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セルフカフェで、ふと思う。

セルフカフェで注文前に席を確保するために、私物をテーブルの上に置く光景がよく見られる。海外では信じられないことらしい。

不用心といってしまえばそうなのだが、reservedの札(正式名称はなんというのだろう)が用意されているところばかりではないので、事前にレジで会計するお店に1人で行くと、そうせざるをえないことがある。

中には置き引きの被害もあるのだろうが、大きな問題にまで発展しないところが日本の治安の良さの表れだと思う。


人によってテーブルに置くものに個性があり、カフェに行く度に興味深くて密かに観察してしまう。

女性客で多いのが日傘、ハンカチ、買い物の紙袋。
男性客で多いのが文庫本、雨傘。
なるほど、手軽な大きさで万一失くなっても致命傷には至らないものばかり。

しかし以前行ったカフェでのこと。
鍵がじゃらじゃらとついたキーケースをおもむろにテーブルに置いて、レジに向かったおじいさんがいて面食らってしまった。
なぜよりによって、そんな大事そうなものを…!(多分荷物が少なかったんだと思う)見ているこっちがハラハラだ。おじいさんの帰りを待ち、気分は鍵の番人だった。幸い盗難はなかったのだが。

私の母は文庫本を置いて会計している間に、見知らぬ外国人にどっかりと座られ、本を読まれていたということがあったらしい。忘れ物だとでも思ったのだろうか。それとも「ご自由にお読みください」の本だと思ったのか。文化の違いを感じる。


回転寿司の事件など、飲食店で店員の目を盗んで行う犯罪がニュースで取り上げられる昨今、私物を使った席取り習慣も減ってしまうのかなぁと思うと、まあ当然だと思う一方、その呑気さがなくなってしまうことが少し寂しい。

日本っておもしろい!と外国人も驚くような、おしゃれで遊び心のある席取り札の開発を今から楽しみにしている。

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