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静寂の祝詞
福岡県北部の玄界灘に浮かぶ絶海の孤島「沖ノ島」は、2017年「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として世界遺産に登録。現在常駐する神職一人以外、環境保全の為に立ち入ることはできないが、その手前にある「大島」の沖津宮遙拝所や展望台からは、遥か彼方の水平線上にうっすらと浮かぶ沖ノ島の島影を肉眼で捉えることができる。
周辺の島々にはない切り立った断崖と険しい山並みから浮かび上がる孤高の存在感は、まさに「神宿る島」と呼ぶに相応しい。
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世界遺産登録された宗像大社は、日本神話に登場する日本最古の神社の一つ。沖ノ島と大島、本土それぞれにある三宮を総称して「宗像大社」と呼ぶ。
御祭神は天照大神の三女神。沖ノ島の「沖津宮」には「田心姫神」、大島の「中津宮」には「湍津姫神」、本土の「辺津宮」には「市杵島姫神」がそれぞれ祀られている。
大島にある「中津宮」は、海岸にほど近い高台に建ち、すぐ横には天の川と名づけられた小川が流れ、森の斜面からは綺麗な湧き水が湧き出ている。
この天の川を挟んで左手には織り姫を祀る織女神社が、右手には彦星を祀る牽牛神社がある。織り姫は「こと座の1等星・ベガ」を、彦星は「わし座の1等星・アルタイル」を擬人化したものだ。
さらに中津宮から階段の多い登山道をゆっくり登ること1時間、大島で最も標高が高い御嶽山山頂にある「御嶽神社」に辿り着く。日本神話によれば、ここが湍津姫神の降臨の地と考えられている。
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御嶽神社の裏手には7世紀後半までに始まった国家祭祀の跡が今も残る。両手で持ち上げられる程の石が数十個転がり、一見祭祀の跡とは思えないほど荒廃しているが、おそらく随分昔に埋蔵品目当てに何者かがひっくり返した跡ではないかと思う。
この頂上付近に立つと、一か所だけ特に強いエネルギーを足元に感じる場所があった。本殿の写真を撮っていると、珍しくたくさんのオーブが写り込んでいる。相当強いエネルギーが今も山頂の一点から噴出しているようだ。
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宗像三女神が祀られている三つの神社は、古代の自然崇拝の祭祀場だった場所の近くか、その周辺に造られたもの。祭祀場を最初に造ったのは海洋民族「宗像人」だった。
沖ノ島にある祭祀場には巨石が並んでいる。下の写真は宗像大社神宝館に展示されている磐座のミニチュアだが、左下に見える社殿と比べるとその巨大さに圧倒される。
宮地嶽神社の奥の宮に並べられた巨石は最大40トンほどだが、この巨石の大きさはその数倍。周囲に同じような巨石はなく、南北のライン上に沿って並べられていることから、これらも人為的に配置されたものではないかと思う。
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本土にある宗像大社にも、背後の小高い丘の上に「高宮祭場」という古代の祭祀場が残っている。 この祭祀場では信仰対象が神籬(木々)だった。
祭場前に立てられた案内板には次のような説明が書かれている。
沖ノ島では四世紀末から約六百年間にわたり国家祭祀が行われ、二十三か所の祭祀跡が確認されると共に、八万点にもおよぶ神宝(全て国宝)が出土しています。
また現在、全国の神社でおこなわれている祭祀(おまつり)は、社殿(本殿や拝殿)で行われていますが、この沖ノ島の祭祀跡から、磐座(岩)神籬(木々)などの自然そのものに神々を見出す、神社祭祀の原点が実証されています。
この沖ノ島で行われた祭祀の姿を色濃く残しているのが、当地の高宮祭場です。古代より連綿と継承される、わが国の祈りの姿に想いを馳せながらご参拝下さい。
宗像三女神を祀る以前には、海洋民族が航海安全と対外交流の成就を願う自然崇拝の信仰がすでにあったとのこと。となると海洋民族が信仰していたのは航海の羅針盤としていたオリオン座の三ツ星であり、その信仰が日本神話では三女神へと擬人化され、後世に受け継がれたと考えられる。
海洋民族は冬の航海をオリオン座の三ツ星の位置を見定めながら船の舵を切っていた。つまり晴れた日の夜にも海を渡っていたのだろう。漆黒の夜空に輝く満天の星々は神々の住む世界であり、その中でもひと際輝くオリオンの三ツ星を畏敬の念を抱きながら、船の上からじっと見つめていたに違いない。
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エジプトのギザの三大ピラミッドもまた海洋民族と巨石信仰を持つ人々の合同作業だったと思われる。
この三つのピラミッドも同じくオリオン座の三ツ星に対応して配置されている。東にはナイル川が流れており、これはオリオン座と天の川との同じ位置関係にある。
ピラミッドには、王の間と王妃の間呼ばれる部屋があって、それぞれの部屋から北と南に通気孔のような孔(シャフト)が開けられている。王の間から北に伸びるシャフトは、当時の北極星りゅう座のトゥバーンを指していることは知られているが、南に伸びるシャフトは、なんと!南中した三ツ星の左下のζ星(クフ王のピラミッドにあたる星)を指していることがわかった。
