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軍事クーデターから2年、ミャンマーとどうかかわるか

寝坊して目覚めたら、私のスマホにはミャンマーの知り合いたちから数十のメッセージが入っていた。2年前のきのうのことだ。

なんかあったのだろうか。寝ぼけ眼で英語のメッセージを読んでいく。「ミャンマー国軍がクーデターを起こしたらしい」。「え、なんかの間違いだろ」と思った。

2011年の民政移管からミャンマーへは取材で10回以上行った。だからこの国の経済発展のスピードが「見たことのないレベル」であることは身をもって知っていた。さすがに国軍も、いくら選挙結果に不満だといっても、クーデターなんて起こすはずはない、と高をくくっていた。

しかしあれから2年。軍が支配する状況はいまも続く。コロナ禍とクーデターの影響でおよそ100万が職を失い(売春婦も増えたと聞く)、150万人以上が避難民になったといわれる。国軍と民主派の紛争も激化する一方だ。

こうしたなか、日本政府が政府開発援助(ODA)の既存プロジェクトを継続していること、一部の日系企業がミャンマーで操業を再開することに反対する向きもある。

だがganasはそうした反対意見に安易に同調しない。なぜなら経済制裁も続くなかで、一番大変なのは庶民だということをいろんな国で見てきたからだ。ベネズエラしかり、シリアしかり。

ではどうするのか。

ganasは2年半前、「行動するメディア」という方針を打ち出した。内容はこうだ。

途上国の記事を発信する(これ自体ももちろん意義がある。ミャンマーについては重点的に発信してきた。ロヒンギャの問題も2012年から取り上げてきた)だけでなく、途上国の人たちを1人でも2人でもいいから助けるような小さなプロジェクトをいくつも立ち上げ、回していこう。

行動するメディアを具現化するためのエンジンとなるのが「ganasサポーターズクラブ」。ganasのパートナー/サポーターの大きな力を借りながら、1年以上継続的に回っているプロジェクトだけでも5つある。

そのひとつが、ミャンマーが民主化を取り戻せるよう支援することを目的としたミャンマーの商品の販売だ。

商品のラインアップは、「蓮100%のストール」「蓮とコットンの帽子」「コットンウールのバッグ」の3つ。もちろんすべてメイドインミャンマー。

いずれも収益の30%が、国軍への抗議として、公務員などが職務をボイコットする「市民不服従運動(CDM)」の参加者(失業者)への寄付となる。これ以外にも、収益の35%をミャンマー側の人件費などとして送金する。

ミャンマーといえば、伝統的な織り機で作った「蓮の布」が有名。円安になったため、現地で買うのとさほど変わらない値段で手にできる。あのレアな蓮100%のストールが! その価値、ミャンマーへの支援、値段もお手ごろ――バレンタインデーのプレゼントにぜひおススメしたい。

ganasにはこんなモットーもある。

「できるか、できないか」ではなく、「やるか、やらないか」。

できない理由をいくら並べても世界は何も変わらない。それなら、何をするか、どうやってするかを考える。そして動いてみよう。一個人がやることにインパクトの大小は関係ない。