【#ハイつま】海外のTV番組でこういうの見るよね!『911 Emergency Dispatcher』
ハイカジ遊んでますか? どうも、浮雲です。
『#ハイつま』第4回は、前回の『Z Escape』とは違ったベクトルで、ハイパーカジュアルゲームで取り上げられやすいテーマ/モチーフのタイトルを紹介したいと思います!
それがコチラ、Supersonicの『911 Emergency Dispatcher』です。
■【#ハイつま】のターゲット
主に以下のような方にとって、学びや気づきが得られるものになるよう意識しています!
・ハイパーカジュアルゲームに興味があるゲームデザイナー/開発者の方
・ハイパーカジュアルゲームをあまり遊んだことのない方
・ゲームデザイナーの視点や思考に興味のある方
基本データ
■パブリッシャー
・Supersonic
■ リリース(アメリカ市場での現在までの推定累計DL数)
・iOS:2020年12月2日(推定340万DL)
・Android:2021年3月12日(推定105万DL)
■ ストアURL
・iOS
・Android
テーマ/モチーフ
テーマとしては「モチーフとなった職業を追体験する」という、いわゆる【職業体験モノ】なります。
そのモチーフとなるのは、タイトルにある通り【911 Emergency Dispatcher】なのですが、日本ではあまり馴染みがないものだと思いますので、軽く説明しますと――。
【911】は、日本でいうところの【110】もしくは【119】にあたるもので、いわゆる「緊急通報用電話番号」です。
そして【Emergency Dispatcher】は直訳すると「緊急通信指令係」になりますかね。具体的には、「通報を受けて、内容を判断し、適切な担当者を派遣する」役割のひとのことです。
アメリカでは『Rescue 911』というリアリティショー番組があったりと、どういう役割なのかは広く認知されていると考えられます(日本でいう『警察24時』的な感じですかね)。
日本でも、ときどき『世界まる見え!テレビ特捜部』で紹介されてたりするので、見たことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そしてこの【職業体験モノ】は、ゲーム好きな人からするとちょっと意外に思うかもしれませんが、ハイパーカジュアルゲームにおいては現状とても人気のあるテーマのひとつです。
アメリカでは鉄板ネタである憧れの職業【警察官】【消防士】などは当然として、ここしばらく見ただけでも【歯医者】【バーテンダー】【クラブの黒服】【タトゥーショップ】【清掃業者】などなど、多種多様な職業のゲームが人気タイトルになっています。
バーテンダーがモチーフの『Mix and drink』
特に、少し前からのトレンドとして【ネイルサロン】や【メイクアーティスト】などのオシャレ・美容関係は、ハイパーカジュアルゲームのユーザーにティーンの女子が多いこともあり、息の長い人気タイトルになっているものも少なくありません。
ネイルサロンがモチーフの『Nail Salon 3d』
なお、以前の記事でも触れていますが、ハイパーカジュアルゲームにおいては「わかりやすいテーマ/モチーフ」は非常に重要です。
なにはなくとも動画広告を見てDLしてもらわないと始まらないので、ゲームの面白さ以上に「あ、これ知ってる」「あ、これ好き」というユーザーの感情に訴えかける必要があるからです。
そのため、身近なモチーフを扱う【職業体験モノ】が広く受け入れられているのだと考えられます。
コアメカニクス
メカニクスとしては、【Chatting】がコアメカニクスとなっています。
自分で文字入力するわけではなく、PCモニタに表示されるトラブルを抱えた相手からのメッセージを読んで、適切な選択肢を選んでいくスタイルです。
そしてやり取りが終わったら、最後にトラブルを解決するための担当者を派遣する選択肢が表示され、正しく派遣すればクリアとなります。
そうしてクリアを重ねることで、プレイヤーのランクが上がったり、派遣できる担当者がアンロックされていきます。
ここまでだとよくあるハイパーカジュアルゲームのゲームサイクルなのですが、この『911 Emergency Dispatcher』がヒットした要因のひとつには、派遣したあとに時折発生する【ミニゲーム】があったのではと思います。
といってもミニゲーム自体は、
・警官が、【連続タップ】でドアをけ破る
・消防士が、放水を【エイム】して火を消す
みたいなシンプルなものばかりですが、レベルクリアによってアンロックされる担当者に応じてミニゲームの種類も増えていくので、長く遊びたくなるモチベーションを刺激したと考えています。
メタゲーム
『911 Emergency Dispatcher』には、大きく2つのコレクション要素があります。
1.主人公の階級
レベルをクリアしていくことで、主人公がどんどん出世していきます。
……していくんですが、特にそれでゲームプレイの何かが変わるわけではなく、ただキャラクターの見た目がゴージャスになるだけです。ハイカジみ溢れるぅ。
2.派遣可能な担当者
コアメカニクスのところでも少し触れましたが、こちらはゲームプレイに直結しています。
派遣可能な担当者が増えることで、以下のようにできることが増えていきます。
a.【Chatting】での選択肢が増える
b.派遣後に発生するミニゲームのバリエーションが増える
なお、デフォルトで選べるのが【Firefighters(消防車)】【Paramedics(救急車)】の2種類で、最初にアンロックされるのが【Police(パトカー)】というあたりが、「わかりやすく・ヒキが強い」ものを持ってきてるなぁと思います。
ただ、このままリアルな職業が続くのかと思いきや、いきなり【Ghost Patrol(ゴーストハンター)】【UFO Patrol(UFOハンター)】なんてのが出てきたり、「次は何がくるんだろう?」とワクワクさせてくれるあたりがなかなかやりますね!
後半になるとどんどんトンデモな担当者が増えていくので、ぜひプレイして確かめてみてほしいなと思います。
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以上、Supersonicの『911 Emergency Dispatcher』をご紹介しました。
非常によく作りこまれていて、「ハイカジ、おもしろいやん」と思わせてくれたタイトルでした。
また、「これが受け入れられるなら、自分がこれまでコンソールや課金モデルのゲーム開発でやってきた経験を活かせるはず!」と自信を持たせてくれたタイトルでもあります。
気になった方は、ぜひ遊んでみてください。
それでは、次回の【#ハイつま】をお楽しみに!
※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!
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