さらに、王妃の間から北に延びるシャフト(途中で詰まっている)は、こぐま座のβ星が南中する位置を指している。この星は昔からエンペラーズガードつまり王を守る星と言われている。
そして南に延びるシャフト(こちらも途中で詰まっている)は、おおいぬ座のシリウスが南中する位置を指しているのだ。古代エジプトでは、シリウスのことをイシス、つまりオシリスの王妃の名で呼ばれている。
いったいこれは何を意味するのか?そこで、第5王朝ウナス王のピラミッドの玄室の壁に描かれているピラミッドテキストという古文書をひもといてみると、オリオン座はエジプト神話の冥界の神オシリスに見立てられていて、ファラオ(王)が死ぬと、その魂は三ツ星の左下の星が南中したときに、ピラミッドの孔を通ってオシリスの元に帰ると書かれているという。
ここまでくると単なる偶然ではなく、オリオン座(オシリス)と、ピラミッドは深いきずなで結ばれていた可能性が見えてくる。
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トリップアドバイザー
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もしも宗像の自然崇拝をする人々が古代エジプトと関連する海洋民族であったとするならば、自然崇拝の対象であったオリオンの三ツ星とは別に、シリウスに対応する場が宗像のどこかにあるはずと考えてもおかしくはないのではないか。
この観点から改めて宗像大社周辺を地図上で見ると、大島、勝島、高宮祭場という三つの地点が並んでいることがわかった。この三カ所をオリオンの三ツ星としたなら、沖ノ島の存在はシリウスの位置に相当する位置関係となってくる。
興味深いことに、ギザのピラミッドの場合と同じように、宗像大社の東側には釣川という川が流れており、これを天の川と見立てることも可能だ。
この「ツリ」の語源を調べると、ヘブライ語に行き着く。
「ツ」「ツル」は「神」を意味し、「ツル」は直訳すると「岩」を意味するとのこと。
「ツ」の発音をもつ字は、古代から様々な人名、地名などに用いられてきました。その最たる事例が、古事記や日本書紀などの史書です。記紀には、神代「国生み」の時代からの歴史が事細かに記載されています。そして多くの神々の名前や地名が明記されており、現存する地名も少なくありません。
例えば、地名の事例としては神代から「ツ」「津」という名称が多く使われています。何故でしょうか。その理由は、「ツ」がヘブライ語で神を意味する言葉であるからに他なりません。
https://www.historyjp.com/article/31195/
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中央やや右下に三つ並ぶ星がオリオン座の三ツ星
ここから沖ノ島における自然崇拝の祭祀では宗像族の権力者が死んだ後、霊魂が故郷へと帰還するための祈祷が行われていたのではないかと推測できる。磐座が南に向かって一列に配置されていることは、そのことを暗示しているようにも見える。
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遥か昔、人類が地球に初めて文明を築いたのが今日の日本を含む古代大陸だったという説が最近様々な方面から浮かび上がっている。
2万7000年前の旧石器時代、日本近海の海水面は現在よりも110メートル低かったことが分かっている。この沖ノ島も本土と陸続きだった。
沖ノ島の南東の海底には超古代の遺跡の存在が確認されている。直径約5~6メートル、高さが約30メートルの円柱があり、このうち一本には螺旋階段が造られていた。またここから両性具有の神像も見つかっている。
海洋民族のルーツは日本を含む超古代大陸にあり、その大陸が海底へ沈むほどの巨大な天変地異をきっかけとして、一部は縄文人として沈まずに残った日本列島に留まり、他は世界中へと拡散していき、やがて各地で文明を築いた。その後、数千年の時を経て、その末裔たちが再び日本に戻ってきたという系譜があったとしたならば、エジプトのファラオと同じように、この地に生きる権力者が魂の生まれ故郷への帰還を熱望していたという仮説は、あながち考えられないことでもないだろう。
学術的には完全否定されること間違いない話だが、それが真実か否かはともかく、沖ノ島を信奉する人々が古代の宗像に生きていたということだけは間違いない事実。
満天の星空から地上に降臨してきた八百万の神々に捧げる祝詞の響きは、今も私たち日本人の心の静寂の中に眠っているのかもしれない。
宗像大社 神宝館に展示されている沖ノ島の出土品
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大島 中津宮
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大島 御嶽宮と古代祭祀場跡
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宗像大社
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Lessons
JM Professor
ありがとうございます
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