見出し画像

ミモザの日


 3月8日は、イタリアでは女性に感謝を伝える記念日「Festa della Donna(フェスタ・デッラ・ドンナ=女性の日)」、別名「ミモザの日」「国際女性デー」。
先日ミモザの花の写真を撮る機会があり、それをこの日に投稿することにした。

2月25日に投稿した記事では、福岡県豊前市にあるミカン農園「静豊園」で撮ったメジロと河津桜の写真を載せたが、ここには大きなミモザの木が一緒に植栽され、桜より一足早く、枝いっぱいに小さな花を咲かせていた。
一つ一つの花はとても小さいが、それが3メートルを超える樹全体ともなると実に壮観。繊細であると同時に大胆でもあり、華奢なように見えて力強い。自由を謳歌し、喜びに溢れ、風と共に舞い踊っているかのような可憐な花だった。
枝垂れているのは弱い枝だからではなく、花や葉の数が多いからだろう。ミモザが自生するイタリアは、日本に比べて降水量が少なく、そのため地中深くに根を張り、背丈も伸びるのではないかと思う。



イタリアと言えば、昔イタリアのフィレンツェ郊外にあるヴィンチ村へ行った時のことを思い出す。この村はレオナルド・ダ・ヴィンチの出身地であり、今も生家が残り、小さな博物館となっている。この生家に行くには、最寄りのバス停からオリーブ畑のあぜ道を歩いていくルートが早かった。

トスカーナ地方の穏やかな丘陵地帯は一面、見渡す限りのオリーブ畑。
とぼとぼとその中を歩いていると、農場を営む小さな家があり、庭先に小さな古い木のテーブルがあった。その上にはオリーブオイルが入った瓶が数本。瓶の底には白濁した沈殿物が残る採れたてのオイルだった。

ラベルも貼っておらず、ワイン用ボトルに入れられただけのもの。買い求めようと家の中に声をかけると、中から80歳位の女性が出てきた。
一本欲しいと言うと、彼女は突然イタリア語でまくし立てるように話し始めた。どうやらオリーブオイルを使った調理法をいろいろと伝授してくれている様子だった。私がイタリア語がまったく分からないと英語で言っても聞く耳を持たず、ひたすら元気いっぱい陽気な声で喋り続けた。
その熱心さを見ているだけで、何かとても貴重な体験をしているような気がして、私はただ話が終わるまでじっと耳を傾けた。イタリアの農村を舞台にした映画のワンシーンを生で見ているような光景だった。
別れ際に、彼女はにっこり無邪気に微笑んだ。最後の挨拶だけはイタリア語が通じたのだ。

熱いハートを持った純粋でかわいい人だった。
オリーブへの愛の塊のような肝っ玉母さんだ。
ミモザの写真を見ていたら、そのオリーブ畑にミモザはなかったが、ふと彼女のことを思い出した。

ミモザの花言葉は「感謝」「優雅」「友情」。
そして黄色のミモザの花言葉は「秘密の恋」。

その体験から言わせてもらえば、「秘めた情熱」「純粋」も加えたいところだ。



ミモザといえば、3月8日に女性に感謝を伝えるイタリアの記念日「Festa della Donna(=女性の日)」、別名「ミモザの日」「国際女性デー」としても知られます。

この「国際女性デー」に類する女性のための日は世界各国にありますが、贈られる花がミモザと決まっているのはイタリアだけ。これは、大戦後初めて迎える1946年の女性の日、イタリアの女性連合によって提唱されました。

最初はすみれの花が候補に挙げられていましたが、高価なすみれに対し、ミモザはイタリアに自生する身近な花で、これならば貧富の差に関係なく誰でも身近な女性に感謝の意を表すことができる、とミモザに決まったのだそう。

Creema


女性noterの皆さん、日々お疲れ様❗



福岡県豊前市「静豊園」














モーツァルト:Die Zauberflöte(魔笛)
Aria Variation (Arr. for Piano from K. 620 by Vivan und Ketan Bhatti)
Olga Scheps


🐭🐮🐯🐰🐲🐍🐴🐑🐵🐔🐶🐗😽🐷🦝🦊🦁🐺🐸🐨🦧🐬