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風景

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身の回りにある様々な風景を撮った写真は撮影者ではなく、見る人の心を映し出す鏡。
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#夏の思い出

夏の日々は走馬燈

(文700字 写真36枚)  朝の冷気を感じふと振り向けば 過ぎ去りし夏の日々は走馬燈のよう ついこの前まであったはずの強烈な光と熱は もはや何処へともなく退散してしまったのか そう思うと何故か急に名残り惜しくなる 花々から一斉に解き放たれた極彩色 甘い蜜の芳香に群がる虫たちの乱舞 嵐の翌朝の清々しい光と静寂のコントラスト 夕空に悠然と湧き立つ紅色積乱雲 刻々と薄れてゆく記憶の中から 鮮明に焼き付いているのは 降り注ぐ光と雨が 大地に眠る命の炎を呼び覚まし 生きとし生け

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真昼の木漏れ日

カルストの夏

北九州市小倉南区にあるカルスト台地「平尾台」。この時期は草に覆われ、眼にも涼し気な緑一色の景観が広がる。 台地全体が高原の爽やかな風にゆらゆらとなびいている。 平野部から数百メートルほど標高が上がるだけなのに、ここは大自然のど真ん中。見るもの感じるものすべて別世界。 足元の大地すべては結晶質石灰岩、大理石の山だ。 この緑の野が秋には一面金色に輝くすすき野に変容する。 訪れたこの日は小雨交じりの曇天。頂上付近は雲がかかり、遠くまで連なるカルストの風景は見ることができなかった。

はまゆう咲く丘

 北九州市のとなり福岡県芦屋町「夏井が浜」では、はまゆうの花が見頃を迎えている。 夕焼け色に染まる響灘を背景に、薄暗がりで咲き誇る姿は、決して艶やかなものではなく、むしろ控え目すぎるほどに慎ましい。 神奈川県三浦半島を北端とする温暖な海岸沿いなどに自生する常緑性のヒガンバナ科多年草で、浜の近くで咲くことや、神事に使う木綿(ゆう)に花が似ていることから「浜木綿(はまゆう)」と名づけられた。 7~9月には白い線状の花を咲かせる。 そしてこの花は夕方~深夜に満開になるという。 つ

小倉城界隈の夕暮れ散歩

北九州市の中心街といえば小倉。 小倉駅前には大型商業施設から細い路地に密集して連なる商店街もあり、いつも活気に満ちている。 また駅から徒歩10分の所には、小倉城を中心とした自然豊かな勝山公園、紫川、そしてリバーウォーク北九州という文化商業施設によって構成されるエリアがある。 観光客や市民の憩いの場だ。 夏の夕暮れ時に1時間ほどのんびり散策。 庭園の静けさや川面に渡る清涼な風が、暑かった一日を忘れさせてくれる。

神踊る夏夜

(写真60枚) 黒崎祇園山笠2022 五穀豊穣 無病息災 悪疫退散 氏子の祈願届く時 動かぬ山駆け下りて 転がる山へと乗りうつる 溢れる光無尽蔵 雷鼓の轟き鳴り止まず 眠れる力呼び覚まし 夏夜の帷に舞い踊る

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みどり萌ゆ