っても過言ではないですし、即戦力という視点で言ったら今年のドラフト候補で1番だと思います。
 本人が尊敬する佐竹功年投手の後を追ってミスター社会人を襲名すべくトヨタ自動車のために腕を振る決断をしたので、その道を応援したいですが個人的には嘉陽投手にはプロ入りした世界線を見てみたかったです。
 明日は嘉陽投手にとってどんな1日になるのか、注目してみたいと思います。

 最後に参考文献としてのもとけさんのまとめブログを多く引用させていただきました。のもとけさん本当にありがとうございました。


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