見出し画像

「Designship 2019」を主催者視点で振り返る

こんにちは。デザインシップ代表の広野です。

2019/11/23-24に東京国際フォーラムで開催された「Designship 2019」を終えてみて、良かった点や反省点などを書き記したいと思います。

(オープニングかっこいいので観て!)

「2018」と「2019」のちがい

2回目の開催ですが、去年に比べて会場の広さが3倍以上、人数規模も3倍以上の3000人規模のカンファレンスとなりました。

準備は50倍大変だったけどな!!!

さておき、今年の特徴は、「ストーリーフロア」と「コラボレーションフロア」の2つのフロアがあることでしたね。

Designship_オープニング.005

まず「コラボレーションフロア」について。

正直去年は参加者同士の交流というところは全く意識していなかったんです。

しかしながら「Designship 2018」の参加者同士やスピーカー同士で様々なプロジェクトが進んでいるという報告をうけて、なるほど交流というのも提供できるひとつの価値なのか〜と皆さんに教えていただきまして、あえてそれだけを目的としたフロアをご用意しました。

画像8

画像10

画像9

参加者同士や企業さんとの交流はもちろん、ご登壇いただくスピーカーさんとのQ&Aセッションもご用意しましたが、大変盛況でしたね!(もうひとつの「ストーリーフロア」の観覧数に影響がでるくらいに…。。)

それぞれの地方から来た学生さん同士がこうやって集まってワイワイしてるのをみて、嬉しい気持ちになりました。

画像2

そしてもうひとつの「ストーリーフロア」は、Designshipの誇るメインコンテンツ、スピーカーたちの「物語」が語られるステージでした。

画像12

画像12

画像13

去年は単にスピーカーが話す「メインホール」という名前でしたが、デザインシップのミッションが去年から変更されたため名称をそのようにしました。

ちなみに、去年のミッションはこちら。

Designship_オープニング.011

業種の壁・業界の壁を叩き壊し、あらゆるデザインナレッジを共産化して、世界屈指の「デザイン大国」としての日本再興を目指す。

第一回目だったので、課題に対するアプローチとその先の未来をかなり明示的に記したコンセプトでした。風呂敷を広げすぎているように思われるでしょうが僕のカンファレンスを開催するモチベーションの根源はここにあります。

しかし理解するのに少し時間がいるのとなにより熱すぎる(笑)とのフィードバックをもらったので、今年のコンセプトは変更することにいたしました。

Designship_オープニング.031

物語の力で「デザイン」の壁を越える。

このカンファレンスの本質だけを切り取ったミッションにしました。
「デザイン」の壁を超えるために具体的な手段が「物語の力」だと考えたのです。

これからの時代、あらゆるモノや仕事がコモディティ化されていきます。
そうすると人が何に魅せられるか、何によって行動変容を起こすかと考えたときに、私は「物語」がその答えのひとつであると解釈しました。

デザインのスキルやナレッジだけではなく、その人自身がどのように生まれ育ち、デザインと出会って、今は何をつくっていて、これからどう生きようとしているのか。その人生や生き様そのものに、何か持ち帰れるものがあるんじゃないか、モノづくりのヒントになるんじゃないか。

そう考えて、今年は「物語」というキーワードを重視して、このステージ、ストーリーフロアに登壇されるすべてのメインスピーカーの皆さまに「あなたの人生を話してください」と伝えました。

その結果は、皆さまがお聞きくださった通りかと思います。


2019の良かった点(主催者視点)

1. 物語というテーマに即したセッションになっていた
こういうのを聞きたいがためにデザインシップやってるんだよな…というセッションを聞くことができました。事前にスピーカーさんたちにデザインシップとしての想いを共有する機会(=スピーカーミートアップ)をつくれたことが大きいと思います。

画像14

(2年連続登壇の畠山さんによる乾杯)

2. 配信を安定して届けられた
去年と比べて配信機材をアップグレードした結果、途切れることなく快適な配信環境をご用意することができました。当日は雨で余計需要があったので、用意してよかったと思います。

画像15

(今年もひとりでオペする ザキさん

3. 去年と比べて3倍規模なのに事故なく開催できた
大きな事故なく開催できました。地味にすごいことだと思います。

4. 素敵な運営メンバーを集められた
それもこれも素敵な運営メンバーを集められたからだと思います。DesignshipのスタッフはひとりひとりがDesignshipに登壇できるレベルのデザイナーです。それなのに業界のために、この国の産業のためにとこうして運営に励んでくださるのは尊いことですね。

画像16

(一部だけどめっちゃ多い)

2019の反省した点(主催者視点)

1. 後方の席が空いてしまった
配信環境が快適すぎて 会場に足を運ぶ人が減ってしまっていた という事実もありました。それくらいとても多くの人が配信を観ていました。来年はチケット数を多めに販売するなどして、会場の「席が空いてる感」をなくしたいです。

2. 電波が悪かった
会場の電波の状況が事前にわからず、主にdocomoの電波が届きにくかったようで、ご不便をおかけした方も多いと思います。ツイッターの盛り上がりもリアルタイムでは少なく、帰り際に盛んにハッシュタグ投稿が増えた印象でした。来年はWiFiスポンサーさんもしくはパートナーさんと共に対処したいと思います。

3. タイムテーブルが体力的にきつかった
両日夜遅く、2日目の朝は早いですよね、わかります。(スタッフが一番感じていると思います…。)コンテンツ数とのバランスだなと思いますが、来年はもう少し早く終わらせてミートアップとかやってもいいかもと思いました。

4. 参加者同士のコラボの工夫が足りなかった
企業・スピーカーと参加者同士は設計できましたが、参加者同士のコラボレーションの工夫が足りなかった気がしました。前述したように来年はカンファレンスの中に組み込みたい気持ちですが、今年は別日にアフターミートアップをおこなうことにしました!

2019/12/12 (木) 19:00 - 22:00 @LODGE(Yahoo! JAPAN)です。
ぜひお越しください。

そして、あなたの物語へ。

物語、という言葉を使うときに、僕は哲学者リオタールの大きな物語・小さな物語という言葉を思い出します。

Designship_クロージング.009

大きな物語というのは、近代社会全体を動かすイデオロギーのことです。全員がひとつの大きなゴールに向かって進む。

一方で小さな物語というのは、人間ひとりひとりの人生に焦点をあてた個人的な生活のことです。

ポストモダンと呼ばれる時代において、大きな物語は終焉し、小さな物語にフォーカスがあてられるようになったとリオタールは語っています。

僕自身も、現代はその小さな物語、つまりひとりひとりの人生そのもの、多様性が存在することそのものに価値がある時代と考えていて、だからこそ「Designship 2019」はそれぞれの物語を重視したカンファレンスに致しました。

実際この2日間で様々な物語をきいていただきました。

そして、その物語を自分の物語に反映させる、もしくは自らの物語についてより深く考えてみるまでが、デザインシップです。

Designship_クロージング.012

今年とは違う物語を背負っているみなさんと、来年の「Designship 2020」でお会いできることを楽しみにしています。

画像16

(Speaker & Sponsor & Staff 2019 当日打ち上げにて)


※当日のカンファレンスの全セッションはこちらのアーカイブから観られます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?