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ヤマアジサイとサムライブルー

 北九州市のほぼ中央部高塔山の頂上にアジサイ園がある。その北斜面の日光があまり差し込まない森の一角に、数種類の日本原産ヤマアジサイが、西洋アジサイよりも一足早く咲き始めていた。

形はガクアジサイに似ているが、ずっと小ぶりで、森の木陰でひっそりと咲く姿はか弱く繊細な植物に見える。しかしそう感じるのは大きくどっしりした西洋アジサイやガクアジサイの方が見慣れているからで、じっと見つめているうちに、その奥に独特の力強さを秘めたオーラを感じた。
そして日本らしい花だなと思う。

ヤマアジサイの青を見て、サムライブルーと呼ばれる濃い青色のユニフォームを着たサッカー日本代表チームを連想した。中学時代の私はサッカー小僧だったこともあり、スポーツでも代表の試合だけは今も毎回楽しみにテレビ観戦している。
中学のサッカー部は遊び半分で入部したのだが、2年生になるまでは過酷な練習のために怪我が多く休みがちで、しかも部内の同級生からいじめを受けたりと、まったくもって楽しい部活ではなかった。
ところが「もう無理、退部しよう」と決心したその翌日、突然顧問から新しい背番号入りのユニフォームがレギュラーとサブの計19名に手渡された。私がもらった背番号は最後の「19」だった。それを手にした途端、やる気モードの炎が体の中で突然メラメラと燃え上がった。
「こんな俺でもユニフォームがもらえるんだ。」と驚き、その日は雨の中一人歌いながら家路についた。
それから数か月後にレギュラーになり、背番号は「9」になった。いじめは消え、皆から慕われる存在になった。私はチーム内で一番ヘタクソだったが、強豪チームだったので東京都大会や関東大会で優勝し、全国大会の途中まで勝ち進んだ。

今のサッカー日本代表チームは、以前と比べると随分レベルが高くなった。これまで壁のように立ちはだかるヨーロッパや南米のチーム相手でもまったく引けを取らずに、堂々とした試合展開を見せてくれる。
この数年、特にヨーロッパのクラブチームで活躍する日本人選手が、代表チームの質を引き上げる原動力になっていることは明らかだ。彼らは屈強な外国人たちの中でレギュラーポジションを獲得するほどの信頼と技術とタフネスを獲得している。数年前まではなかなかレギュラーになれない選手も少なからずいたが、今ではチームのキャプテンを任されたり、選手契約終了後もコーチ契約を約束される人もいるほどだ。試合の勝ち負けも見所かもしれないが、彼らの力強さの秘密を探るのが最近の試合観戦での楽しみとなった。
日本代表のユニフォームの青の由来は定かではなく、いつの間にか何となく決まっていたようだが、中には昔の侍たちが好んで着ていた着物の、藍色の一種「褐色かちいろ」に由来するという説もあって興味深い。

今日では海外のみならず、日本社会に生きている私たち一人一人には、多くの問題や困難が目の前に立ちはだかっているように思う。
背景には大平洋戦争に負けたトラウマが戦後77年たっても未だに日本社会の根底に横たわり、押し付けられた西洋式民主主義によって日本古来の民主主義と伝統は破壊され、一部人々の心は荒廃し、メディアの洗脳工作によって「骨抜き」が進行しているかのような状況があるように思う。そこを見ずに目を逸らそうと思えばいくらでも逃げ道が存在しているのが今の日本だ。
がしかし「骨抜き」されずに、しっかりと自分自身の中心を見失っていない強さを秘めた日本人もたくさんいる。

それは「決して屈しないという強さ」なのではないか。
自分自身の中心を貫いて生きる強さを磨くことは、命の本質に近い。
サッカー選手たちを見て、そしてヤマアジサイを見て、さらにはnoteの中にある光輝くようなメッセージを読んで、そう思う。



ヤマアジサイは古くから日本で自生していた植物。関東地方以西~九州の太平洋側を中心に分布している。山に生えていることから「ヤマアジサイ(山紫陽花)」、特に湿気のある林や沢沿いを好んで生息することから「サワアジサイ(沢紫陽花)」という別名がつけられた。日本の気候風土によくあっているため育てやすい。花色は土質によって変わることがある。

ヤマアジサイは通常のアジサイと比べると花も葉も小ぶり。そのため株全体が繊細な雰囲気をまとっている。ガクアジサイと同じく、縁にそって装飾花をつける咲き方だが、ガクアジサイよりも花序が小さい。また地域による花色や花形の違いが大きい植物でもあり、山野草愛好家の間では高い人気がある花木である。

BOTANICA参照




































毎日新聞ニュースより引用


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