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豪華ハリウッド俳優が競演する演劇を聴けるオススメAudible:「8(エイト)」

「8(エイト)」という演劇をご存じでしょうか。今回はちょっと特別なこの演劇「8(エイト)」のAudible版を見つけたのでご紹介します。

たった1回しか上演されていない演劇ですが、目を疑う豪華キャストです。まず出演している俳優さん達をご紹介します。

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マーチン・シーン、ケビン・ベーコン、ジェイミー・リー・カーティス、ジョン・C・ライリー、ジェイン・リンチ(glee)、マシュー・モリソン(glee)、クリス・コルファー(glee)、ジョージ・タケイ(Star Treck)etc...

脚本は、「ミルク」でアカデミー脚本賞を受賞したダスティン・ランス・ブラック、そして監督は「Stand by Me」「A Few Good Men」などの名作を世に送り出した名監督ロブ・ライナーというタッグです。

アメリカ・ロサンゼルスのWilshire Ebell Theaterで、2012年3月3日、たった一夜限り上演されたこの演劇に、この面々は全員が無償で参加、出演したそうです。

なぜだったのでしょうか。

「8(エイト)」とは、とある実際の裁判を再現した演劇です。2010年、カリフォルニア州が同性婚の権利を排除するした憲法改正案8項を違憲だと米国平等権財団(AFER)訴えた裁判です。

フルキャストは以下です。

George Clooney as David Boies
Brad Pitt as Chief Judge Vaughn Walker
Martin Sheen as Theodore B. Olson
Kevin Bacon as Charles Cooper
Jamie Lee Curtis as Sandy Stier
Christine Lahti as Kris Perry
John C. Reilly as David Blankenhorn
Jane Lynch as Maggie Gallagher
Jesse Tyler Ferguson as Dr. Ilan Meyer
Matthew Morrison as Paul Katami
Chris Colfer as Ryan Kendall
Yeardley Smith as Dr. Nancy Cott
Matt Bomer as Jeff Zarrillo
George Takei as Dr. William Tam
Rory O’Malley as Dr. Gregory Herek
Cleve Jones as Evan Wolfson
James Pickens, Jr. as Dr. Gary Segura
Jansen Panettiere as Elliott Perry
Bridger Zadina as Spencer Perry
Vanessa Garcia as Clerk
Campbell Brown as Broadcast Journalist

ジョージ・クルーニーとマーチン・シーンが原告の代理人、ケビン・ベーコンが被告側弁護人、そしてブラッド・ピットが裁判官です。後の出演者は双方の証人たちの役でした。

Audibleのサンプルを聴くと、ちょうどゲイの青年を演じているクリス・コルファーが、代理人役のジョージ・クルーニーに誘導されて証言をしている場面が聞けます。思春期に自分がゲイだと気づいた時の衝撃や心の葛藤、親との確執を告白する言葉が胸が締め付けられそうになります。やがて、ケビン・ベーコンの反対尋問が入りますが、なかなか白熱して興味深いです。

深刻な話の合間に、ウイットに富んだ受け答えが入り、聴衆が爆笑しているのも聞こえます。ロブ・ライナーの演出のうまさだなと思います。

面白いと言えば、Gleeで怖い女体育教師役だったジェイン・リンチは、同性婚反対の立場をとる保守系活動家マギー・ギャラガーを演じていて、高圧的な話しっぷりが堂に入ってました。

彼女を始め、被告側の証人を演じたジョージ・タケイ(反同性愛の中国系’家族論者’役)やジョン・C・ライリー(プロの同性愛反対’学者’役)はコミカルに描かれています。これは、その主張がやはり時代の流れに沿っていないという批判なのだろうと思います。(その分、キャラクターは印象に残りましたが)

下記は、劇中のセリフとしても出てきましたが、ジョージ・タケイ演ずる中国系’家族論者’  Dr. William Tamの言葉です。

“it is very important that our children won’t grow up to fantasize or think about, Should I marry Jane or John when I grow up? Because this is very important for Asian families, the cultural issues, the stability of the family.”

「私たちの子供たちが成長したときに、”大きくなったらジェーン(女)かジョン(男)かどっちと結婚しようかな?”なんて空想したり考えたりしないようにすることが非常に重要なんです。これはアジアの家族、文化的問題、家族の安定にとって非常に重要なことですから」

実在の人たちです・・・

2021年を迎えようとしている今、LGBTQは、この当時からは考えられないほど広く市民権を得始めていると思います。その現状には、こうやって戦った人々、それに賛同した人々がいたんだなあと、そんなことを実感する作品です。



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