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「自分と、そして他者とつながる対話」を広げたい

私たち、Dialogue For Peace(ダイアログ・フォー・ピース〜対話をしよう)は「対話」を大切にしています。なぜなら、対話があらゆることの基礎となるから。

私たちの大きな目的は「すべての生命が安心して生活できる社会の実現(世界平和)」です。それは一人ひとりがそれぞれの幸せを実感することにもつながります。

対話によって、自分とつながり、他者とつながる。そしてさらに、社会や世界とつながり、平和が広がる。「対話」にはその可能性があると信じています。

私たちは「自分と、そして他者とつながる対話」を広げる活動をしています。

対話を広げたい理由

「対話」を広げたい。それは私たちが活動を続けている中で、必然的に立ち上がりました。世界をよりよく、社会をよりよく、自分の人生をよりよく…何かをよりよく目指すためには「対話」が大きな土台となると思ったのです。

ボームによれば、対話とは相手を説得するのではなく、共通理解を探し出す行為だと言う。

『ダイアローグ』デヴィッド・ボーム(英治出版)訳者あとがきより

日常的に体験するものとしての「会話」、ビジネスの世界での「議論」、特にネットの世界が顕著に見える「批判」…それらの経験は比較的簡単かもしれません。しかし、なかなか「対話」に出会うチャンスはないのではないでしょうか。

「対話」は確実に世界を広げてくれます。自分の人生においてでも、身近な家族関係でも、会社の中でも、地域社会や世界に少しでも変化をもたらしたい、今のままより変えたい部分があるなというとき、「対話」はヒントをくれるのです。

そして、対話には2つ種類があります。ひとつは「他者との対話」そしてもうひとつが「自分との対話」です。他者との対話はすぐに実行することは難しいかもしれない。だけれど、自分との対話は今すぐにでもやってみることができる。自分との対話でも、他者との対話でも、どちらでも世界を広げることは可能です。

「対話」っておもしろい

対話をすることってどんなおもしろさがあるんだろう?
対話において大切なことってなんだろう?
対話しながら、おもしろさを探ってみました。

上記の中では、「想像以上が訪れる」「タイミングがある」「種と養分」というエッセンスが出てきましたが、それ以外にもおもしろさはあると思っています。

私たちが対話の場で大事にしていること

偉大な物理学者であり、思想家でもあるデヴィッド・ボームが『ダイアローグ――対立から共生へ、議論から対話へ』という本の中で「対話」について語っています。その中に、私たちが対話の場をつくる中で大事にしていることがしっかりと語られている部分がありました。

 この「ダイアローグ」を「ディスカッション(discussion)」という言葉と比較してみよう。「ディスカッション」は「打楽器(percussion)」や「脳震盪(concussion)のうしんとう」と語源が同じだ。これには、物事を壊す、という意味がある。ディスカッションは分析という考え方を重視する。そこにはさまざまな視点が存在し、誰もが異なった視点を提供している—つまり分析し、解体しているのである。(中略)そしてこのゲームの目的は、勝つか、自分のために点を得ることである。他人のアイデアを取り入れて役立てる、といったこともあるだろう--誰かの意見に賛成したり、反対したりすることもあるかもしれない--だが、基本となる点は、ゲームに勝つことだ。それがディスカッションで最もよく見られる状況である。
 しかし、対話では勝利を得ようとする者はいない。もし、誰かが勝てば、誰もが勝つことになる。対話にはディスカッションと異なった精神がある。対話では点を得ようとする試みも、自分独自の意見を通そうとする試みも見られない。それどころか、誰かの間違いが発見されれば、全員が得をすることになる。これは、お互いに満足のいくゲーム、と呼ばれる状況だ。一方、対話以外のゲームには、勝者と敗者が存在する--私が勝てば、あなたが負けるというように。しかし、対話には、ともに参加するという以上の意味があり、人々は互いに戦うのではなく、「ともに」戦っている。つまり、誰もが勝者なのである。

『ダイアローグ――対立から共生へ、議論から対話へ』デヴィッド・ボーム(英治出版)45ページ

私たちがつくる対話の場では、誰かが誰かを論破したり、同じ結論をもつために話し合うのではなく、それぞれに、思い思い自分の考えを述べてOKなのです。だからこんなグラウンドルールを設けています。

■ グラウンドルール
・違いを受け入れて楽しもう
・正しいことを言わなくてOK!気軽に発言しよう
・周りの、そして自分の発言を待とう
 (パッと考えを言葉にできる人もいれば、ゆっくり考える必要がある人も。あなたの中の考えが熟成される時間を待つのもOK)
・発言者と違う意見を持つのはOK!そのときは、相手自身を否定したり、発言そのものを否定をせず、相手と発言自体は受け止め、自分の考えを大切にしよう(なるほど、あなたはそう考えるんだね!私はこう思う)

一人ひとりが対話を楽しみながら、自らとつながり、他者とつながる。そして対話によって世界を広げるために。対話からより良い社会、さらに大きくは世界の平和につながるように。

代表:鬼丸昌也
プロデューサー兼ディレクター:森本菜都美


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