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人生の大先輩から教わった、ちょっと変わった手作り味噌の仕込み方

毎年作っている自家製みそ。

作り始めたのは今から8年前、当時働いていた農園の奥さんから「寒の水のころに、みんながうちの台所に集まって一緒に仕込むからおいで」と半ば強制的に誘われたのがはじまりでした。


味噌は買うものと思って生きてきたので、自分で作るなんてハードル高すぎ!と、初めは後ろ向きな気持ちで参加。しかし回を重ねるうちに流れを覚え、今ではこうして一人で作れるようになったので、あの時誘っていただけたことを本当に感謝しています。

と言ってもわたしが作る量はおよそ5キロ。丸々一年分とはいかず、全て使いきったらスーパーに売っているタニタの減塩みそを買って補うしかないのですが…


1月も中頃を過ぎると、わたしの頭の中では〝みそ〟の二文字がちらつきはじめ、そろそろ材料を買い揃えなくてはと、前の年にスマホのメモ内に入力した分量などを確認します。


なんせ年に一度の買い出しなので中々覚えられず、米麹は何グラム?塩はどれだけ必要だった?他に買い忘れは無かった?となります。

実は伝授してもらった作り方には、  一般的なみそ作りのレシピには使わない材料があるのです。

それが無いとみそ作りが完結しないので、家に買い置きがあるか確認したり、無ければ買いに走ることになります。

以下、農園の奥様が何十年も作り続けている味噌の材料です。


仕上がり約5kg分

・乾燥大豆     1,020g
・米麹           1,640g
・塩              625g(塩分濃度13%)

                       (下に続きます)

※マルカワみそさんの原料計算ツールを使えば素人でも簡単に分量が分かりとても助かっています

【無料】味噌の作り方が楽になる原料計算ツール(麹・大豆・塩) | 越前有機味噌蔵 マルカワみそ
marukawamiso.com

と、ここまでは普通に使う材料です。
そして奥さん独自かどうか訪ねたこともないけど使うものがこちら。

◆切出し昆布     適量
◆板酒粕           約100g(2枚ほど)

そのほか準備するもの…
・保存容器(わが家ではタッパーウエア)
・医療料ガーゼ(30×60cm)


わたしは元々味噌の材料など分からなかったので、なんの疑問も持たず言われたとおりの材料を揃えて奥さんの家に伺ったのでした。

このふたつの材料は終盤に登場となり、それまでの作り方としてはごく一般的な味噌とおなじ工程になります。


ちなみに塩分濃度は大豆の量や麹の種類と量で変わったり、好みの味が甘口、辛口などで変わります。(去年は麹が少し多くて塩分濃度は12.5%でした)



みそ作りは二日仕事なので時間のある時に、そして大豆を戻す時間が長いので逆算して取り掛かからないと後々慌てることになるので注意です。(先日の反省を再度自分に言い聞かせておきます)



前日準備

大豆を洗い三倍ほどの水に浸す
(浸ける時間は16〜18時間、丸一日でも可)

当日の工程

  • 戻した大豆を茹でる
    (圧力鍋を使うと早い)

  • 大豆を茹でている間に米麹と塩を混ぜ合わせておく

  • 茹で上がった大豆をザルにあけ粗熱を取る(少量の煮汁を使うので取っておく)

  • 茹でた大豆をつぶす
    (小分けに火を通す場合は茹で上がったものから潰していくと手っ取り早い。フードプロセッサー、ハンドブレンダー、もしくはビニール袋に入れてつぶす)

  • つぶした大豆と先に混ぜ合わせておいた塩米麹をしっかり混ぜ合わせる。
    (ここでパラパラする場合は取っておいた茹で汁を少しずつ加える…入れ過ぎ注意)

  • 混ざったものを野球ボール大の団子状に丸める

  • 消毒した保存容器に丸めた味噌玉を1つずつ投げるように叩き入れる。(空気が入るとカビの原因になるのでしっかり手で抑えて平らにしながら容器の3分の1ほど入れる)

  • ◆ここで先程の切出し昆布の出番です◆
    味噌生地の上に板状にした昆布を数枚並べて、同じく空気が入らないよう生地に押し付けます。

  • そしてまた残りの味噌玉を詰めていき、同じく上に昆布を並べて最後に味噌生地で昆布が隠れるように埋めます。(昆布を間に挟み込む形です)

  • 全ての味噌玉を容器に詰めたら表面を平らにします。

  • 用意したガーゼを半分に折り、表面に密着するように広げて被せます。

  • ◆いよいよ仕上げの酒粕登場◆
    広げたガーゼの上に板状の酒粕で蓋をするように敷き詰めます。この時も味噌玉同様、平らにし空気が入らぬよう隙間を指で埋めていきます。同時に容器の縁にもガーゼが張り付くように酒粕で押さえます。縁にはみ出ているガーゼで酒粕を包むように被せます。

  • 最後は容器の内側に着いたカスをアルコールを含ませたペーパーなどできれいに拭き取り蓋をして完成です。

圧力鍋と普通の鍋も余熱を入れて同時進行
味噌玉を投げ入れる時は容器からはみ出さないよう注意


2回目の昆布投入


ガーゼを広げその上に酒粕で蓋をする


酒粕を敷きつめガーゼを被せる。容器の内側をきれいにしてからタッパーの蓋をしめて完成。


※タッパーウエアは重石をする必要が無いのでとても手軽に味噌が作れます。この容器も奥様方が昔から愛用されていたものを勧められ迷わず購入したのは言うまでもありません。

そして問題の(?)昆布と酒粕はこのような使い方をしているのでした。
どうでしたか?以外だったでしょうか??


約10ヶ月後にいよいよ味噌が出来上がり使い始める時、ガーゼに包まれた酒粕の蓋をそっと持ち上げ、使う分の味噌を別の容器に移したあとは、またそのガーゼを味噌に押し付け内蓋として中身が終わるまで被せておきます。


使いづつけるうちに埋まっている昆布が顔を出したら味噌と一緒に取り出しておき、味噌鍋やおでんを作る時に一緒に炊いて無駄なく頂いています。ついでにいうと、大豆の茹で汁も冷蔵庫で保存して数日以内に料理やスープに使います。


決して健康オタクではないのですが、こんなふうに使い切るのも、気分も良く、ゴミも出ず気持ちがいいものですよね。




そういえば5年前、職場の先輩からの伝達ミスでいつもより多い大豆を水に浸けてしまったことがあり、その時は頑張って一人で10kg近くの味噌を作った事がありました。

さすがにその年は市販の味噌は買わずに済んだので、今年はそれを目指すべく材料を揃えて近いうちにもう1回分作っておきたいというのが今年の直近の目標です。


noteを描き始めて半年、この記事が今までの中で最長の2,600字を超えました!

自分でもびっくり!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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