プラスチックの業界用語って? 熱可塑性樹脂part③

プラスチック加工メーカーがよく取り扱う樹脂の種類のご紹介part③です。part③は、今回はスーパーエンジニアリングプラスチックをご紹介します。前回に続き、業界の略称を書き出してみました。我々はスーパーエンジニアリングプラスチックを略称で「スーパーエンプラ」と呼んでいます。また、「よく取り扱う」というよりもこれらの樹脂は非常に高価で高機能な樹脂であり、これまでご紹介した「汎用プラスチック」や「エンプラ」とは異なり限られた部品用途や、材料も限られたメーカーで取り扱われています。

主なスーパーエンプラと略称

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【特徴】

 これらの樹脂は、分子鎖の中にベンゼン環を含むことが特徴的な構造となっています。分子鎖が太く強くなるため、環境温度が高温になっても分子は運動しにくいから耐熱性に優れています。スーパーエンプラの耐熱基準として、連続使用温度が150℃以上とする見方もあり、エンプラ以上に耐熱性が高い材料として、近年注目度の高いプラスチックです。
 なお、フッ素樹脂に関しては、ベンゼン環構造は存在しません。但し、フッ素F原子は、電気陰性度があらゆる元素の中で最高位にあり、炭素と結合すると非常に安定するため、耐熱性や耐寒性その他の性質にも優れています。その特徴から、フッソ樹脂も、スーパーエンプラに分類されています。

 我々も、最近になってスーパーエンプラの開発案件の取り組みにもチャレンジを始めています。材料が高価なうえに、エンプラ以上に高温度帯での加工を必要とするため、難易度は更に高く、なかなか難儀だな~、と頭を抱えてもいますが、将来に向けた取り組みの一つとして注目しています。

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