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 なんかしらんが邪神ちゃんドロップキックを3周くらい観てしまって、すっかりオタク気分であります。元来オタク気質はありますけども、短期間で同じアニメを何周も繰り返し観るのは久しぶり。なんでかな~なんで何回も見ちゃうのかな~と思って、前もこんなことあったっけな~と振り返ると、前回似たような事になったのは、天体戦士サンレッドの時だった。

そうだ、日常系だ。日常系の作品に弱い...いや、それが好きなのだ。
あらゐけいいちの「日常」も日常系だけど、あれはちょっと”いわゆる”日常系とは違うような気もするな...。そういや10年くらい前、ちゃんみお役の相沢舞ちゃんと遊ぶ友人が被っていて、何度か一緒に遊んだ事があって、今では貴重な体験と化してしまった。都会で暮らしてると、色々あるなぁと痛感した出来事だったな…。そういう出来事で言えば、おそ松さんの藤田監督とアシパンで会えたのも、都会ならではの出来事だった気がする。

邪神ちゃんドロップキックは神保町、サンレッドは溝の口…日常系アニメは基本的に都会じゃないと話にならない。そう、都会には出会いと別れとロマンが詰まっている。そう思っていた時期がアタシにもありました。

アタシも、今思えば、そんな日常系作品みたいな出来事があったのを思い出した。家を出て初めて借りた安アパートに住んでいた二十歳そこそこ頃の事だ。

外人と老人だらけのボロアパートで、一人だけ若者がアタシ以外にいた。駅から帰ってくる時、そいつの部屋の前を通る格好になっていたので、その存在は自然と認知していたが、まぁただの他人だ。歳は近そうだな、くらいの事しか思っていなかった。

ある日、仕事に行こうと玄関を開けると、向かいの部屋のドアが同時に開き、ソイツがゴミを持って出てきた。自然と目が合い、なんとなく「コンバンワ...」と消え入りそうな挨拶と会釈をし、立ち去ろうとしたアタシの背中に

「あの!」

と声がかかった。

「はい?」

もう、これ以上なくシンプルに(何か用?)という感情しかなかった。

「前から思ってたんすけど…」
「え...」

「冷たいッスよね!」
「は?」

「歳近そうだったから仲良くしたかったんスけど!」
「はぁ」

「冷たいッスよね!」
「はぁ…とりあえず電車あるんでいいですか?」

「自分も電車乗るんで一緒に行くッス」
「はぁ...」

といった感じで、お互いに名乗って、ご近所さんなのでコンゴトモヨロシク的なカンジでその日は終わった。

何が起きてんのかよくわからなかったが、仕事を終えて帰宅してから、事の重大さに気が付いた。

このキ〇チガイ、アタシの向かいの部屋に住んでるから逃げも隠れもできねーぞ、と。

「おーい!居るぅ?」とピンポン鳴らされるまで時間はかからなかった。

だが、思ったよりいいヤツだったので、なんだかんだで遊ぶようになった。
途中からは、お互い鍵は開けっ放しで、自由に行き来したりして、ソイツが風邪で寝込んだ時はメシ作ったりしてた。ヒマならすぐに話せる相手がいるのは良い事だった。音楽好きで、一緒に曲を作ろう~とかいって作詞ノート作ったりとか、今思うとクッッッッソ恥ずかしい事してたな。

きっと、そのまま良い関係が続けば、それは日常系作品のような世界だったんだろうと思う。でも、アタシは狭量だったし、ソイツはマウント取りたがりの自意識高めなヤツだった。色々と反りの合わない事が重なって、引っ越して付き合いはなくなった。

日常系の作品を見る事で、手に入れ損ねた日々を取り返そうとでもしているのか、アタシ自身にもよくわからないけど、日常系作品にありがちな”ご近所さんと絡む楽しさ”の片鱗をリアルに一部味わっているので、少し感情移入とか強めなのかも知れないな。
シェアハウスしている友達のとこに遊びに行くのも、何か近い楽しさがあったな。結局一人暮らしの気楽さが至上、というのがアタシにはあるっちゃあるけど、そりゃ一人はいつだって楽しいものでもないさ~てなもんで。

そうだな。寂しいんだなきっと。
世のコミュ障ヲタ達も、寂しいんだろうか。
寂しいって事くらいはっきり言えないと狂っちまいそうだよな。
コロナもあるし、みんな色んな障害にぶち当たってたりもするだろうし。
平和でバカやってても死なない世の中であって欲しいですのー

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