【エッセイ】ひとりです

私は家系ラーメンが好きである。
味は塩、ほうれんそう増しで注文する。
もちろん適時にんにくと刻まれた玉ねぎを丼に入れる。

ある日、いきつけのラーメン屋さんを訪れたところ、
店員さんが「おひとりですか?」と尋ねてきた。
店員さんと私の間には少し距離があり「ひとりです」と
伝えるためにはやや大きな声が必要であった。
そのことに恥ずかしさがあったので左手の人差し指を上げて
返答した。
そのとき視認されやすいようとあるお笑い芸人のように真っすぐ空へ向けて上げたのである。

通してもらった席でこのときのことを振り返る。
確かに視認されやすいかもしれないが、やや手の筋肉が張りやりづらい。
力を入れずに立てようとすると45°下がったあたりで落ち着く。
真上よりは見づらいかもしれない。
うむ、どうしたものか。

そうだ。お店の混み具合で変えよう。
バタバタされているときは頑張って見やすく。
すいているときは楽な45°で。
いい案だ。
お互いwin-winで気持ちよく過ごしたいものだ。

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