【#ハイつま】ウネウネはつよい『Sticky Flip』
ハイカジ遊んでますか? どうも、浮雲です。
番外編を挟んで、やっとこ【#ハイつま】2回目です。
前回取り上げた『High Heels!』は比較的凝ってるハイパーカジュアルゲームでしたので、「次はどシンプルなものを」と考えていたところ、ハイパーカジュアルゲームの覇王であるVoodooがちょうど良いタイトルを出していました。
というわけで、今回はVoodooの『Sticky Flip』を紹介します!
■【#ハイつま】のターゲット
主に以下のような方にとって、学びや気づきが得られるものになるよう意識しています!
・ハイパーカジュアルゲームに興味があるゲームデザイナー/開発者の方
・ハイパーカジュアルゲームをあまり遊んだことのない方
・ゲームデザイナーの視点や思考に興味のある方
基本データ
■ パブリッシャー
・Voodoo
■ リリース(アメリカ市場での現在までの推定累計DL数)
・iOS:2021年4月21日(推定16万DL)
・Android:2021年4月30日(推定1.5万DL)
■ ストアURL
・iOS
・Android
テーマ/モチーフ
このゲームからテーマを読み解くのは難しいのですが、これに関してはおそらく元ネタがあります。
それがコチラ『Sticky Flippy』というオモチャです。
動画で遊んでいる子供たちを見ての通り、対象年齢が低いということは、それだけこのStickがもつ「くるくる回って、ピタッとくっつく面白さや気持ちよさ」というものがプリミティブで、万人に伝わりやすいということの示唆だと感じます。
そうなるとモチーフはもちろん、このオモチャなわけですが……。とてもそうは見えない。
もちろん似せすぎると問題になるとか、両面に吸盤あるよりは片面の方がゲーム的によい難易度になるとかの理由もあるのでしょうが、そんなことよりも、とにかく目を引きます。……卑猥的な意味で。
形状や、ヌメッとした質感や、ぷるぷるした動きなど、あからさまに狙ってるとしか思えません。ゲーム開始時に落ちてきて、貼り付いたときのウネウネした動きのアレなこと。
実際、このゲームの動画広告の中にはStickにモザイクがかかってるものもあり、意図的にやってるのは明白です。
ハイパーカジュアルゲームにおいては、動画広告でユーザーの興味を引くことが不可欠で、そこにモチーフが果たす役割は大きいです。
そういう観点で見ると、色んな意味で目を引く素晴らしいデザインだと思います。
ちなみに、ハイパーカジュアルゲームでは「蛇」や「紐」のような、「長くてウネウネしてるもの」は、【鉄板のモチーフ】のひとつです。
私はそっち方面には明るくないのであれですが、「心理学的にみたら云々かんぬん」みたいなのが影響してるんだろうなぁと思っています。
あと、オブジェクトとして配置されている人間のモデルが「ハゲのマッチョメン」というところにも、何かしらのメッセージ性を感じざるを得ません。
コアメカニクス
メカニクス的には、シンプルな【Timing】ゲームです。
Voodooはこの少し前に『Slice It All!』というゲームをヒットさせているので、そのノウハウも活かされているのかなと思います。
この2つのゲームにおけるメカニクスの違いは、『Slice It All!』が無限にフリップ可能なのに対して、『Sticky Flip』は二段ジャンプに制限されているところでしょうか。
『Slice It All!』はオブジェクトを一刀両断する気持ちよさがテーマなので、その体感を最大化するために基本死なない設計にしているのだと思います。
対して、『Sticky Flip』は貼り付く部分も含めて、Stickの挙動の気持ちよさ(気持ち悪さ?)がテーマなので、失敗したときの動きも含めて楽しませようとしているのかなと。
失敗して、力なく床に転がる姿はなかなかのシュール具合です……。
メタゲーム
一切ないです。
もっと言えば、コインを稼ぐ要素はあるものの、使う要素はありません(こういうのもハイパーカジュアルゲームあるあるですが)。
ユーザー獲得が順調に進めば、アップデートで要素やコンテンツが増える可能性はもちろんありますが、そんなのがなくても完結しているところが凄いと思います。
個人的には、こういう勝負の仕方ができるのがハイパーカジュアルゲームの魅力だとも感じています。
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以上、Voodooの『Sticky Fip』をご紹介しました。
「モチーフ&コアメカニクスによる一点突破」という、ある種ハイパーカジュアルゲームのお手本のようなタイトルですので、気になった方はぜひ遊んでみてください。
それでは、次回の【#ハイつま】をお楽しみに!
※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!
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