『ちはやふる』の続編がなんだか思ってたのと違う件

いや、普通におもしろいは、おもしろいんですよ。
でも、無印が面白すぎたんでその期待値にまではまだ達していないのであることよ。ママさんサッカーのも面白かったし、枯れてる作家では全くないのだから。

おそらく今回のテーマは『捨てずに抱えてやり切る強さ』だと思うのだけれど、ちょっと情報量が多くて捌ききれていない。
前作で小学校編をやったみたいに、主人公とヒロインの描写を時間をかけて積み上げておかないと前作キャラに喰われてしまう。
読者も作者も前作キャラが好きすぎるし、商業的な要請もきっとそうなのだろう。男性より絵的にも華やかだしね。
でも、それならスピンアウトでよくない?
素人考えで言うと、主人公は北央側に配置して、前作主要キャラは段々と出していくとか、白波会に入るくらいの方が情報のバランスが良かったのではなかろうか。

あとは、主人公に対比する登場人物がまだいないことが読みやすさを損ねている。
新と太一、千早と忍のようなわかりやすいライバル関係は強烈な読者のフックになる。しかし、本作で千隼の名前はすぐに覚えられても、残念ながら主人公の名前は曖昧だ。現時点ではモブのような扱いだし。
家庭で苦労するキャラを横に並べるのはいかがなものだろうか。友達にはなりやすいとは思うけれども。

きっともっと面白くなっていくのだろうけれど、もう少し早めに面白くなってほしい。
苦労話が長めに入る作りだし、家の苦労は綿谷家でもやってたので、それ以上の尺を割くとなると、結構振り落とされるのではなかろうか。
新キャラが出る度に、前作の先輩がくっついてくるので、捌く情報が常に二倍になるであろうことも予測される。

続編て難しいなぁ。



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