見出し画像

【#ハイつま】まったくスローじゃないきこりライフ『Lumbercraft』

ハイカジ遊んでますか? どうも、浮雲です。

しばらく番外編が続きましたが、今回はちゃんと紹介記事です!
前回は『Bounce and collect』という非常にシンプルなゲームデザインのタイトルを紹介しました。
※ちなみに『Bounce and collect』は、5/17時点のアメリカの無料DLランキングでは、両OSともTOP3に入っています

なので第6回となる今回はその逆、どちらかというと【コンソールゲーム】に近いと感じたタイトルを紹介したいと思います。
それがコチラ、『Lumbercraft』です!

■【#ハイつま】のターゲット
主に以下のような方にとって、学びや気づきが得られるものになるよう意識しています!
・ハイパーカジュアルゲームに興味があるゲームデザイナー/開発者の方
・ハイパーカジュアルゲームをあまり遊んだことのない方
・ゲームデザイナーの視点や思考に興味のある方

基本データ

■パブリッシャー
・Voodoo

■ リリース(アメリカ市場での現在までの推定累計DL数)
・iOS:2020年11月9日(推定150万DL)
・Android:2021年1月5日(推定110万DL)

■ ストアURL
iOS
Android

テーマ/モチーフ

タイトルに『Lumber』とあるように、モチーフは【きこり】です。
なので、テーマとしては『きこりとなって、森の中でスローライフなものづくり生活』……とかかと思いきや、これが一味違います。

最初は、それこそなにもない森の中で木を切って、建物建てて、から始まるんですが、そのうち自分以外のひとのお店が出来たりしだすのでちょっとした【町づくりゲーム】のようになっていきます。
さらには謎のポータルができると、敵を倒してコインを稼ぐ冒険に出る【アクションRPG】的な遊びや、定期的にポータルから襲撃者がやってくるのでそれを迎撃する【ディフェンスゲーム】のような要素もあります。

画像1

はじめてプレイしたときは「こんな盛り沢山なハイパーカジュアルゲームあるのか!」ととても驚いたものです。
しかも、それを作ったのがシンプルで無駄のない作りのゲームに強いVoodooというのに、二度驚きました。
ニッチを攻める小さなディベロッパーではなく、ハイパーカジュアルゲーム界の覇王であるVoodooが仕掛けてきたというところに、ハイパーカジュアルゲームのステージが変わったのを感じたものです。

そんなこんなで、テーマ的には『きこりとなって、木や敵を切りまくって、街を発展させよう』みたいな感じになるかなと思います。

ちなみに、ふと気になって『Lumberjack』(きこり)という単語でググってみたんですが、口髭はやして斧を手にしたマッチョメンがわんさか出てきました。
海外だと、『きこり=強いオトコ』というイメージがあって、それが敵を倒すという要素に繋がってるのかなと。

そうであるなら、【きこり】というモチーフは、『採集』『生産』『戦闘』の要素を組み合わせた【町づくりRPG】的な今作にぴったりだなと感じますね。

コアメカニクス

前段で述べたようにいろんな要素がある『Lumbercraft』ですが、コアループとしては「木材を集めて建築、建物のレベルアップなどの町づくり」を繰り返すことでゲームが進行していきます。これは、農園ゲームなどに多く採用される【Idle】メカニクスと言えます。

聞きなれないひともいるかもしれないので【Idle】メカニクスについて『Lumbercraft』を例に簡単に説明しますと、

・町づくりの原資となる木材は生えてる木を伐採する、もしくは建築した木材ジェネレーターで生産されたものを回収する
・一度回収すると、次に回収できるようになる(木が生える、生産される)までの「待ち時間(アイドリングタイム)」が発生する
・キャラクターや建物をレベルアップすることで、【回収スピード】【生産スピード】【生産量】が上昇する
・【ゲーム内通貨】【課金アイテム】【リワード動画】などを消費することで、アイドリングタイムを短縮することができる

という形で、【リソースマネジメント】を行うゲームに用いられるメカニクスになります。
一昔前は【農園ゲーム】なんかを指してた気がしますが、最近は【放置ゲーム】を指すことが多いようです。しばらく前にCMをばんばん打ってた『AFKアリーナ』なんかも【Idleゲーム】ですね。

この【Idle】メカニクスをコアメカニクスとしていたのには、さらに驚かされました。
なぜなら、ハイパーカジュアルゲームと【Idle】メカニクスは、普通に考えると相性が良くないと考えていたので。

理由はシンプルで、『待ち時間は敵』だからです。

ハイパーカジュアルゲームは、短いサイクルで気持ちよさを感じさせる、どちらかというと【刹那的】なゲームデザインが王道とされています。
ユーザーとしても、ゲームを遊ぶというより「気持ちよい体験」を求めている感じなので、アイドリングタイムのような【何もしない時間】があると、それはそのまま離脱ポイントに繋がるリスクになります。

そんな中で、この『Lumbercraft』がランキング首位に入り、長期間上位に居続けたことは、ハイパーカジュアルゲームでも「ゲームらしいゲームが受け入れられる土壌がある」というひとつの証明になったと感じて、大いに勇気づけられました。

メタゲーム

『Lumbercraft』は要素は多いものの、メタゲームらしい要素はありません。
鍛冶屋ができると、建物をアップグレードすることでプレイヤーキャラクターの装備もアップグレードされるのですが、リニアに上がるだけでコレクションやカスタマイズといった仕様にはなっていません。

とは言え、コアループやゲームサイクルに対して不要なものをくっつけないあたりは『Voodooイズム』があると言えるかもしれないですね。

======

以上、Voodooの『Lumbercraft』をご紹介しました。

これまで遊んだ数百タイトルのハイパーカジュアルゲームの中では、トップクラスに『コンソールライク』なハイパーカジュアルゲームです。
リワード動画の使い方など『ハイパーカジュアルゲームの文法でコンソールライクなゲームを作るとどうなるか』のある種お手本のようなゲームデザインになっているので、気になった方はぜひ遊んでみてください。

それでは、次回の【#ハイつま】をお楽しみに!

※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?