散文的な日々なんて
お昼にコンビニへ出かけた時に見た光景。
作業服を着た小柄な男性がおそらく買ったばかりのソフトクリーム(セブンで売ってる、ぱかっとはめる蓋がついたやつだ)をみっつ抱えて、弾けるような笑顔で工事現場にかけ戻っていった。
同僚のぶんだろうか。あまりに幸せそうな笑顔だったので、ほっこりしてしまった。
そしてポストに封筒を投函しに行った午後、歩きながらふと口ずさんでいたのが踊ってばかりの国の「光の中に」だった。
この歌、たとえば何年後かに今とはまったく違う場所でふと思い出したりしたら、結びつくのはOLのお昼休みの光景だろうと思っている。
歩いて五分ほどの場所にある噴水(もどきだが)の側のベンチに座って、ぼーっとセブンのちぎりパンを食べていたこと。街路樹が秋めいてきたなぁと見上げたこと。その上の青空。足元では鳩がそしらぬふうでこっちへやってきて、いやだったこと。
これは特定の日のことじゃないかもしれなくて、色んな日の記憶が混ざって作り上げられた"あの日"なのかもだけれど、とにかくこんな平凡なランチタイムによくイヤホンから流れていた曲だ。
これを聞くと、頭で考えていたことやその時間がきれぎれの雲みたいに広がっていってしまう。うすーく散って、霧散したようになる。
メロディは綺麗に流れるが、歌詞がそうさせるのだろう。
五分間、そんな世界にひたってしまう。
こうしてお昼休みは、偶然上司が前を通っても気づかないほどに脱力しきっているわたしなのです。
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